コロナ禍での禁煙キャンペーン
今週のJAMAより，以下の記事を読みました。
これまで禁煙外来に携わった経験もありますが，たしかにコロナ禍で禁煙のチャンスを失ってしまった方は多いかもしれません。
そこで，米国では，カリフォルニア大学サンフランシスコ校が"I COVID QUIT"キャンペーンを開始したとのことでした。
英語のセンスがないので間違っているかもですが，"I Could Quit（やめることができた）"ということなのでしょうか。
以下は上記ページのFAQです。
喫煙者はCOVID-19に感染しやすいか？
喫煙者の気道がウイルスに「つかまれすい」かどうかについては、まだ結論が出ていない。しかし、喫煙は感染を重症化させる可能性があるため、今のうちにやめておくのが賢明である。
喫煙者がCOVID-19に感染すると重症化するか？
重症化する。喫煙者がCOVID-19に感染すると、重症化しやすく、予後も悪くなることを示す研究が数多くある。COVID-19に感染した喫煙者は、ICUに入る可能性が高く、呼吸を補助するために人工呼吸器が必要となり、死亡する可能性も高くなる。喫煙が、他のウイルス感染症の罹患期間や重症度を高めることもある。
COVID-19では、なぜ禁煙がより重要なのか？
COVID-19は肺に影響を及ぼし、喫煙者の肺は非喫煙者の肺よりも弱いからである。喫煙は、肺の小さな（髪の毛のような）繊毛にダメージを与え、汚れや粘液を掃除する能力を低下させる。繊毛が肺を完全にきれいにできないと、肺は感染症に対抗する力が弱くなる。また、喫煙は免疫力を低下させ、病気になりやすく、病気が長引く可能性が高くなる。
ワクチン接種もしたのに、なぜ「いますぐ」禁煙する必要があるのか？
禁煙すると、最初の数週間で肺の働きが良くなり、心臓発作のリスクが減り、免疫系が回復して他の感染症と戦う能力が向上する。禁煙のメリットは数多くあるが、最後にタバコを吸ってから20分以内と、すぐ出始める。
ニコチンがCOVID-19のウイルスから肺を守るという推測を裏付ける証拠はあるか？
現時点では存在しないが、いくつかの研究がこの問題を調査しようとしている。詳細が判明するまでは、保護効果はないと考えるのが賢明である。
タバコの煙を介してCOVID-19のウイルスが感染することはあるか？
COVID-19は、感染力のある人や症状が出る前でも24時間前の人と密な接触があると、また感染した人の咳やくしゃみに暴露すると感染する可能性が高い。咳はCOVID-19の感染拡大の危険因子である。タバコを吸うことで気道に炎症が起こるため、喫煙者は非喫煙者よりも頻繁に咳をする傾向がある。詳しくははこちら：https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/transmission/index.html
このパンデミックのせいで、恐怖と心配と不安でいっぱいだった。どうすればタバコを吸わずにストレスを解消できるだろうか？
タバコを吸うと一時的に楽になったように感じるかもしれないが、実際は中毒状態になっているだけであり、やめると身体的そして精神的な離脱症状が現れる。禁煙すると、1〜3週間後には、抗うつ薬と同じで、全体的なストレスを下げることができる。これも禁煙のメリットである。詳しくはこちら：https://www.bmj.com/content/348/bmj.g1151
COVID-19に感染してしまった。まだ禁煙のメリットはあるか？
もちろん。禁煙して8時間すれば、酸素濃度が正常なレベルに戻り始める。これにより、組織や血管に酸素が供給され、呼吸がしやすくなる。
OK。やってみる気になった。ではどうすれば禁煙できるか？
1-800-QUIT-NOWに電話することは、素晴らしい最初のステップである。サポートを受けることも大切である。電話をすると、カウンセラーと好きなだけ話すことができる。カウンセラーは禁煙計画を立てる手助けをしてくれたり、処方薬や市販薬のニコチン療法などを提供する医療機関を紹介してくれるだろう。
私は依存症治療施設で働いている。COVID-19のリスクが高くなるので利用者に禁煙を勧めたいが、今は負担が大きすぎるように思えて躊躇してる。やはりそうなのだろうか？
素晴らしい指摘である。実は禁煙することで、長期的な禁酒の可能性が25％も向上する。カリフォルニア行動保健福祉イニシアチブを通して、私たちSCLCは技術的なサポートを提供し、多くのプログラムでタバコが不要になる過程を指導してきた。人びとの全体的な健康状態を向上させるために、タバコに頼らない回復を奨励することは、あなたの利用者に、より長期的な利益をもたす。さらなる情報、リソース、およびサポートについては、ぜひSCLCに連絡してほしい。
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