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保険(保障)で得しようと思うと歪むものもある

先日、夫入院の際には医療保険から給付金をもらいました。
仕事として、生命保険・損害保険の募集人として販売もしています。
その際よく聞かれるのが「この保険は得なの?」という言葉。
そこ、ちょっと待って。

そもそも保険の仕組みは、
みんなで普段から出し合っていて、不慮の事態に備えよう
というものです。
そこに、損・得を絡めるのは適切でしょうか?

※ 生命保険といっても金融商品として将来の資産形成を目的とするものもありますが、ここでは純粋に保障部分だけのことを取り扱います

生命保険とは

生命保険の損・得とは?

一般的には、払った金額よりも受け取った金額が大きいこと(利益が出ること)を、逆をというなら、生命保険には2種類の損得があります。
金銭的な得・・支払った保険料よりも保険金(死亡保険金など)や給付金(入院給付金・がん診断給付金など)が多いこと。
つまり、早死にしたり、病気にかかることでお金がもらえること。
これって、得ですか?
暮らしを支える得・・もらった保険金、給付金が暮らしの支えになる。
支払った保険料と比べるのではなく、困ったときに助かるという得です。

生命保険は入りたい(買いたい)という人を疑う商品

保険は同じ条件の人が保険料としてお金を出し合い、困ったときに助け合う商品です。だから、加入しようと(買おうとする)人が同じ条件なのか審査します。(告知があります)
生命保険は不思議な商品です。
通常の商品は「買いたい」という人に「はいどうぞ」と販売します。
生命保険は「入りたい」という人を、まず疑ってかかる商品なのです。

ドラマにあるような保険金殺人を目論む人。
これから危険作業、危険スポーツをしようとする人。
持病を隠して加入して給付金を受け取ろうという魂胆の人。
保険金、給付金目的で加入しようとする人を排除するために疑います。
「自分から入りたい」という人を疑ってかかり、「営業されて入ろうか」という人は募集人の選択後なので優先する、生命保険は不思議な商品です。

保険は不慮の事態(リスク)の回避方法の一つ

保険はリスク回避の手段の一つです。
FPの勉強で習いましたよ。
リスク回避の4つの方法「回避」・「転嫁」・「軽減」・「受容」。
保険はその「転嫁」の一つの手法です。
それぞれの詳しい説明はまたそのうちにですが、リスク(不慮の事態)への備え方は一つではありません。
例えば、入院への生活の備えとしては、
・医療保険に加入する(転嫁)
・貯蓄をする(受容)
などがあります。

よく聞かれるのが
「保険はどのくらい入ったらいいか」
「保険はいつまで必要か」
などです。

それは、人それぞれなので、FP相談のような相談業務が成り立ちます。

入院を例にしてみると、まず、リスクの大きさが違います。
育ち盛りの子のような扶養家族を抱え、住宅ローンのように定期的な支出があり、働かなければ収入を得られない世代と、年金生活で働かなくても収入は変わらず、扶養家族もローンもない世代では、同じ入院をするにしてもリスクの大きさが違います。
そして、資産形成期のリスクを受容するだけの貯蓄がない世代と、退職金をもらったあとのリスクを受容できる十分な貯蓄がある世代ではリスクに備える方法も違ってきます。

安心は電卓では計算できない

人が保険を求めるとき、「不安だ」という感情からくることが多いです。
必要保証額など、平均値を使って計算することはできます。
でも、平均値で大丈夫なのか、何かあったらどうしよう、と不安に思う時、保険に安心を求めようとします。
そして、どれだけあれば安心できるのかは人それぞれなのです。

普段の生活を大事に(不慮の事態はめったにこない)

夫、60年以上生きてきて、今回が初めての入院でした。
医療保険への加入は40年で、はじめての給付金請求です。
不慮の事態はめったにこないし、めったにこないよう努力すべきです。
(足がふらつくようなことするなよ、夫)
だからこそ、普段の生活が一番大事。
不慮の事態に備えて高額な保険料を払っているので普段の生活が圧迫されている、それは本末転倒ではないかしら?

普段の生活が一番大事。
でも不安も解消したい。
入院などのような不慮の事態への備え方は、一つじゃない。
「回避(保険)」と「受容(貯蓄)」
その割合をどのようにするかは人それぞれ。その時の生活状況によります。
商品(保険)から入らず、リスク回避と生活から入ると、見えてくるものが変わってくるでしょう。

※ 私の感覚では半々で備えるくらいがちょうどいい。今回の夫入院は丁度半分くらい保険で賄いました。


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