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わたしがわたしを俳優と呼びたいと思う

  • わたしはコンプレックスだらけです

私は演技を勉強しています。演技とはもう10年目の付き合いです。
最初は演劇、次は映画と色んな経験をさせてもらっています。おかげで今も楽しいです。
もちろん楽しいことよりも辛かったり悲しかったり悔しかったりすることの方が多いなあと思う10年ですが、それを超える幸福がゲットできちゃうのが演技という芸術のいいとこなんですね。


しかしこれだけ演技と全力で向き合ってたくせに私は今まで自分を「俳優」と宣言できませんでした。自信がないからです。自分のような人間を「俳優」にするなんて図々しいなあと思っていました。
上手い下手なんて人それぞれ感じるものが違うし。

「俳優」=芸能人というイメージが世間では強いです。「有名作品に出たり売れている人間こそ俳優!」地球人全員こんな考えだと思っていました。


私は多分、他人と比べられて誰かから自分の大切にしている演技という表現方法のひとつを馬鹿にされた時のことを考えていました。
心に大きな傷を負うリスクを考えると自分を「俳優」と言うべきではないと感じていたのです。
「俳優」というワードにもなんだか失礼だなと思うほどに自分という存在に自信はありませんでした。


今思うととっても幼稚だと感じるし、「お前売れてないから俳優じゃないだろ〜」なんて嫌味言う人は1人もいないのにね。
そんな奴いたら大問題です。
縁切っちゃいます。
でもそんなことが怖くなるくらいには毎日追い詰められていたし、誰も人の心なんてわからないわけよ。


「俳優」って言うものは常に人と比較される生き物です。
売れる売れないも誰かと比べて秀でてるか否かが全てのきっかけです。
芸術って自己表現だと思っていましたが、大学では実際人と比べられる状況で4年間勉強していかなければいけないし作品に出るにもオーディションだったりがあるわけです。
つまり自分のことだけ考えてちゃ作品が成り立たないんですね。ご縁があるか無いかもありますし。

だけどたくさん作品を見てきて自分の感性や考え方色んなことをつるんつるんに磨きまくって自分なりに出演する作品とも向き合ってきました。
私はやっと10年目にして気づいたことは「私は私でいいし、それだけ真面目に向き合えたなら立派な俳優じゃん?」ということです。

こんなに頑張って来たんだし、人よりも何倍の努力もしていま演技と真面目に向き合ってるつもりだし、私もプライドくらい持ったっていいじゃない!と思ったわけです。
でもこの決断ができたのは私1人の力じゃありませんでした。

  • 優しさに恩返し

私はみんなに救われています。
自分の出た作品を見てくれた周りのみんなから時より寄せられるメッセージや発言に生かされてます。これがあったから私は今自分を「俳優」と呼べるわけです。


その人が生きる時間のうちの何分かを私の出演した作品に使ってくれた、この事実がたまらなく泣けます。その人の生きる時間を私に言葉をかけるという選択をしてくれたことがたまらなく嬉しいのです。


いつも作品が出るたびに見てくれるひとやこんなに素晴らしい言葉をかけてくれるひとのためにも私は「俳優」でいなければいけないと思うのです。
今でも自信がなくなるときばかりです。
でも私の作品を見てくれる人がいる限り私はちゃんと「俳優」として生きようと思えます。


私をいつも表現者として生かしてくれてありがとうございます。いつもそばにいてくれる人も遠くで見てくれている人もワンチャン宇宙人もみんな。

「いやいやでもお前を俳優とは認められないよ〜」と思ったそこのあなた。私は許しません。私は10年頑張って来て「俳優」になったんです。思っても多めに見てください。10年って小学生が高校生になれるくらいの年数ですよ。認めてくださいどうであれ。

  • 売れる売れないじゃないわけよ

売れたいから演技を勉強しているわけではありません。有名作品に出たいから努力してるわけではないです。ただ学びたくて学んでるだけです。

いつかこの道のりでであったものが「売れる」だったり「有名作品にでる」であったりすればいいわけで、私はそこが目標ではないです。
あくまでも努力して気がついたらついて来た結果一部になればいいなと思います。なのでそこに欲は無いです。


私は芸術が学びたいだけだし、表現が学びたいだけです。よく「演技続けるの?」と質問されますが、続けるも何ももう一緒にここまで生きて来ちゃっているのでこれからもやりますよそりゃ。
演技はどんな環境にいてもやろうと思えばできちゃいますから。行動力次第ですが。

私はこれからも「俳優」として表現を学ぶし、たくさんの人からもらった優しさのギフトを糧にのんびり生きます。


中学時代に「俳優」になりたい!と豪語していたわたしに伝えたいのは「あなたとみんなのおかげで俳優になれたよ安心しな」ってこと。寝よう。

ちゃっかり色々載せる。

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