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EDIX2024①怒涛の一日

これまでEDIXにはあまり縁がありませんでした。もちろん一般参加者として行くことはありましたが、登壇のお誘いってほぼなかったんですよね。それが今年は突然、大変なことになりました。怒涛の一日をふり返っておきます。


スケジュール

08:00 
学校をバスで出発
09:30 
東京ビッグサイト到着
10:10 ~10:55 
公開授業「言葉の意味が分かること」をAIで読む(小学校5年生国語)10:55〜11:30
中川 一史 先生と解説トーク
12:00 ~13:00
「生成AIは現代教育のブレイクスルー ~ピンチか?チャンスか?現代教育の再定義~」( 安藤先生、 中村先生と)
13:30~13:50
Microsoftブースで公開授業①
14:00~14:20
Microsoftブースで公開授業②
14:30 
児童の見送り→一旦、気絶
15:15〜15:35
コニカミノルタブースで講演
15:40
再度、気絶。もしくは失神。

うーん。今、見返してもやっぱりちょっと無茶なスケジュールですね、これ。どう考えたってお昼ご飯、食べられないし(笑)。

公開授業「言葉の意味が分かること」をAIで読む(小学校5年生国語)

誤算だったのは道路の大渋滞。都心はいいんですよ。学校を出てから高井戸で首都高速に乗るまでで1時間以上かかりました。結果、EDIX会場に到着したのは9:50。トイレだけ済ませて子どもたちと即座に授業会場へ向かいました。席に着くなり
「みんなが首から下げているカードの裏にWi-FiのSSIDとパスワードが書いてあるから繋いで!」
と叫んで自分も準備。この時点で公開授業開始まで10分ちょっと。ふと周りを見渡すと既に大勢の参観者の方々が集まっていました。痺れる展開です。

ボカシましたが、それでも人が大勢集まっているのはわかるかと

授業の中身については別に書きますが、子どもたちはよく頑張ったと思います。東京ビッグサイトに入った瞬間、「うわぁ、大きい!」「え、ここで授業するの⁉」と戸惑いまくっていたのに、学習者用デジタル教科書と生成AIを活用してちゃんと国語の学習しましたからね。

小学生がEDIX会場内で取材

授業が終わると、私と子どもたちは別行動。子どもたちは4〜5人のグループに分かれてEDIXのブースを回って取材です。テーマは「これが小金井小にあったら学校や授業がもっとよくなるのではないか」という製品を探してくること。

これ、色々と心配でした。まずは「ご迷惑にならないかなぁ」ということ。学校で事前学習は色々とやりましたし、当日用のプリントも配布してありましたが…。各グループに大学生がついてくれるとは言え、基本は子どもたちがちゃんとやってくれないことにはどうにもなりませんからね。

それと「これがちゃんと学びになるだろうか」ということ。EDIXの各ブースは子どもが来ることを想定して準備されているわけではないですから、そこに子どもが行ってもあまりいい取材ができない可能性もあります。これは出たとこ勝負でした。

しかし、実際には子どもたちにとっては非常にいい学びになりました。各ブースの方々も丁寧にお話ししてくださったようで、午後の公開授業で再会した子どもたちからは「面白かった!」「◯◯の製品は絶対、学校に欲しい」「また行きたい!」といった声がたくさんあがっていました。(ご協力いただいた企業の皆さんには本当に感謝しかありません。)

中川先生と授業解説〜巨大セミナー

さて、子どもたちがEDIXブース内を見て回っている間に私は中川一史先生と授業についてのふり返り。今回、「言葉の意味が分かること」という説明文が教材で、本時のテーマは「原因と結果」。中川先生はこれを教科のねらいから解きほぐしていってくださるので、残ってくださった皆さんにとっても非常にわかりやすかったのではないかと思います。

中川先生との対談が終わり、いらっしゃった方との名刺交換が終わったら、即セミナー会場に移動。安藤さん、中村さんとのセミナー「生成AIは現代教育のブレイクスルー ~ピンチか?チャンスか?現代教育の再定義~」の会場へ。

え、こんな大きいの? こんなに多いの? というセミナーでした。だって、上の階から撮ったらこんなですよ。

いやはや。スタッフの方が気を効かせてくださって、終わった後は裏からそそくさと退場したので名刺交換はここではなし。何でも「これまでの例だと、名刺交換30分では終わらないのです。先生方、皆さん、この後もありますものね。」とのこと。巨大イベントですね。

Microsoftブースでの公開授業

ということで、セミナー会場を後にしてMicrosoftブースへ。既に何人か子どもたちが来ていたので、取材の様子を聞きながら授業の時間を待ちます。
「取材、ちゃんとできた?」
「バッチリ!」
「メモは?」
「すっごい書いた」
「それってテキストになってる?」
「え、手帳に書いたんだけど」
「え、それテキストにしておいてほしいんだけど」
「ハァ!聞いてないし」
「今、言った」
「えー、でもどこでできるかな。机とかないし」
「メモを持つ人、タブレットを載せる机代わりになる人、テキストを打つ人に分かれればいいのではないかな?」
(まったくこの人はめちゃくちゃ言うんだから)という気持ちを思いっきり表情に出しながらも作業を進めた君たちはえらいよ、うん。

時間が来てMicrosoftブースでの公開授業を行いました。(20分×2)
これについてはこちらの記事をどうぞ。

公開授業を終えたら子どもたちはお役御免。校長先生、大学生と一緒にバスで学校に帰ります。聞くところによると帰りのバスは順調で、ほぼ時間通りに帰れたとのこと。良かったです。

子どもたちを見送ったところで私はようやくお昼ご飯。「気絶」「失神」などとふざけて言っていましたが、この時は本当にボーっとしてしまいましたね。

コニカミノルタブースで講演

この日、最後のお仕事はコニカミノルタ社での登壇。これは昨年度の文部科学省「教員研修の高度化に資するモデル開発事業」で小金井市と取り組んだ実践についての話。こんな特設コーナーもありました。

どうせtomoLinksの話をするなら、午前中の公開授業で使った生成AIの話をしたいところですが、さすがに時間的に無理ですからね。でも、この「管理職と教員の対話にデータを」も、地味なテーマですが興味を持ってくださる方がいらっしゃってよかったです。

なお、この事業について詳しくはこちらの動画を御覧ください。EDIXのコニカミノルタブースでも、この動画のダイジェストが上映されていました。

EDIXで公開授業を行う意味

こうして怒涛の一日が終わったのでした。ちょっと真面目なふり返り。

EDIXに対して批判的、というか、距離を置かれている方の気持ちはわからないではありません。改善すべき点も色々とあるでしょう。でも、これだけのビッグイベントですから、これをこの国の教育を動かすエネルギーの一つにしなかったらもったいないと思うのです。今回、公開授業のお話をいただいたとき、もしかしたら、その部分で貢献できるかも、と思いました。

今回のEDIXのテーマは「教育の今を学べる、未来に気づける3日間」です。そのEDIXに、実際に子どもの学ぶ姿を持ち込んで「多くの学校ではまだここまでやれていないかもしれないけれど、数年後には当たり前になっているような授業」を実施できたら、テーマの具現化に貢献できるのではないか、という狙いがありました。(と同時に私にとってはかなり大きな挑戦だったわけですが。)

また、教師目線で言えば、何だかんだで、やっぱり授業改善ですよね、我々が取り組むべき仕事は。EDIXという巨大イベントの中に公開授業があることは、「このビッグイベントには授業改善に繋がるヒントがたくさんありますよ」というシンボルになるかな、とも思いました。

「EDIXは平日開催だから教員の参加は少ない。そもそも教員向けのイベントではない。」という声も聞きます。文部科学省から「積極的な参加についてお取りはからいを頂ければ幸いです」という事務連絡が出ているにも関わらず「年休を取って行くことも認められない」という耳を疑うような話もあります。そういう実状に対して「子どもを連れて行って公開授業している学校もあるのに」というのがアンチテーゼになればいいな、というのもありました。
https://www.mext.go.jp/content/20231017-mxt_jogai02-000003278_001.pdf

それらの目論見がどれほど達成されたのかはわかりません。ただ、こう書いてくださる方もいらっしゃるので、何某か爪痕は残せたのではないでしょうか。

それにしても、このEDIXでの公開授業のお話をいただいたときは、まだ自分がどの学年の担任になるのか、どんな子どもたちが相手なのかもまったくわからない頃でした。そんな時期に「5月9日にEDIXで公開授業を行う」話を受ける自分も自分なら、それを二つ返事でOKする管理職も管理職です(笑)。東京学芸大学附属小金井小学校、なかなかぶっ飛んでいる学校なのですよ。

公開授業の中身についてもあれこれ書きたいのですが、こちらはムービーを撮ってあるので、それを見返しながらゆっくり書きます。ということで②は忘れた頃のアップですね…。

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