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~第50回 ~「鎮花祭の話」

関東では桜が開花し、いよいよ春らしくなってまいりました。
>武蔵一宮氷川神社では桜が舞い散る4月に鎮花祭を行います(祭典日:4月5日~7日)。鎮花祭は『神祇令』の「季春条」にも記載されている祭祀です。
 神祇令は養老2年(718)に古代法を集成して編纂された、奈良時代から平安時代にかけての日本国家の基本法令集『養老律令』の中にあります。
神祇令で国家祭祀に規定された祭祀は、鎮花祭の他に祈年祭・神衣祭・三枝祭・大忌祭・風神祭・月次祭・鎮火祭・道饗祭・神嘗祭・相嘗祭・鎮魂祭・新嘗祭(大嘗祭)などがあります。
当社の鎮花祭、4月7日の大祭では菱餅に桜花を乗せて神々にお供えします。
 また祭典中は3日間とも、氏子の童女による花しづめの舞を奉奏します。
花しづめの舞は、千早という装束を着装して桜のかんざしに桜の枝を持つ「乙女」四人と、さらに年若の「つぼみ」二人による舞です。
前半は桜を持ち、田植えの所作が入る今様の曲で舞い、後半は桜と鈴を持ち琴の伴奏で舞います。古代から、桜など春の花びらが飛散するとともに疫病も流行ると信じられておりました。
疫病を鎮めるため花の神様に祈りを込めた鎮花祭は、春ならではの美しい祭祀です。

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〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕

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