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好奇心は全てを凌駕する。歯を削られる痛みさえも。

息子、人生初の歯医者に行ったのは2年前。
年長のときの夏でした。


保育園の定期健診でめでたく虫歯が発覚し
これは歯医者さんで治してもらいましょう、となったわけです。

歯医者=怖い がセオリーのこの世界において
私は、まだ年端もいかない息子を
歯医者デビューさせざるを得なくなってしまったことに
自責の念を抱きながら、
「息子、ちゃんと、治療受けてくれるかな・・・」とひたすら不安を覚えていた。


だが。

歯医者デビュー前日。
保育園の先生に「明日、はじめて歯医者に行くよ❤」と嬉しそうに報告していたというではないか。

(え、なんか勘違いしてないか、、、?)と心配になっていたのですが
いざ歯医者に行ってみたら、息子は

椅子を倒されて「おおー!椅子が!動く!さすが〇〇歯科!」と感動し
(注:どこの歯医者でも動きます)

口をゆすぐための紙コップを見て
「これ、自動でお水が出るの?すごい!しかも自動で止まるの?すごい!!どうして?」と興味津々で

口に風をあてる器具を使われ
「気持ちいい!楽しい!」とご満悦で

自分の歯の様子を撮影したモニターを大喜びで見ていた。

息子の様子を見たお医者さんや歯科衛生士さんから

「こんなに楽しんでくれる子は珍しいです!
大抵の子は、嫌々来ているので、、、
お父さんかお母さんが医療関係の方なんですか?」

と質問される始末。

いえ、親は、医療関係とはご縁のない、
しがないサラリーマンと公務員、です。


そんな、テーマパーク的歯医者デビューから
2年が経過した。
息子、定期健診でまたしても虫歯が発覚。
麻酔を打って歯を削る必要があるとのことで
治療中、先生が
「本日、息子さんに麻酔を打ってもいいでしょうか?」と
確認に来てくれた。
はい大丈夫です、と答え、念のため息子に言って聞かせる。

私「今日、先生が診てくれたら虫歯があったから
これから麻酔を打って、歯を削ることになったんだ。
麻酔打つときに、ちょっと痛いかもしれないけど、
息子君の歯を守るためだから頑張ってね」

子「わかった!(力強く頷く)」

先生に「ではお願いします」と言って息子を託したところ
息子は、麻酔を打つときも、打った後も、至って冷静で
痛みを感じたときにはそっと左手を挙手し
痛みがなくなったら下ろし
口を開けてと言われたら素直に口を全開にして
先生や歯科衛生士さんの指示に全力で従っていた。
そして施術が終わったら

「そうだねたしかに、左の感覚がないね。
 でもぼく、この感覚、前に経験したことがある気がする
 ぼく、麻酔打ったことあるんじゃないかなぁ
 保育園のころに打ったことある気がする」

先生はカルテを確認したうえで
「息子さんは、麻酔は初めてですね」って言ってたぞ。
そして我が家はここ以外の歯医者に行ったことはないぞ。
たぶんそれ、保育園のころの記憶じゃなくて
前世の記憶なんじゃないのかな。

息子、今回も、施術が終わってからは
自分の歯のレントゲン画像を見せてもらっていたのだが、
先生に
「この歯はなんていうの?へぇ、第二大臼歯?
へぇー、12歳ごろに生えてくるんだ??じゃあぼくはまだ先だね」

等と質問&交流しまくり、
ヒト属ヒト科の口腔組織について学びを深めていた。

私が幼稚園児のころを思い起こすと
自他共に認めるスーパーネガティブで、
なんだかいつも泣いていた。
注射をすると言っては泣き、
友達に何か言われたと言っては泣き。
歯医者に行くなんて日には、
そりゃもう、天が張り裂けそうな程に泣いた。

そんな幼少期を送った私なので、
歯医者すらもテーマパーク&スタディーツアーに変えてしまう我が子の
「人生を楽しめる力と才能」が非常にまぶしく思える。

これからの人生、いろいろ困難もあるだろうけど
持って生まれた好奇心で、
ぜひ、全力で突き進んでほしい。


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