手編みの国、デンマークのPetiteKnitってなにもの?
こんにちは、igenのShizunoです。今回は「北欧の手編み」についてお話ししたいと思います。
ノルウェーやデンマークなどの北欧では、古くから手編み文化が根付いています。私が留学していた時も、カフェや電車で編みものをする人をよく見かけました。
そんな北欧で今一番人気な手編みのパターンブランドが、PetiteKnit(プチニット)です。Instagramのフォロワーは88万人、パターンは10ヶ国語以上に訳されています。
デザイナーのMette(メッテ)
PetiteKnitのデザイナーは、Mette Wendelboe Okkels(メッテ・ヴェンデルボー・オッケルス)。PetiteKnitの全てのパターンは、彼女によって制作されています。
Metteは現在34歳で、5児の母でもあります。小さい頃から手芸が好きだったそうですが、彼女がニットデザインを始めたのは、最初の育児休暇の時でした。
若くして自分のブランドを立ち上げ、また母でもあるというだけで、なんという創造力とバイタリティなんだろうと驚きますよね。でも、彼女の経歴はそれだけではありません。
事業に専念する前は、なんと医学生だったのです。医学と編み物は全く別物に思えますが、医学を学ぶ中で得た探究心や数学力が、パターン制作に生かされているそうです。
モダンでベーシックなデザイン
PetiteKnitのデザインの特徴は、「ベーシックだけど洗練されたもの」であること。
毎日オフィスにも学校にも着ていける飽きのこないデザインで、仕上がりはまるで「手編みっぽさ」を感じません。
余計なものを削ぎ落としたモダンかつベーシックなデザインは、ありそうでなかったもの。シンプルなものを好み、スローファッションの意識が高い北欧女性たちに、彼女のデザインはぴったりフィットしたのです。
シンプルだから、アレンジも自在
デンマークでは、10代の女の子から70代以上の女性まで、様々な身長、年齢、体型の人々がPetiteKnitのパターンで編んだセーターを着ています。
例えば20代の友人は、「この丈感は私っぽくない」からと、あえて短めにしたセーターを着ていました。70代の方は逆に、お尻まですっぽり隠れるくらい長い丈で編んだり。またある子は「パフスリーブが好きだから」と、パターンにないアレンジを加えたり、ボタンの代わりにパールを使ったり、色の組み合わせを大胆に変えたり•••。
シンプルなデザインだからこそ、「自分らしさ」を簡単に加えられるのはいいことだなと思います。
私も、PetiteKnitのパターンをもとに自分なりのアレンジを加えて編んでいます。
こちらの「Anker’s sweater」は、もともと首周りのリブが5段のレシピですが、4段の方が好みだったのであえて少なくしました。
「Weekend Slipover」は丈感を思い切り短めに。
こちらはパターンに忠実に編んだ「Cumulus Brouse」です。今度は太めの毛糸を使ってアレンジしたいなと思っています。
PetiteKnitとの出会い
私が人生で初めて棒針で編んだ作品は、PetiteKnitデザインのトートバッグでした。
スカルス手工芸学校に留学中のある日のこと。デンマーク人の同級生たちがPetiteKnitのKAL(同じパターンで一緒に編むこと)をやると耳にしました。
パターンの難易度は、5つ星のうち3つ星。初心者向きではないのですが、手編みを習い始めたばかりで、それが難しいのか簡単なのかすら分かりません。(汗
あとから振り返ると、まだ基礎すら危うかった私にとっては無謀な挑戦だったのですが、玄人ばかりの友人に混じってKALに参加したのでした。
授業の合間や夜のレッスン時間に、先生や友人の助けを借りながら四苦八苦。なんとか完成したときは、達成感でいっぱいだったことを覚えています。
KALで編んだテクニカラートートバッグの特徴は、好きな色を組み合わせてグラデーションを作れるところ。作品は人によって全く違う色に仕上がり、それぞれの個性が表れていて面白かったです。
留学から帰国した後も、デンマークを思い出しながら何着もPetiteKnitのセーターやベストを編んでいます。
PetiteKnitワークショップを開催
この素敵なデザインを、日本でももっと広めたい!そう思って、私たちはMette宛に「あなたのパターンを使ったワークショップを開催してもいいですか?」とメッセージを送ってみることに。すると、快くOKの返事をいただいたのでした。
そして今年の5月には、手編み初心者の方向けにPetiteKnitのSophie Scarfを編むワークショップを開催しました。
去年の冬は、このSophie Scarf(ソフィースカーフ)がデンマークで大流行したそう。デンマークの友人曰く、「街に出るとそれを巻いている人が必ずいる」くらいだったと。公式サイトには日本語訳パターンも販売されています。
2024年1月にも同じワークショップを開催しますので、気になる方はぜひ私たちのInstagram@igen8832をチェックしてみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました🧶
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