『月に負け犬』にならない世界

タイトルは椎名林檎の曲です。

2000年3月31日に発売された『勝訴ストリップ』というアルバムの中に入っている曲。
（発売日＝3月31日＝誕生日なので、当時、誕生日にプレゼントしてもらった。懐かしい）
このアルバム、『ギブス』とか『罪と罰』とかの名曲が多すぎて
『月に負け犬』は相対的に知名度が低くなっているのですが
冒頭の

「好きな人や物が多すぎて　見放されてしまいそうだ」

という歌詞は、ご記憶にある方もいるのでは。

最初これを聞いたとき、衝撃を受けた。

え、私じゃん！
え、私、見放されちゃうの？と。

でも幸いなことに、夫は
「私の好きなものを否定しない」という点において、
たぐい稀なる才能の持ち主だった。

私には、好きな人が多すぎて、男女問わず、
「これからもこの人と仲良くしたい！」という人がたくさんいる。
なので夫と付き合うことになったとき

「男女問わず、友達とはこれまで通り飲みに行くから！
　あなたと付き合うことで、これまでの友達との縁がなくなるとか
　そんなのは絶対に嫌だから！！」

と息まいて宣言したら
何の抵抗もなく、「いいよー」とニコニコしていた。

そして私は宣言通りいろんな人と飲みに行き、
今、〇〇さんこんなことやってるんだって！〇〇さんやっぱりすごい！
（〇〇さんは、女性のこともあれば男性のこともあり）
などと、目を輝かせて夫に報告すると
「みなこはホントに〇〇さんのこと好きだよねぇ」と
イツモシヅカニワラツテイル。宮沢賢治かよ。

先日、
高雄に五月天のライブ行ってきた！しかも1週間で2回！
と夫に伝えたら
「えっ、2回も行ったの？！楽しそうでよかったねぇ」と笑顔。

台湾ナンバーワンバンドの五月天といえど
夫にとっては、異国の地の、知らないバンドにすぎない。
でも

「ライブめちゃくちゃ良くてさー！アリーナ席だからずっと立ち見だったけど、全然疲れなかった！」

「となりの席になった台湾人の女性が同世代で、いま40歳なんだけど、15歳のときからファンなんだって！！」

などという私の与太話にも、
「えー、15歳の時から？！長いね！！」などと
ちゃんと聞いてちゃんと反応してくれる。こいつ、いいやつだな。

好きな人や物が多すぎても、見放されない世界。なんて素敵な世界なんだ。
夫よ、私の「好き」と「自由」を制限しないでいてくれてありがとう。
これからも、多すぎる好きな人や物に囲まれて楽しく生きるぞ。