横須賀彷徨①
先日、とあるイベントがあって横須賀に行った。楽しいイベントでわいわいした後ひとりになって、せっかくなので散歩してみることにした。夕暮れ時だった。横須賀中央駅から駅前の道を適当に気の向くまま歩いた。
細い路地に立ち飲み屋や縄のれんのような昔ながらの居酒屋が立ち並ぶ一角。いかにも大衆酒場という感じで何十年もここにいますよという店構えで、硝子戸の向こうが賑わっているのがよく分かる。商店街を渡った向こうにも居酒屋がいくつも立ち並び、酒呑みにはたまらない街並みが続いていた。
横須賀には今もアメリカ海軍の駐屯地があるけれど、実は明治時代から日本海軍と陸軍の基地があり、昔から軍港だったのだそうだ。街の名前や存在も軍事機密として地図に載っていなかったという。そうして機密が守られたためもあるのか、はたまた「アメリカが戦後に軍港として利用するために破壊しなかった」という都市伝説にも一理あるのか、「横浜など大都市に空襲が集中した」という説が正しいのか、私には判断がつかないがとにかく、横須賀は第二次世界大戦中も部分的な空襲を受けただけで済んだという。そのためか戦前からあるような古い建物が今もいくつも残る。
戦前とまでいかなくても、昭和な雰囲気を纏うレトロビルをいくつも見つけた。
夕暮れが迫ってきて、商店もだんだん閉まっていく頃、ただふらふら歩いているだけで楽しかった。