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楽食探訪:ひと冬にたった一度の「五目そば」。

寒い日が続くと、“そろそろかな?”と思うことがある。

餃子の王将に行って、「五目そば」を食べる。

町中華の話題としては、
あまり登場することのないメニューだとは思う。

「王将の五目そばが美味しいよねぇ〜」とか、
「いつも五目そばと餃子を食べるよ」という話は
聞いたことがない。

ハッキリ言って、地味な料理。

テレビ番組でも食レポは見たことがない。

そんな五目そばを私たち夫婦は食べに行く。
五目そばを目的に行く。

塩ラーメン好きの私たちは、王将の五目そばが好きだ。

スープが旨い。
あっさりとしていながらも、
魚介や野菜のエキスがじゅんわぁ〜と染み出たコク。

スープを飲むだけで、
おぉ〜と低い感嘆の声を出してしまう。

これだよ、これ!
と、いつも思う。

そして、極細の麺がいい。

あっさりスープをたっぷりと身にまとい、
ズルズルズルッと口に滑り込む。

やや硬めだけど、細い食感が楽しい。

五目と言いながら、具材はたくさん。

いか、ほたて、えび、ぶた、白菜、ねぎ、たけのこ、
人参、きくらげ、玉子。

これらがおかずとなって、主食の麺を引き立ててくれる。

旨い。
美味しい。

これを食べるために、やって来る。

でも、寒くなった冬の間に一度だけと決めている。

美味しければ何度でも、と思うかもしれないけど、
美味しいものを何度も食べると、
美味しさに慣れてしまい、感動が薄くなる。

年に一度だけの方が、より美味しく感じ、
冬の楽しみにもなる。

風物詩のようなものだ。

今年もあの味を楽しんで来た。

ひと口めのスープから、最後の麺まで、
旨い旨いと言いながら味わった。

王将以外の個人店にも似ているラーメンはある。

ミシュランガイドのビブグルマンに選ばれたお店でも
食べたことはある。

こちらも美味しい。
というより、洗練されていて、磨き上げられた、
上質な味だと言える。

王将の五目そばは、決して上品ではない。
かなり庶民的なものだ。

でも、私たちは王将を選ぶ。

落ち着く味と言うのか、ほっとする。
どこか懐かしい。
価格も庶民的。

私たちは、これで充分に満足する。

また来年の楽しみに取っておける。

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