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不払い養育費の確保のための支援に関するタスクフォース(第4回)議事要旨

この記事は、法務省ホームページに掲載されている「不払い養育費の確保のための支援に関するタスクフォース(第4回)議事要旨」を転載したものです。

1 日時

令和2年10月30日(金)午前10時00分~午前11時00分

2 場所

法務省民事局会議室

3 議事要旨

○ 自治体ヒアリングの結果の報告について

(戸籍部門とひとり親支援部門の連携など自治体における支援の強化について,前回会議から引き続き,さらに2つの自治体の戸籍窓口担当者とひとり親支援窓口担当者等からヒアリングを行った。ヒアリングの結果,得られた知見の要旨は以下のとおりである。)

  • 自治体Cでは,離婚届用紙の配布のタイミングで,独自のパンフレット 等を併せて配布している。法務省が作成しているパンフレットについては,自治体によって活用方法に差異があり,戸籍窓口には置いてあっても,ひとり親支援窓口では存在自体を知らないという自治体もあるため,さらなる周知徹底をすべきであるとの意見があった。 自治体Dでは,離婚届用紙を配布するタイミングで,法務省のパンフレ ットや自治体が作成している各種相談手続の資料を渡しているとのことであった。

  • 自治体Cでは,離婚届の養育費等の取決めに関するチェック欄を確認し, 必要に応じてひとり親支援窓口につなぐ体制を整えているとのことであった。

  • 自治体Dでは,市民が窓口に届出を提出した後,各部署の職員が,必要 な情報を直ちに共有し,市民にとって必要な手続等の情報提供を市民の待 機ブースに出向いて行うことで,ワンストップで制度活用の漏れがないよ うな仕組みを採用しているとのことであり,例えば,養育費について市民 から相談がされれば,プライバシーに配慮した専用ブースに移動して相談 に応じるなどの取組がされているとのことであった。

  • なるべく早いタイミングでの情報提供として,婚姻届や妊娠届を提出するなどのタイミングがあるものの,このようなタイミングで養育費の教示を行うことは難しいのではないかとの意見があった。別居のために転居届 を提出するタイミングについても,別居の理由は単身赴任など様々であり,この時点で養育費に関する教示を行うのは難しいとの意見があった。

  • その他の取組として,例えば,自治体Dでは,生活困窮者等を対象に就労支援と生活支援を一体的に実施するための施設を市役所内に設置し,就職相談等の総合的な支援を実施する中で,何度も相談に応じているうちに 養育費の相談を受けたりすることもあり,ひとり親の支援につなげているとのことであった。

○ 養育費の履行確保等に関する取組事例について

  • 様々な自治体の取組事例を取り上げているが,例えば,無料の弁護士相談,公正証書作成費用の補助,離婚を検討している方を対象とした無料講座等の取組が実施されていることが分かる。そのほか,調停のための書類作成援助,裁判所への同行支援,ADRを利用する場合の費用補助といった取組を行っている自治体の例もある。

  • 本事例集は,全国の自治体を対象に,養育費の履行確保等に関する取組を集積し,整理したものであるので,今後の参考として全国の自治体に周知していきたい。

○ 養育費の支払・取立て段階における公的支援に関する制度的課題について

  • 立替払い制度については,例えば,①導入の必要性,②公平性や相当性, ③モラルハザードの問題,④必要な財源,⑤具体的な内容・方法,⑥法的 課題,⑦既存の社会保障制度との関係,⑧支払義務者への貸付金制度など 他に考えられる制度などの論点・課題が考えられる。

  • 強制徴収制度については,例えば,①導入の必要性,②公平性や相当性, ③具体的な内容・方法,④既存の社会保障制度との関係などの論点・課題 が考えられる。

  • 立替払い制度や強制徴収制度については,公平性や相当性の観点から, 取決めが必要的なものとはされていない現行制度との関係も問題となり得る

○ 次回の会議について

  • 次回の会議では,公的機関による養育費の履行の確保等に関する諸外国 の制度例について法務省から示しつつ,公的支援に関する制度的課題につ いて,引き続き意見交換していくこととする。

以 上

[配布・参考資料]


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