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普通のおじさんが税理士試験合格目指して25年もかかっちゃった件-6回-

あっという間に2月も下旬、勤めている事務所も確定申告で繁忙期に突入しました。毎年のことですがこの時期は身も心も休まりません。出来るだけ週2回(火曜か水曜と土日どちらか)は投稿しようと決めていたのですが中々厳しくなって、頭の中も書きたいことがうまく纏りません。
ですが投稿がどれだけ読まれたのかや、スキしていただいた回数なんかをみていると励みになりますね。フォローしていただく方もいらっしゃったりすると、じーんときますねぇ。よくyoutubeで「フォローお願いします!」と言ってます。商業的要素もあろうかと思いますが「嬉しい!!」ということなのですね。
さて、今回は会計事務所で時々面接を担当することもあり、雇う側からのお話と今後の税理士の個人的予測なんかを書いていきたいです。


会計事務所に就職するには

今勤めている会計事務所(税理士法人)では事務所経験がなくても人物重視で採用をしています。面接してお話を聞いてみると結構未経験者不可という事務所も多いようですね。ですが、少なくとも都内の会計事務所や税理士法人では慢性的な人不足なのではないかな。人がいない→一人が処理するクライアントが多くなる→辛い→辞める・続かない→人がいないの連鎖が断ち切れない感じですかね(うちの事務所だけ!?)。
それでも希望をもって会計事務所で働きたい、転職したい方へのアドバイスです。

(1)日商簿記2級は取得しましょう
事務所経験なくても可とはいえ最低限の簿記の知識は必要です。そうでないと仕事の指示をする前に多くの説明の時間が必要になります。

(2)数字が好き、簿記大好きだけでは難しい
面接していて時々このような方がいらっしゃいます。確かに作業してもらうと早いし楽しそうだし。でも会社に訪問して社長と直接お話をする、相手の質問や要望に答えるのはかなりのコミュニケーション能力が必要で、最終的に必要な能力はむしろコミュニケーション力だと思っています。これが苦痛で辞めていく方もいらっしゃいます。付け加えるとやはり社長って一般人とはどこか違うので「わたし」はいまでもどこか緊張して対話してしまいます(社長によっては距離感を感じてしまっているかもです。反省です)。外に出向くのが好き、中で帳簿付けるのが好き、こういった区分けができて働ければ良いのですが少ない人数でクライアントを回していくのが現状の会計事務所(業界?)なのでそううまくはいかないのが現状ですかね。

(3)税理士を目指したいのであればせめて基礎知識を
面接で「税理士を目指したい」と言われる方がよくいらっしゃるのですが、逆に「わたし」は「ではどうしたら税理士になれるかご存じですか?」とお聞きします。すると、いつ頃試験があるか、どの科目を受験しようと思っているか、専門学校には通うつもりか、など何も決めていない(知らない)方がいらっしゃいます。これでは本気で会計事務所で働きたいのか意気込みが伝わりません。会計事務所の仕事は慣れるまでかなりハードだと思っていますのでこれでは「辞めてしまうだろうな」との印象になります。

(4)履歴書他提出書類は必ず再読して
履歴書や職務経歴書が事前に送られてきたり、当日拝見すると誤字があったり、とくにパソコンで履歴書を作成するとコピペするのか住所のフリガナが全然違うものだったり、志望動機が明らかにほかの会社用に作成されたものだったりすることがあります。今の事務所はそんなに大きな事務所ではないのでよく確認できてしまうのかもしれませんが面接官って思っている以上に目を通しています。
逆に時々自著した履歴書をお持ちなる方で非常に達筆な方がいらっしゃいます。「わたし」は全く字がうまくないのでこれだけでかなりプラスポイントだと思います。字がきれいな方は是非アピールしてください。
それと「わたし」はこの投稿でも何度も読み返して不要な文章を削ったり、わかり易いように書き直したりしているつもりです。履歴書の志望動機や職務経歴も非常にわかり易く簡潔な方と、無駄に長く読みにくい方といらっしゃいます。出来上がった書類は必ず再読してチェックしてください。職場の若い人でも出来上がったことに安心してチェックせずに回してくる人もいますので、チェックする癖をつけてください。あ、これは自分への戒めでもあります。

(5)会計事務所への転職に限らず就職は恋愛と同じです
最近の傾向でしょうか。連絡をしない=辞退の意思表示と思われている方が非常に多いですね。ですが採用にあたっては募集広告の掲載、応募者の事前書類をチェック、面接の連絡、そして面接、その後の評価等、思いのほか多くの人、時間を会社側は費やしています。恋愛でも自分のことを好きと言ってくれた人を無下には扱わないですよね。他で採用が決まったのであればそれでも構わないのでその旨、辞退の連絡は欲しいですね。こちらもその人が別の場所で活躍できているのであれば喜ばしいことですし。時々連絡もせず辞退される方で再度応募してくる方がいますが会社側も履歴は残しているのでそういう方はまず面接にはたどり着けません。

採用後の傾向

いまの勤め先での状況は採用した方の5~7割くらいの方が3年以内位で辞めていかれますかね。さらなるステップアップのための転職や業種が合わなかったという後ろ向きな転職・・・。読まれている方によってはそんなに離職率が高いの!?ブラックじゃないの?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが正直な現況ですね。こちらもその方に会社や自分の時間を投資しますので3年位で期待していた人が辞めていくのは正直ショックです。ですがその人が次のステップで生き生きと頑張っているのを見るとそれはそれで良かったな、頑張れ!!と応援したくなります。せっかくこの業界に入ったのであればみんなにそう思ってもらいたいです。先日もそんな彼らと飲みに行ったのですが楽しかったなぁ~。

今後の会計業界は・・・

AIの発達で無くなる仕事として税理士があがることがあります。個人的には半分正解で半分不正解だと思っています。
入力の正確さでは機械にかないません。自分でも入力後のチェックをすると科目ミスや摘要に変な文字が入力されていたりします。機械は疲れを知りませんしミスをしません。その意味では正確な帳簿が物凄い速さで完成します。この意味では税理士は衰退してくでしょう。
ですが、お客さんはそれを求めているわけではなく、この領収書(支払い内容)は経費になるのか判断して欲しい(要は経費性があるか)のです。そのためにはどういった内容のものなのか?必要に応じて領収書の再発行をお願いや、内訳が欲しい、なんてお願いをしたりします。経費にできない場合、どうして経費にできないのか社長が納得できる説明をしなくてはいけません。これは少なくとも現時点でのAIにはすることができません。
誤解を恐れず書きますと、AIが活躍できるのは裁判などの法曹界ではないかと思います。膨大な過去の判例からマッチした判決を出すのはAIの得意分野ではないかと。当然、最終的な判断は人間が行うにしても判事や検事、弁護士が見落としている(知らない)判例や判断は膨大なデータベースから拾い出せますからね。すみません、脱線しました。
税理士業界に話を戻すと最初のころに書いたと思いますが日本自体の高齢化が進んでいますのでこの業界も高齢化が加速していると思います。ほんと若い人の税士試験離れは目を覆いたくなります。そろそろ税理士制度自体改革していかないと税理士業界の未来が見えてこないと思います。新参者のくせに生意気すぎますね。

あとがき

先日無事に税理士登録申請書類を提出することができました。この先正直不安ですが出航する船に乗り込んだ以上は先に進むしかありません。そんな冒険をこの先も投稿し続けられたらいいな、なんて思ってます。申請までの紆余曲折は登録完了後に。それでは今回も読んでくださった方、ありがとうございました。

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