『いのちを“つくって”もいいですか?』島薗進、NHK出版、2016
生命科学の発展が生み出す様々な倫理的ジレンマをめぐって、哲学的に考察を進める本。副題に「哲学講義」というカタい言葉が入っているが、決して難しい本ではなく、平易な言葉でわかりやすく、生命倫理について、著書と一緒に考えるよう読者を導く、優しい内容になっています。
この本で問題とされているのは、病気を治療したり、失われた機能を修復させるだけではなく、人体の能力を向上させるために行われる「エンハンスメント」によって、「人間改造」が行われ、人間を超えた何者かを造り出してしまうこと