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GW神保町古書街巡り

①俺と神保町の歴史

久々の神保町。
ちょっと雰囲気が変わった気がする。
キッチン南海もなくなり、書店も減っている。
それでもこの街は懐かしい。
初めて来たのが45年前、筑波大時代だ。
日曜の夕方、バスと常磐線を乗り継いでお茶の水に到着。
そこから古書街まで歩いたが、ほとんどの店が閉まっていた。
あれは悲しかった。
がっかりして何も買わず、桜村へ帰った。
桜村には寮があった。
今なら秋葉原からつくばエクスプレスだろうな。
1979年のことだ。
土浦の駅前には何もなかった。

大学を受け直し、東京に住むようになってからはよく行った。
国文科なので専門書をよく買った。
専攻していた時代の棚を見ると、些末な研究が増えた気がする。
もう些末しか残ってないんだろうな。
専門書は不要なので、もう買うことはないが。

能の研修を辞めた時に渡されていた謡本や手付をすべて神保町で売りさばいた。
それがしばらくの生活費になった。
それをパチンコで失って、出版社にバイトで入った。
レギュラーで頼んでたデザイナーの事務所が九段下だったので、マジメに直帰せず、いつも古本屋に寄った。
男優になってからも神保町にはよく行った。
しばしば友人を案内もした。
穴場やコーヒーのおいしい店を知っていたからだ。
今日行ってみて、ちょっと変わったなと思った。
本は売れなくなっている。
当然、街も変わっていく。

②新潟カツ丼タレカツ

まずランチの店を探した。
すずらん通りを歩いて、新潟カツ丼タレカツという店に決めた。

カツを食べたかったからだ。
メニューを見て、カツカレーにした。
神保町はカレーの激戦区だ。
今日はタレカツ屋のカツカレーで勝負だ。

うまい。
カツ自体が甘く、メシが進む。
さらにカレーで追撃する。
おおー、これまたうまいー!
写真ではアサッリでシンプルな見た目だが、食べると非常に満足感がある。
1070円。
どっぷりカツカレーを堪能!
今度はタレカツ丼のランチも食べてみたい。

新潟のタレカツ丼はロケで離婚妻に勧められたB級グルメだ。
あれは『勝負馬券論』に収録されている。

③いよいよ本漁りへ

腹ごしらえ完了。いよいよ古書店を回って行く。
その前に動画を撮る。

この時点では楽勝ムード。
前に来た時も1周すれば、いくつかの戦果があった。
早く仕入れて、コーヒー店でのんびりするつもりだった。
しかし、本がない。
いや、この街は本だらけなんだが、俺が買いたい本がない。
財布には1万円ほど入ってたから、高額本には見向きもしない俺には十分過ぎる金額だ。
それがこの日は金を使いたくても出逢いがない。
立川優馬くんの競馬サロンで書いている競馬本コラム用に数冊、その他に拾い物を数冊、長年探してる本があればラッキー、それらをカバンに入れて帰るつもりだったが、まったくダメ。
1周半。
再び動画を撮る。

苦戦の報告だ。
ないものはない。
この時点ではもうあきらめていた。
もはや早稲田に回る足はなかったので、もう少し神保町で粘ることに。
そしたら、すぐに戦果があった。

店先の安売り棚の300円コーナーに2冊。
これ、激安なのだが、実は何か所も赤鉛筆でアンダーラインが引かれていて、言わばキズモノ扱い。
しかし、俺はそういうの、まったく気にならないのでしっかり拾わせていただく。
アンダーラインも前半だけだし、状態は美本。
600円はおいし過ぎる!
古書を買う基準に「転売」がないから書き込み本は問題ない。
転売するつもりなら買いにくいが、そもそも300円の本に転売もクソもない。
500円以上購入した客にはコーヒー無料サービスという特典があり、店の2階で自販機コーヒーをごちそうになる。
ありがたい。
足を休める。
しかし、これでスタバはなくなったな。
店内で写真を撮って、さらに周回。
また見つけた。
ちくま学芸の『チベット密教』。

この本は先日、代々木さんが大事そうに読まれてて、いつか買わなあかんなとチェックリストに入ってた本。
新本なら1000円超える。
だが、これくらいなら古書でそのうち出会うだろうと思っていた。
それがあった。
500円。
即買い。
3冊で計1100円。
文庫ばかり。
大きい本は本棚に並べられんので俺の主力は文庫・新書だ。
今回はコラム用の競馬本やお宝発掘はなかったが、まあ満足な3冊だ。
またまた動画撮り。

さすがに機嫌がいい。
帰宅後、きれいに手入れをして、今、机の上にある。
苦労の末に巡り合えた本たちだ。
たっぷりかわいがってやろう。

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