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河童の国への招待状

こんばんは。きむきむです。
今日も数ある投稿の中で私の投稿をご覧いただきましてありがとうございます。いつも”スキ”を付けていただいたり、応援いただいて感謝しております。

さて、昨日予告しました通り、昨日購入しました

「「羅生門」、「蜘蛛の糸」、「杜子春」外十八編」」

から一編選択してそれについて投稿したいと思います。

紹介したい一遍はタイトルの写真通り、

「河童」

という作品についてです。

作品概要

発表年:昭和2年(1927年)3月
 この昭和2年7月24日に芥川龍之介は自殺で亡くなりました。
発表雑誌:総合雑誌「改造」誌上
当時の日本社会、あるいは人間社会を痛烈に風刺、批判した小説で芥川龍之介自殺の動機を考える上で重要な作品と位置付けられているようです。

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あらすじ(リード文)

是非、皆さんにもご自分で(できれば買って)読んでいただきたいので、
ネタバレはしません。リードとしてはこんな感じです。

主人公(精神病患者23号となっている)が体験談を追想する形で話は進みます。主人公が三年前に穂高岳を歩いていると濃霧の中彷徨い、河童に出会い追いかけている間に、河童の国に来てしまいます。
河童は河童独自の言語、社会、文化を形成しており、彼らは人間社会よりも優れているという自負と誇りがあります。
芥川龍之介は、その当時の日本社会、人間社会を河童の社会という形に置き換えて風刺した事象を上げていきます。人間社会では男性が女性を追い求愛するケースが多いと思いますが、河童の世界では雌の河童が雄を猛烈に追いかけます。個性的な河童達が登場しながら、少しコメディー調でありながらしっかりしたストーリーの中で人物悪遺伝撲滅、中絶、失業者を職工屠殺法(しょっこうとさつほう)等の重いテーマについて取り上げていきます。

そして、主人公はそのまま河童社会に残るのか、人間社会に戻るのでしょうか・・・・

読んだ感想

重いテーマで、社会の闇を感じ、時には残虐な内容も含まれながら、怖いもの見たさとその後の展開が気になり、ついついこの本の「河童の世界」に
吸い込まれてしまいます。
これがまさに

天才!

の作品なのだと感じます。
私のような市井の人が言うのはおこがましいですが傑作だと思いました。
作品は昭和2年に発表されたものなので大正時代の社会を描写しているのだと思います。ただ94年経った令和の時代でも古臭くない、今でも眼にするような情景もあり、みずみずしく(表現あっているかな!?)細やかな描写は本当に秀逸だと思います。
この本は読むと大正時代は「こうすべきだ」と言った縛りの強制力が
低くく、今の日本よりも逆に自由奔放な時代だったのかなと感じました。
そして、一部の風刺された問題については94年経った現在の日本でも抱えている問題にもスポットライトを当てている感じがします。

この本の帯には

「きっと見つかる一生本(いっしょうほん)!」

と書いてありましたが大袈裟ではないと思います。

ただ、沢山の河童達が登場してくるので、頭の中せ整理しながら読む必要があると思います。
また、この本は読みやすいようにフリガナをふってくれているものの、
嘴(くちばし)、龕(がん)、穹窿(きゅうりゅう)、厭世的(えんせいてき)と言った難易度の高い漢字も出てきます。
とにかく現代の本よりも漢字が多い印象です。
古代ギリシャの都市や歴史的な詩人、思想家、歴史で習う民族学者の名前等も沢山出てきます。
各ページに難しい言葉は脚注がついているので、そのページ、ページで都度分からない言葉の意味が分かるのでとても便利です。


と言うことで、喫茶店や通勤途中でサラッとイージーリーディングで読むのには向かないかもしれません。

「気合を入れて読むぞ!」

という感じで読む必要があるかもしれません。
それゆえ、今回のGWのような纏まったお休みに読むのにはぴったりの本だと思います。たった67頁短編ですが濃密な時間を過ごせました。
私はこの本を読んで、

今までにない本の面白み

を感じる事ができた一冊になりました。
家族サービスの合間を縫ってできれば他の短編も読んでみたいと思います。
皆さんも是非一生に一度は読んでは如何かと思います。

次回、地下鉄銀座線の田原町近くの合羽橋道具街に行ったら思わず河童をさがしちゃいそうです。

今日も文中の画像はフォトACを使用させていただきました。ありがとうございます!
一部、「リード文」を纏めるのにWikipediaの力を借りました。

今日も最後まで付き合っていただきありがとうございます。
良いゴールデンウィークをお過ごしください。

未来志プロデューサー きむきむ
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