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~第152回 ~「鎮花祭の話」

今年は全国的に例年より早く桜が開花し、すっかり春らしくなってまいりました。 武蔵一宮氷川神社では桜が舞い散る4月5日~7日に鎮花祭を行い、7日の大祭では菱餅に桜花を乗せ神様にお供えします。

また3日間、氏子の童女による「花しづめの舞」を奉奏します。 この「花しづめの舞」は、千早という装束を着装し、桜のかんざしに桜の枝を持つ「乙女」四人と、さらに年若の「つぼみ」二人による舞です。

前半は桜を持ち、田植えの所作が入る今様の曲で舞い、後半は桜と鈴を持ち琴の伴奏で舞います。 古代日本では桜など春の花びらが飛散するとともに疫病も流行すると信じられておりました。

疫病を鎮めるため花の神様に祈りを込めた鎮花祭は、8世紀成立の『神祇令』の「季春条」にも記載されている国家祭祀でした。

(※神祇令は養老2年(718)に古代法を集成して編纂された奈良時代から平安時代にかけての日本国家の基本法令集『養老律令』の中にあります。) 災害が起こらない、疫病が流行らないように神々に祈りを捧げ、祭りを行うことで、自分たちの共同体や集落を守る。

この祈りの心に対し、古代の日本人は律令=法治国家として体制を整え、国のための祭祀「国家祭祀」として神事を行っていたのです。 そして現代までの長い歴史の中で、国の法律が変化しようとも、祈りの心を変わらずに大切にしてきました。

〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕

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