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私がやっているアイデアの出し方~とにかくやってみる~

いろんな人に「よくこんなん思い付くよね、どうやってるの」と聞かれるので私のアイデアの出し方を書きます。

ネタ出しで困っている人の役に立てると嬉しいです。
行きづまっていて即効性のある方法を探している人は、「最終手段:何かを触り続ける」から読んでください。
付箋をめくり続けてアイデアが出た具体例も書いています。


こんなものをつくっています

私は囲碁クリエイターBENIO(べにお)として商品企画フリーペーパーや、デザインをつくっています。

販売中の商品として代表作は「囲碁おりがみ」(日本棋院製作協力)です。
古典棋譜を折り紙にしたもので、大学在学中に企画とデザインが商品化して、販売から4カ月ほどで再販になりました。
大阪・東京・名古屋の日本棋院と楽天で購入できます。

また、囲碁のフリーペーパーココロンもつくっています。1年がかりで取材・デザイン・撮影・広告探し・発送などおこないました。

囲碁のデザインや商品企画をつくることが大好きです。

アイデアの出し方の流れ

さて、本題ですがアイデアの出し方について。
まず、突然いいアイデアが降ってくることはまずなくて、だいたい流れが決まっています。

大きく分けて5つのステップがあります。
1 思いつくままアイデアをメモする
2 ネタリストをつくる
3 ネタリストを削ぎ落とす
4 とりあえず描いてみる
5 人の意見を反映する

一つずつ説明していきます。

ステップ1思いつくままアイデアをメモする

最初は、自分がつくりたいかどうかだけで書きます。

まず、ノートに思いつくままにアイデアを文字や絵で書いていきます。何冊もあるノートに描いています。

ノートの使い分けはこんな感じです↓

・一番小さいノートは、ぼんやりした思い付きを走り書きするネタ帳。
深夜にふと思いついて描くこともあるので小さめです。
・中くらいのノートは、今すぐ作りたいものを描くための下書き用。
レイアウトやラフを描いています。
・大きいノートは、そこそこの清書を書くスキャン用。
真剣な清書はパソコンでしています。

こうした理由で、ノートがたくさん溜まっていき、空いているところを探しては書き込みをしていきます。

ステップ2 ネタリストをつくる

この段階から、他人が欲しいかを考えていきます。

ノートと頭の中にアイデアが溜まってきたら、ネタリストを手書きやExcelで作っていきます。

ネタリストはワクワクして書いていて楽しいです。
でも、永遠に書いていたら次に進めないので、ストップウォッチで60分までと時間を決めて書きます。
例えば、以下のような曼荼羅シート(マンダラート)を8×8の64個全て埋めます。

ステップ3 ネタリストを削ぎ落とす

ここから、ありきたりか調べていきます。
海外でも囲碁は親しまれているので、この世の全てのデザインを把握できませんが、できることはします。

先ほどせっかく埋めたリストですが、1/3ほどに削ぎ落とします。
そして厳選したネタからほんのわずかを採用します。

残りの2/3はボツリストへ移動して、リメイクすることもあるのですべて残します。
そして、一つずつボツ理由を6文字程度の短文で書いておきます。
理由の一例は、「誰もいらんわ」「おもんない」「知らんけどな」など。

丁寧語だと切なくなりますが、関西弁にすることでノリツッコミのようなテンポの良さが出ます。

ステップ4 とりあえず描いてみる

たとえボツネタになっても、習作になるので無駄にはならないです。
また、データを残しておくと部分的に別のデザインに流用できます。保存するとき検索しやすい名前をつけておくと素材として使いやすいです。

採用したネタをとりあえず描いてみます。
下書きをして構図や細かいデザインを考えてとにかく完成させます。

制作締め切りなど決めて確実に終わらせます。
「すごい作品をいつか出してビッグになるんだぜ」って言って何一つ出さずに終わるより、すごくなくてもいいので現段階でベストならとりあえず出したほうがいいと思っています。

ステップ5 人の意見を反映する

SNSに公開したり、家族や知人(商品企画なら担当者様)に見てもらい反響やアドバイスを聞きます。
そして「より良いアイデア」へと変換していきます。

この「より良いアイデア」は次の作品になるか、ネタリストへ移動します。
そしてステップ1にもどるループ構造です。

どうしても行きづまったとき

おおまかなアイデア出しの流れを書きましたが、どうしても行きづまるときはあります。

行きづまったときにしていること

普段やらないことをしてみる。
に出てみる。
・作業場所を変えてみる。

また、普段からできることもあります。
空の色などを見て何かに使えないかなと考える。
・いろんなところに行ったり人と話す
を読む。

最近読んで参考になった本はこちら↓
知りたいタイポグラフィデザイン (知りたいデザインシリーズ) ARENSKI (著)

文字デザイン以外に応用できそうなデザインの基礎が載っていて、アート表現よりも視認性を重視していたのでわかりやすかったです。

最終手段:何かを触り続ける

最後に、何をやってもアイデアが出ないときや、もう何もしたくないときの奥の手を紹介します。

目についたものを触り続ける、です。身近なもので構いません。
コピー用紙なら、パタパタ折る。
シャーペンなら、カチカチ押す。
一回ではなく、ずーっとです。

周りからはだいぶ疲れている人にしか見えないのでこっそりやっています。
この謎行動にもちろん意味はあります。
何でもいいので手を動かし続けていると、ふとしたことが何らかのアイデアにつながるからです。

付箋をめくり続けてアイデアが出るまで

具体例として、ましかくのボックス付箋紙をパラパラめくり続けることでアイデアが出た流れを紹介します。

ちなみに、この方法から今年のバレンタインノベルティのデザインが決まりました。

パラパラ漫画みたいなデザインで連作にしたパッケージにしました。囲碁を通して友達になりチョコを半分こするお話。

付箋紙を手でめくり続けると、顔にフワッと風がくる一瞬があります。
もし、この風に乗って何かの香りがしたら、と考えて五感とリンクしたパッケージにしたいと思いました。

めくり続けると、パラパラ漫画を思いだして、その漫画が「ヒカルの碁」のキャラクターだったらいいなと思いました。
それが、囲碁ゲームの流れがわかるものだとより良いと考えました。

そこで、チョコのパッケージをパラパラ漫画みたいなデザインで連作にしました。ストーリーは「囲碁を通して友達になり、チョコを半分こする」話です。
可愛いと好評で、多くの人に配布してもらえることになりました。

こうして、文房具と全く関係ないネタですが、このようなアイデアの組み合わせがでてきました。
チョコ以外にも、付箋をめくって得られるアイデアのきっかけはたくさんあります。
なんの紙でできているの?四角いかたちの特性は?
手触り、めくるという動き、めくったときの、などなど。

最終的には、手が疲れてくるので「手の疲れを軽減する」という多くの人が解決したい課題もでてきます。

まとめ:とにかくやってみる

アイデア出しの流れをおさらいすると、以下のようになります。
①メモする
②ネタリストをつくる
③厳選する
④とりあえずつくる
⑤人の意見を聞く

これをずっと続けているので、私はやっぱりデザインが好きなんだろうなと思います。

つくったデザインが誰かに届いたときはすごくうれしいし、幸せを感じます。
偶然イベントに行ったときに、わたしが商品企画した囲碁おりがみが景品として配られたことがありました。
そのときに、子どもたちのこんな言葉を聞いちゃいました。
「囲碁おりがみなんていらないよ、買ったから家にいっぱいあるし」

それを聞いて、買ってくれたんだ、しかもたくさんあるんだとうれしくてにやけそうなのを必死でこらえました。

デザインはやっていてすごく楽しいし、アイデア出しもワクワクします。
この記事が、デザインのアイデア出しで困っている人の役に立てたら幸いです。
何より健康が一番なので、無理はせず寒い日は暖かくしてください!

デザインが好きな人に届きますように。
読んでいただきありがとうございました。

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