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~第102回~「鎮花祭の話」

4月に入り、満開の桜も少しずつ花びらが散り、葉桜になってきました。
氷川神社の鎮花祭(祭典日:4月5~7日)も近づいております。

鎮花祭の3日間、祭典中に氏子中の童女による花しづめの舞を奉奏します。
この舞は氷川神社の社家、西角井家出身の国文学者・民俗学者である西角井正慶氏が作られたもので、千早という装束を着て、桜のかんざしに桜の枝を持つ「乙女」4人と、さらに年若の「つぼみ」2人による舞です。
前半は桜を持ち、田植えの所作などが入り今様の曲で舞い、後半は桜と鈴を持ち、琴の伴奏で舞います。
また、コロナ禍以前は、地元の中学生が職場体験授業で豊栄舞を習得して神前奉納もしておりました。

鎮花祭は『神祇令』(養老2年(718))の「季春条」にも記載されている祭祀ですが、古来わが国では、桜など春の花びらが飛散するとともに疫病も流行ると信じられてきました。
春ならではの祈りの心から生まれた祭祀が「鎮花祭」なのです。

なお、7日の大祭には菱餅に桜花を乗せてお供えします。
こちらも春ならではの風景ですね。

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〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕

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