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暖かい家って、どういう家?

とにかく寒い家がストレス!!
寒くない家にしたい、というのが重要課題ではあったものの、それって単に暖房設備を高性能にするってことなのか?という疑問があって、家が暖かいとはどういうことなのかを調べてみた。

なるほど、ハウスメーカーが「断熱等性能等級4」とか書いているのは住宅性能表示制度によるところの区分というわけか。建材にも省エネ性能によって等級表示がされていて、それも参考になりそう。
暖かい家の仕様が数字で判断でき、それを実現する建材や施工方法を考えてゆけばいいのだろう。

ネットで情報を調べてゆくと「エコハウス」「高断熱」というキーワードが見えてきたので、そろそろ専門的な関連書籍をあたってみることにした。

「エコハウスのウソ 増補改訂版」前真之著
なかなか刺激的なタイトルだが、ウソがなさそうで良書だと思った。ちゃんと数字で示してくれるが、なかなか難解だ。
頑張って読み進めると、家が寒い理由が明確になる。明るく暖かいリビング欲しいと思っていたが、南に大開口を作ることは新潟では厳しいのかも、と思い知る。
省エネ住宅の基準作りが進められてきているが、世界の中で見れば日本が定めた基準が、それほど高い断熱性能を実現しないこともわかった。
民間による基準「HEAT20」は、より高い断熱性能を目指しているらしく、非常に興味深い。

「ホントは安いエコハウス」松尾和也著
こちらも良書。エコハウスに対する偏見、勘違いを正しながら、省エネで健康に暮らせるエコハウスをつくるための指南書。
松尾氏は、自身も設計会社で高性能なエコハウスを実践しているので、内容も実務向けで、しっかりしている。

特に共感できたのポイントは、日本の寒い家が、住む人の健康状態や暮らし方や暮らす質にまでも影響を与えていて、それを改善することが豊かな生活につながるという指摘だ。
どんな家をつくるかは、家族にとって豊かな暮らしとはどういうことか、という本質な問いなのだと改めて考えさせられた。

ヒートショックで家に殺されないように、そしてストレスなく家事を楽しめるように、暖かな空間で生活を豊かにできるように、高断熱高気密をベースにした家づくりを具体化したいと強く思った。
もう我が家は、HEAT20のG2レベルの性能をもった家に決定、でいいだろう。このレベルの家であれば、寒い新潟でも開放的な間取りが可能となり、空間を設計する上での自由度も大きくなるはずだ。

新潟県の海岸沿いは地域区分「5」に該当する。
外皮平均熱貫流率(UA値)は、HEAT20のG2では0.34となっている。
国による平成25年の省エネ基準に当てはめると、北海道北部のUA値0.45を大きく上回る性能となるが、決してオーバースペックとは言えない。それほど日本の基準は甘いという事らしい。

断熱性能だけなく、C値で示される気密性も極めて重要。そして、気密と断熱を実現した空間をどう暖め、どう冷やすかといった換気、冷暖房の設備を最適化することも、併せて計画される必要がある。
給湯や照明など暖房並みにエネルギーを多く消費する設備は、ランニングコストに大きな影響を与え、暖かく且つ省エネの家を実現させる要となる。


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