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2023年、編集部推しの海外トピックス10選。

こんにちは、iDID Magazine編集部です。もう2月も後半に来て、暖かくなると思いきや、雨や雪と、まだまだ寒い日が続いていますね。iDID編集部ではクリエイターインタビュー、話題になったサイトなどを定期で投稿してきましたが、他にはどんなトピックが面白いかなぁと探究する日々が続いております。

さて、今回はそんなわけで、いつもと趣向を変えたトピックを投稿してみたいと思います。その名も『2023年、編集部推しの海外トピックス10選』です。iDIDのXでは以前から「海外で話題になっているトピック」に関する投稿も行なっており、今回はその中でもリアクションがあった投稿と、それとは別に編集部で印象に残っていた海外トピックを、あわせて10トピックご紹介したく思っております。Xではどうしても文字数制限があって伝えたいことが伝えられない歯痒さがあるので、今回ばかりはそれを忘れて投稿できるのがうれしい…!各トピックの背景を少しご紹介することで、みなさんがその魅力を再発見するきっかけに繋がればうれしいです。 

それでは、どうぞ!


1. WindowSwap

https://www.window-swap.com/

WindowSwapは2020年にリリースされた、世界中の「窓からの眺め」を共有できるユニークなオンラインプラットフォームです。このサイトでは、イスラエル、インド、スウェーデンなど、世界各地の人々が自宅の窓からの景色を投稿し、他のユーザーと共有しています。このサイト、シンガポールで暮らす夫婦が、コロナ禍でずっと家で過ごす退屈さを紛らわすために作ったものだとか。
また「WINDOWSWAP ARTISTS」なるプロジェクトでは、30カ国から選ばれた50の窓の景色と3人のアーティストが参加するミュージックビデオも制作されています。他人の窓越しに見る景色は、知らない土地への想像を掻き立ててくれてワクワクする一方で、窓を通して世界との繋がりと温かみを感じることができますね。

2. MAOWOO®

DXD Studio

MAOWOO®は、猫の個性とニーズに焦点を当てた、中国・上海の猫用品ブランド。彼らのコンセプトである「ライフスタイルの美学」と「科学的な猫のケア」を見事に融合させています。特に目を引くのはパッケージデザインで、ブランド名である「毛兀」を猫の顔に見立てたロゴは、猫らしさを強調しつつも、自然と愛着が湧いてくるものになっています。持ち手付きの箱はまるでお菓子のようで、特にターゲットとする若い世代の飼い主と猫チャン両方の心を掴んでしまうのではないでしょうか。

3. BIKE BEAR

https://www.bikebear.com.my/

BIKE BEARは、マレーシアのクリエイティブエージェンシー。「言葉遊び」を巧みに取り入れたデザインが際立っています。彼らは「VERY(非常に)」と「BEAR(クマ)」を掛け合わせた「BEARY」なデジタルエージェンシーを自称しており、彼らのプロジェクトは「BEAR HANDS(「Bare hands=手作業」と「クマ」をかけている)」で作られているんだそう。この人たちクマ大好きですね。また、クマになりきって人間をHOOMANと表現していますが、これは、ペットや動物の視点から人間を指す際に使われる愛らしいスラング。サイトに訪れる「HOOMANS(クライアントや利用者)」に対してフレンドリーで親しみやすい印象を与えているのかもしれません。

4. Heartbeat Drum Machine

https://www.heartbeatdrummachine.com/

Heartbeat Drum Machine(CHD-4)は、「先天性心疾患」を持つ4人の子どもたちの心電図(ECG)からリズムを作り出すドラムマシンです。子供たちの心拍を独特なリズムパターンに変換し、医学的なデータをクリエイティブな表現へと昇華しています。このドラムマシンはオークションでのみ売り出され、収益はスウェーデンのハートチャイルド財団に寄付されています。Heartbeat Drum Machineは、医学と音楽のボーダーを越え、子どもたちの生命の鼓動や生きたいという気持ちを私たちに感じさせてくれる芸術作品であり、そして、先天性心疾患への理解と認識を深める重要な意義をも持っていると思います。

5. UFO

https://ufo.fm/

UFOは音楽、アート、アイデアを中心としたオンラインプラットフォームです。アーティスト、ミュージシャン、Techクリエイターが未来について語るポッドキャストが特徴で、彼らは、カルチャーメーカーのためのコミュニティを形成し、NFTプロジェクト「Forgeries」や独占コンテンツを提供する「Genesis Pass」などの新しい試みを展開しています。このプラットフォームは「カウンターカルチャーからの集合的なシグナルを発信する、革命的なアイデアの場」と名付けられており、UFO(未確認飛行物体=発見されていない未知なもの)という名前はまさにその精神を表していると言えるのではないでしょうか。

6. VICIO

https://www.ganasdevicio.com/

VICIOは、スペインのデリバリー専用ハンバーガーショップです。ビビッドな色彩と、大胆なビジュアルで構成されたデザインが斬新。単なる「食事の場」を逸脱し、若者向けのトレンドを意識した、ファッション性の高いブランドイメージを押し出しているところが興味深いです。「VICIO」(中毒)という名前には、ハンバーガーだけではなく、フードもファッションもカルチャーもまるごとスタイルの一部として体験してほしいという、そんなブランドの意志が表れているのかもしれません。

7. The Lords of Water

https://www.thelordsofwater.com/

The Lords of Water(水を飲むか死ぬか)は、禍々しい見た目と裏腹に環境保護を訴えているプロダクトです。コンセプトとして、未来から来たとされる存在が地球の環境(特に水)を救うために戦うというストーリーを基にしており、プラスチック汚染の問題に対して「缶入りの水を消費する」ことで環境に優しい選択肢を提供するというものです。「水を飲むか、滅びるか」というキャッチフレーズと死神のようなキャラクターを用いて、水の重要性と環境問題への緊急性を強調しており、実はメッセージ性の強いプロダクトだったりします。

8. earth.fm

https://earth.fm/

earth.fmは、世界中から集めた700以上の自然音を提供する非営利のライブラリーです。このサイトは、自然音を聴くことが私たちの「幸福感」に良い影響を与えるという科学的な証拠に基づいて作られています。リラクゼーションを提供するだけでなく「減少している自然環境音を保存する」という重要な役割も担っています。earth.fmの活動は、自然の美しさとその脆弱性を伝え、私たちに自然の大切さを思い出させてくれます。

9. 炸神

https://godbombing.mystrikingly.com/

炸神は台湾の伝統的な「炸」文化、特に廟会(寺院祭り)での鞭炮(爆竹)をテーマにしたユニークなプロジェクトです。台湾の宗教的な祭りで行われる鞭炮の習慣をゲームとして楽しめるように工夫し、インタラクティブで教育的なゲーム体験に変換している点から、伝統文化を風化させず次世代に伝承していきたいという想いを感じました。視覚的に受け入れやすいカラフルでかわいいデザインも興味を持つきっかけになりそうです。

10. På(fyll)

https://pafyll.com/en-NO

På(fyll)は、日常生活に必要な石鹸や洗剤のリフィル専用デリバリーサービスです。このサービスは、オンラインから必要な商品を注文し、特別な容器に詰められた商品が直接玄関先に届けられ、使い終わった容器は洗浄して再利用されるというものです。使い捨てプラスチック削減のための取り組みは、最近ではよく見られることですが、環境保護を意識しながらも「日々の生活を快適にするためのソリューション」として際立っているように感じました。特に、耐久性、再利用性、使いやすさを重視した容器のデザインには、積み重ねやすく、こぼれにくく、簡単に注げる工夫が施されているそうです。

おしまい

いかがでしたでしょうか。こうやって改めて見返してみると、プラットフォーム、プロダクト、ウェブサイト、ライブラリ、サービス、と幅広い内容でしたね。いずれも手法からはじまっているというよりは、何かやりたいことをやるために一番生かされる方法論は何かを考えて、手段に落とし込んでいるようにも思えました。その反面、ちょっとしたワンアイディアが面白い展開を生み出しているものもあって、これもまた興味深いです。

まだまだ掘れば出てくる海外トピックス、もっともっと掘っていきたいので、定期的にこのようにnoteにまとめていけたらなんて考えています。そして、今後は海外のクリエイターインタビューもやっていけたら…なんてことも思っております。その際はまた、ぜひ読んでいただけたら嬉しいです!

それでは、また。iDID Magazine編集部でした!

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