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来年度の国家予算112兆円は、何のためのものなのか?

 最近、読んだ内田樹さんの最新刊『だからあれほど言ったのに』に、上記の問いにふさわしい記述があったので紹介しておく。白井聡さんとの対談本『新しい戦前』といい、内田さんの著述には、現状の日本というものに対する的確な文言が多いので感心させられる。 アメリカの顔色をうかがう日本政府の悲哀 ある媒体からインタビューのオファーがあった。岸田文雄政権の新年度予算成立を受けて、「なぜ岸田政権はこれほど性急に防衛予算の拡大に進むのか」について訊かれたので、次のように答えた。 《今回の防衛

    • 「万物の黎明」           人類史を根本からくつがえす

       先日、紹介した『万物の黎明』の帯に書かれたキャッチフレーズである。  640ページを超える大著のまだ、半分くらいしか読み進めることができていないが、非常に知的好奇心をそそられると同時に、非常な興奮なくして本書を読み進めることはできない。 デヴイツド・グレーバー   酒井隆訳 デヴイツド・ウエングロウ 「負債論」「ブルシット・ジョブ」のグレ-バーの遺作、ついに邦訳。考古学、人類学の画期的な研究成果に基づく  新・世界史 !私たちの祖先は、自由で平等な無邪気な存在(byルソー

      • このような使用実態で、今年12月に紙の保険証を廃止しようとは、人々のことを考えないのが国家なら、そんなものは必要ない!!!

        2025年5月16日 朝日新聞 1面  マイナ機能39% 利用ゼロ 自治体の半数以上利用は3%   検査院調査 マイナンバーシステムで児童手当や介護保険申請などの手続きを簡略化すの活用状況についての調査結果を、会計検査院が15日に公表した。2022年度に全国半数以上の自治体が活用したのは1258機能のうち年金申請などの33機能(3%)で、税金減免などに関する485機能(39%)は全く使われていなかった。 ▼2面=かえって負担増 「行政効率化」現場と乖離本来使えるはずのデジ

        • こんなに使われないマイナカードを何としても保険証の代わりにしようという権力の意図とは何なのか?

          2024年5月16日 3面 マイナ活用 むしろ負担  朝日新聞 マイナンバーシステムが自治体で機能していない実態が会計検査院の調査で明らかになった。政府が巨額を投じた行政のデジタル化策が、効率化につながらず、かえって負担を増やしかねなくなっている実態も見えてきた。 ▼1面参照  今回の調査のきっかけは2年前。検査院が一部の自治体を対象に実施した別の政策に関する調査だった。  その政策に関連するマイナンバーシステムの機能に、使われていないものが散見され、検査院内に懸念が広がっ

        来年度の国家予算112兆円は、何のためのものなのか?

        • 「万物の黎明」           人類史を根本からくつがえす

        • このような使用実態で、今年12月に紙の保険証を廃止しようとは、人々のことを考えないのが国家なら、そんなものは必要ない!!!

        • こんなに使われないマイナカードを何としても保険証の代わりにしようという権力の意図とは何なのか?

          「万物の黎明 人類史を根本からくつがえす」ものすごい本が出版されたものだ!!

          「万物の黎明 人類史を根本からくつがえす」デヴィッド・グレーバー、デヴィッド・ウェングロウ〈著〉  酒井隆史 訳  これまでの人類史を完全に覆された本が出版された。『ブルシット・ジョブ』で有名になった人類学者デヴィッド・グレーバーと考古学者のデヴィッド・ウェングロウの共著である本書だ。643ページもある(訳者の酒井隆史氏の解説も含む)大著を前にして読者は尻込みしてしまうかもしれない。そういう人には、訳者の酒井隆史氏の解説から読まれることをお薦めしたい。この大著についてとや

          「万物の黎明 人類史を根本からくつがえす」ものすごい本が出版されたものだ!!

          『新しい戦前 この国の”いま”を読み解く』を読む

          内田樹さんと白井聡さんの対談本『新しい戦前』を読んだ。この間の”岸田大軍拡”について的を射た議論がされているので、引用したい。 「新しい戦前」どころか「新しい戦中」 白井 (中略)  2022年12月に岸田政権が閣議決定した新しい安保関連3文書(国家安全保障戦略、国家防衛戦略〔現防衛計画の大綱〕、防衛力整備計画〔現中期防衛力整備計画〕)はアメリカとの綿密な打ち合わせ、調整、擦り合わせのもとに出てきたことは確実なのです。  いま喧伝されている台湾有事はどのぐらい大きなものに

          『新しい戦前 この国の”いま”を読み解く』を読む

          そもそも、汚染水からトリチウムを分離できないという政府・東電の主張がウソなのだ!!

          大沼安史 著 『世界が見た福島原発災害』 第5巻 2016年刊に、以下のように書かれている。世界は安上がりで済ませたいという日本政府・東電のもくろみににだまされてしまって、ここまで来てしまった。 p179より 『AP通信』のスクープ記事はまた、「複数の研究所でトリチウムの水からの分離がすでに行なわれている」ことも報じていた。 問題は「フクイチ」ほどの規模になると、トリチウム分離は「極めてコストがかかる」―との指摘も併せて。   ということは、「分離は困難」というのは、安

          そもそも、汚染水からトリチウムを分離できないという政府・東電の主張がウソなのだ!!

          学校だけでなく、社会全体が末期症状だからこういうことが起きる!

           6月21日付の朝日新聞第1面のトップ見出しがこれだ!  今年の4月に採用されてすぐに担任、4月の残業時間は100時間を超える。ありえない残業時間だ。昼は基本的に授業など子どもへの対応で精いっぱい。その後、保護者名簿作りや掲示物の作成。新任教諭向けの研修の報告書の作成。(この研修こそやめるべきだ)同様に関東地方の公立小学校に勤務する22歳の新任教員はすでに退職を考えているという。残業が月80時間を超えるだけでなく、親から「子どもがいない先生には子どもの気持ちがわからない」と言

          学校だけでなく、社会全体が末期症状だからこういうことが起きる!

          NHKは、「新型コロナワクチンを批判する局員はゆるさ~ん」というスタンスだということが、よくわかった!!

          この記事が本当なら、NHKの新型コロナワクチンに対するスタンスがよくわかる象徴的なできごとだということだ。次に紹介した大石邦彦氏の本を黙殺ではなく、それを取り上げた職員は処分すると宣言したということだ。 『新型コロナワクチンの光と影 誰も報じなかった事実の記録』大石邦彦/著https://search.yahoo.co.jp/image/search?p=%E5%A4%A7%E7%9F%B3%E9%82%A6%E5%BD%A6&ei=UTF-8&rkf=2#d54e56f8

          NHKは、「新型コロナワクチンを批判する局員はゆるさ~ん」というスタンスだということが、よくわかった!!

          岡田准一と綾野剛主演『最後まで行く』は、すばらしいエンタメ映画だった!

           公開されてから少し時間が経ってしまったが、藤井道人監督作品『最後まで行く』は、息もつかせねノンストップエンタメ映画だった。岡田准一のダメ男ぶりも、綾野剛の冷徹監察官もとてもすばらしい演技だった。名監督の呼び名が高い藤井監督にしては、心から楽しめる映画だった。さらなるエンタメ道を突っ走ってくれることを期待したい。

          岡田准一と綾野剛主演『最後まで行く』は、すばらしいエンタメ映画だった!

          アメリカ(GHQ)と日本政府は広島・長崎への原爆投下を一年以上も隠ぺいした事実を私たちは知らない

          『ヒロシマを暴いた男 米国人ジャーナリスト、国家権力への挑戦』レスリー・M・M・ブルーム 著 高山祥子 訳  を読む 私事で恐縮だが、来週の6月13日(火)~15日(木)にかけて旧来の知人たち18人と「オトナの修学旅行」と題した小旅行に出かける。この企画は、40年来の友人である横浜の赤田圭亮さんの呼びかけで始まった。赤田さんは横浜市立中学校の教員だったころから「ヒロシマ修学旅行」を生徒と学年の教員団と共に熱心に行われてきた方だ。上記の『ヒロシマを暴いた男』は出版当初、県立図書

          アメリカ(GHQ)と日本政府は広島・長崎への原爆投下を一年以上も隠ぺいした事実を私たちは知らない

          今村翔吾 著『茜唄』を読む 2 『平家物語』の作者は平知盛であった。

           平知盛については、石母田正の『平家物語』(岩波新書 1957年刊)に詳しい。平家物語の研究書であり文芸書でもある本書は、とても有名なk「平家物語」解釈書である。今村翔吾氏がこの本に目を通しているのは明らかだが、『茜唄』に通じる部分を引用しておく。 一 運命について  『平家物語』ほど運命という問題をとりあげた古典も少ないだろう。この物語を読んだ人は、運命、運、あるいは天運、宿運というような言葉がくりかえしでてくることに気がついたにちがいない。「高橋心は猛(たけ)く思へど

          今村翔吾 著『茜唄』を読む 2 『平家物語』の作者は平知盛であった。

          瀬尾まいこ『そして、バトンは渡された』を読む 2

           この小説のすばらしさがわかる場面を引用する。ネタバレになるので注意してください。 第2章  森宮さんは本箱を、私と早瀬君の前に置いた。 「300万?」 多すぎる金額に、私と早瀬君は、 「大きい式挙げるわけじゃないのに使えないよ」 「そうです。こんな大金いただけないです」 とそろって困惑した. 「どうせ物入りだからもらっておけばいいよ。今さら泉ヶ原さんに返せないだろう」 「でも・・・・」 「これは受け取ったほうがいい。そのほうが泉ヶ原さんも喜ぶだろうから」 あまりに高額で、

          瀬尾まいこ『そして、バトンは渡された』を読む 2

          瀬尾まいこ 『そして、バトンは渡された』はとてもすばらしい作品だった。本屋大賞に選ばれるだけのことはある 1

           遅ればせながら、瀬尾まいこの『そして、バトンは渡された』を読んだ。2018年の本屋大賞受賞作である。とても、感動的な作品だと思う。  特に気に入った場面を紹介する。ネタバレなので、未読の方はご注意を!  今回は、第1章から引用します。  教空に戻った私を見ると、墨田さんと矢橋さんがにやりと笑った。 「優子、向井先生とランチしてたんだって―」  こういう情報が回るのは本当に早い。もめている状況がおもしろくて、こじれさせたいと思う人は、けっこういるのだ。 「たまたま学食にいた

          瀬尾まいこ 『そして、バトンは渡された』はとてもすばらしい作品だった。本屋大賞に選ばれるだけのことはある 1

          岸田、おまえは完全に終わっている おまえの子育てとは、どんなものなのかがよくわかった!!!

           岸田という人物は、こういう子育てしかできないやつだということがよくわかった。おまえは、完全に終わっている。 23年5月24日付 朝日新聞より  首相長男、公邸で「忘年会」 赤じゅうたんの階段親族らと記念撮影秘書官更迭を首相否定  岸田文雄首相の長男で政務秘書官を務める翔太郎氏が昨年末に首相公邸で親族と「忘年会」を開き、記念撮影をするなど不適切な行動をしていた。首相は25日夕、記者団に「行為は適切さを欠く。国民の不信を買うようなことならば、誠に遺憾だ」と述べ、翔太郎氏に

          岸田、おまえは完全に終わっている おまえの子育てとは、どんなものなのかがよくわかった!!!

          大石邦彦 著 方丈社 『新型コロナワクチンの光と影』を読む 2

           昨日の引用の続きをアップする。 番組として、ワクチン接種に伴うリスクもきちんと伝えようと決意 そこで、私はあることを決意した。  ワクチン接種によるベネフィット(利益)中心に伝え、推奨するだけだった報道姿勢を改め、副反応などのリスクに関しても、事実それが存在しているのだから、時間を割いて伝えることにしたのだ。  もちろん、誰にでも検証可能な”事実”、出どころのハッキリしているデータのみを、逃げずに伝えようということである。  現実に副反応と闘っている人や後遺症に苦しんで

          大石邦彦 著 方丈社 『新型コロナワクチンの光と影』を読む 2