見出し画像

回復期脳卒中患者が,回復期病棟入院2ヶ月後に歩行自立するために,必要な入院時FIM歩行と運動麻痺の程度はどれくらいか?

🕛この記事は2分で読めます🙌

脳卒中患者の歩行自立に関しての論文を整理したいと思います.
毎週月曜日・金曜日の朝に投稿しておりますが当日早朝の投稿が難しそうなため,前夜に投稿させて頂きます.

今回の論文はこちら↓
谷野元一:回復期脳卒中片麻痺患者における歩行能力の経過:JJCRS:2014

回復期病棟に入院された初発脳卒中患者1698例を対象としています.

本研究の歩行自立はFIM歩行6点以上を説明します.運動麻痺はSIAS-motor0点が完全麻痺,1〜5点が重度麻痺,6〜10点が中等度麻痺,11〜15点が軽度麻痺として群分けしています.

その結果,
回復期病棟入院2ヶ月後に歩行「自立」となる症例は,少なくとも
重度運動麻痺でも入院時FIM歩行が軽介助レベル(4点)以上であること

がわかりました(中央値より確認).

回復期病棟入院時に,既に歩行が軽介助レベルくらいであれば,そう言われるとそうかもしれません.

続いて,
回復期病棟入院2ヶ月後に歩行「監視」となる症例は,少なくとも
「入院時FIM歩行が全介助レベル(1点)でも軽度運動麻痺であること」
または
「重度運動麻痺でも入院時FIM歩行が最大介助レベル(2点)以上であること」

がわかりました(こちらも中央値より確認).

いずれ歩行監視になるためには,入院時に重度運動麻痺であり,かつ多くの歩行介助が必要(FIM2点)であっても,望みがある点を知れたことが良かったです

上記より,運動麻痺の程度は回復期病棟入院2ヶ月後のFIM歩行にも影響はあるだろうと考えられます.

本研究の注意点は,運動麻痺とFIM歩行の2点のみで経過を確認したものであって,歩行自立に必要と考えられる他の要因(立位バランス,基本動作能力,認知機能,高次脳機能等)も含めた検討ではありませんので,他の要因も影響していないか?と考えながら臨床活用する必要はあるかと思います.

歩行自立するために必要な,入院時の最低ラインの運動麻痺の程度と歩行介助量を示された論文の紹介でした!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?