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実はブランディングがイケてる!e-sportsチーム10選

こんにちは、iDID Magazine編集部です。まだまだ暑さでとろけそうな8月真っ只中。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。立秋もすぎたことですし、9月になれば少しは落ち着いてほしいですよね…。あと少し、水分補給しながらなんとか乗り切っていきましょう!

さて、今回の特集テーマは「e-sports」です。e-sports元年と賑わう年が今年も続いておりますが、e-sportsのオリンピックが開催されるなど、これまでにない規模で盛り上がりをみせています。急速に成長するe-sports産業では、多くの企業が自らのチームを持ち、日々切磋琢磨しています。競技人口は億を超え、観戦者数はそれを遥かに上回るとか(市場規模はなんと1,000億円以上!)。そんな競争の激しいe-sports市場において重要になってくるのが、「強さ」だけではなく「ブランディング」。今回の特集では「e-sportsのブランディング」に焦点を当て、デザインやコンセプト面からの魅力を探ってまいりたいと思います。それでは、どうぞ!


1. FNATIC (イギリス)

FNATIC Official Website

一番最初に紹介したいチーム、オレンジといえば、そう「FNATIC」!多くの有名タイトルで優勝や上位入賞を果たす名門のe-sportsチームで、再来年には創立20周年を迎えます。15年周年の際にはリブランディングを行いました。2019年には東京に拠点を設け、その理由として「ストリートカルチャーがあり、才能あるデザイナーやアーティストと一緒に商品を開発するには理想的な場所だ。」と経営陣が話しています。
(リブランディング時の記事とブランドアセットはこちらからチェックできます。)

ロゴ ver.3
これまでのロゴのデザイン遷移はCEOのSNS投稿を見てみてください!

FNATICはユニークなブランディングを展開しています。例えばファンの方々にメンバーシップ制度やスマホアプリを提供したり、イギリスなどヨーロッパの教育機関でe-sportsの授業を行ったりしています。さらには、ヘッドフォンやマウス、キーボードなど、ゲーマーに必須なギアをオリジナルで開発・販売しています。これらの取り組みが、FNATICの成功や独自のブランディングに大きく寄与しているのかもしれません。


2. ZETA DIVISION (日本)

ZETA DIVISION Official Website

ブランディングが成功している国内産のチームの一つといえば「ZETA DIVISION」です。このチームは以前「JUPITER」という名前で活動していましたが、リブランディングを機に有名なストリーマーが加入。それに伴い知名度もアップしました。その後「VAROLANT」というFPSのタイトルで世界3位に入賞したことから、民放のテレビ局など大手メディアに取り上げられ、一躍有名になったことは記憶に新しいです。日本人にはお馴染みの「日清食品グループ」や「JCB」がスポンサーとしてついていることからも、チームへの期待度が高いことが伺えます。

ZETAは印象的なネオンイエローをブランドカラーとして使用していることが特徴的です。この色を積極的に取り入れることで、視覚的に魅力的なイメージを生んでいると思います。また、随所に出てくる『AIM WITH PRIDE』というタグラインも、e-sportsチームらしさを演出しています。さらに、WEBサイトやリール、KV、サムネイル画像、YouTube等で展開される動画コンテンツはいずれも洗練されており、一貫したブランディングが確立されています。その結果、グッズも非常に魅力的で、筆者自身もついつい散財してしまうほどです(笑)

普段使いもできるかっこいい商品ばかりが並ぶグッズストア

3. NINJA IN PYJAMAS (スウェーデン)

NINJA IN PYJAMAS (NIP) Official Website

2000年設立のスウェーデンの老舗チームである「NINJA IN PYJAMAS(NIP)」も、前述のZETA同様、2021年にリブランディングを行った際にネオンイエローをブランドカラーとして採用しています。日本古来の紋章とカタカナから着想を得てデザインされた新ロゴが個性的で、その制作背景においてCEOのヒシャム・シャヒーン氏は「趣深くワクワクするものにしたかった」と語っています。(リブランディング発表時に公開された下の動画も全編日本語となっています。)

NIPは「Counter-Strike: Global Offensive(CS:GO)」という人気の対戦型FPSで非常に成功を収めています。2012年から2013年にかけて、NIPのCS:GOチームは驚異的な87連勝を達成しました。これは、e-sportsの歴史において最も有名な記録の一つとされており、NIPのCS:GOチームは伝説的な存在となっています。

最近ではイタリアのスポーツブランド「FILA」とコラボし、『忍び』をテーマにしたアイテムを提供しています。外国のチームでありながら、日本語の要素を取り入れることで、唯一無二の魅力を放っています。

SHINOBI SHOZOKU」なるグッズもあります

4. FENNEL (日本)

FENNEL Official Site

日本のe-sportsチーム「FENNEL」も有名アパレルブランドとのコラボ商品が注目を集めたチームの一つです。2021年にリニューアルされたWEBサイトは赤を基調とし、『e-sportsに対する熱狂』や『反骨心』を表し、また、シャープで攻撃的かつ挑戦的なデザインは『常に勝利を目指す姿勢』を表現しているそうです。キービジュアルなどはストリートライクで目を惹き、動画やサムネイルなどのビジュアルにも統一感があり、チームの勢いを感じます!

有名アパレルブランド「DIESEL」とのコラボを展開し、商品は全てSOLDOUTに

5. XSET (アメリカ)

XSET Official Website

アメリカの「XSET」は、e-sports業界における『多様性』を極めていると言っても過言ではないチームです。e-sportsチームでありながら、メンバーの中にはミュージシャンやアーティスト、マルチタレントやスポーツ選手、さらには、ライフコーチが所属しています。2020年に設立された比較的新しいチームではありますが、その注目度と人気は急上昇中です。(筆者の2大推しチームの一つでもあります)また、本業はアパレルなのでは?と疑いたくなるくらいグッズの種類やデザインも豊富で、いつか購入したいなぁと思いながらいつもサイトを眺めています(笑)

パーカーだけでも20種類以上のラインナップ

さらに最近では、アメリカの大規模フェス「BREAKAWAY」とのパートナーシップを結んだことも話題となっています。


6. 100Thieves (アメリカ)

100Thieves (100T) Official Website

アメリカからもう1チーム紹介します。「100 Thieves(100T)」は、多様なプロジェクトを展開しているe-sportsチームで、元プロe-sportsプレイヤーでありYouTuberのMatthew "Nadeshot" Haag氏によって2017年に設立されました。100Tはe-sportsだけでなく、コンテンツ制作やストリーミングにも力を入れており、人気のコンテンツクリエーターも多数所属しています。現在、e-sports以外に5つのプロジェクトが展開されていて、その中でもビデオゲームとエナジードリンクの開発は、CEOが元プロプレイヤーだからこそできる独自の方向性なのかもしれません。

エナジードリンク「Juvee

さらに、アパレルも一線を画しており、日常的に着られるものが中心で、日本のアニメカルチャーとの親和性も高く、「進撃の巨人」や「呪術廻戦」とのコラボ商品も展開しています。

「呪術廻戦」とのコラボコレクション

7. GEN.G Esports (韓国)

GEN.G Esports Official Website

ロゴやWEBサイト、グッズはもちろん、それ以外のところにも力を入れている韓国のチーム「GEN.G Esports」は、かの本田圭佑が出資しているe-sportsチームとしても知られています。GEN.Gは次世代をリードするような才能ある若いプロプレイヤーの育成に熱心で、アメリカのケンタッキー大学や有名ブランドと協力し、「GEN.G FOUNDATION」なる育成プログラムを今秋からスタートさせる予定になっています。

また、ソウルにあるヘッドクォーターオフィスにはマッサージチェアや広いカフェテリア、ストリーミングルーム、トレーニングルームなどが完備され、プレイに集中しやすい環境が整えられています。CEOのアーノルド・フー氏は動画内で「単なるオフィスに留めず、従業員やプレイヤーにとってPCカフェのような空間を提供したかった。」と語っています。


8. KRÜ esports (アルゼンチン)

 KRÜ esports Official Website

本田圭佑の名前が出たので、ここで質問です。みなさんはセルヒオ・アグエロという名前を聞いたことがありますか?彼はアルゼンチン代表として活躍し、マンチェスター・シティやFCバルセロナでプレーしたことでも知られる、アルゼンチン出身の著名な元プロサッカープレイヤーです。そんなアグエロが設立したe-sportsチームが、「KRÜ esports」です。このチームはピンクのブランドカラーが印象的ですが、KRÜ esportsの特徴はそのブランドカラーだけではありません。SNSにはアグエロはもちろん、リオネル・メッシのような有名サッカープレーヤーも登場します。これも、KRÜ esportsのブランド力を高める要素の一つなのではないでしょうか。

PUMAとのコラボ商品も展開

9. TSM (アメリカ)

TSM Official Website

アメリカのe-sportsチーム「TSM」は、2009年に設立されて以来、独自のブランディングとビジネス投資で注目を集めています。特に2021年には、暗号資産取引プラットフォームのFTXと10年間のスポンサーシップ契約を締結。組織名も「TSM FTX」に変更しました。しかしこの契約はFTXがスキャンダルをおこし破産宣言をしたため、早々に終了することに…。

グッズでは前述した100T同様、人気アニメ「僕のヒーローアカデミア」とのコラボを展開しています。

「僕のヒーローアカデミア」とのコラボパーカー

10. Team Liquid (オランダ)

Team Liquid Official Website
サイトは若干古めな仕様に・・・

Team Liquid」は世界で最も有名なe-sportsチームの一つであり、黎明期のシーンを支えたチームの一つとして知られています。1999年にオランダで設立されたこのチームは、多数のゲームタイトルで数多くの賞を獲得しており、その実績が高く評価されています。

e-sportsチームでは珍しい公式キャラクター
その名も「Blue」

加えて、Team Liquidはグッズやアパレルの分野でも力を発揮しており、コラボレーションパートナーはいずれも大手ブランドが多く、その品揃えは他の追随を許さないものとなっています。現在は、「スパイダーマン」や「STAR WARS」、「NARUTO」といった大人気フランチャイズとコラボ商品を展開しています。

スパイダーマンとのコラボ商品

おしまい

筆者のバイアスも多少ありますが、今回は特徴的なブランディングを展開する10チームを紹介させてもらいました。
気になったチームはもちろん、e-sportsをまだ観たことがない方がいれば、ぜひこれをきっかけに調べてみてください!

それでは、また!

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