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神縁

神さまにいただくご縁を、神縁しんえんというそうです。

子どもの頃から体が弱く、目に見えない世界が遊び場でした。

妖精さん、天使さま、女神さま……
呼びかけても彼らがやってくることはなかったので、お友達にはなれなかったけれど、それらの領域でこころの元気をいただきました。

育った家は浄土真宗。
毎月お寺さんがやってきて、お話を聞かせてくださいます。
それも興味深く聞いていました。

高校生になって、少年合唱を聴くようになり、自然とキリスト教にも足が向くようになりました。
ここでもミサの式次第や祈りを覚えました。

エノク魔術に傾倒したこともあります。古代の季節ごとの儀礼を独学したこともありました。

もちろん、神社巡りも大好きな時期がありました。旅先で神社を見つけると土地に足を踏み入れるご挨拶をしたものです。
産土神社に興味を持ったりもして、遠路はるばる参拝したこともあります。

でも、わたしのもとには何も来なかったのです。
お招きしようとしても何処かで無理が生じて、がんばりが続かなかったり。

そう。人の意志でお招きしようとしていたのですね。あちらは、わたしに用はなかったのです。

結局、目に見えない世界のご縁を諦めたわたしの部屋は、なにもない、すっきりさっぱりした状態になったのでした。
エネルギー的にもリセットです。

そうして何年か経ち……
先日やってきたのが、白兎神社のお神札。人生初のお神札です。
宮司さんに勧められなければお受けすることはなかったでしょう。

神さまが来てくれた!
神棚はお世話ができないので用意しないけれど、かなり喜んでいます。

お神札の真下で眷属みたいになっているピーターラビット

といって、なにか儀礼に参加したり自宅でやってみたりするわけではなく。
朝夕のご挨拶として簡単な遥拝、家にただようご神気に少しでも沿うように毎日の掃除。あと、お神札のお部屋でお茶タイム。
神さまと一緒に生活し始めた感じです。

がんばって近づこうとしたり、召喚する必要もなく、神とは何かその御心は何かと自分の中だけでぐるぐる考えることもありません。
新しい家族のように、そこにいらっしゃるからです。

これがご神縁か、と思いました。

そして、神さまがこのように過ごしたい、ということは何かしらの方法で意思表示してくださる気がします。
そういえば、桜井識子さんの「神さまのおふだ」の本を事前に読んでいたのも、何かのお導きだったかもしれません。

お神札の期限は一年。
かなり遠方の神社なのでその先はどうなるか分からないけれど……。
初めてご縁をいただいた神さまです。居心地よく過ごしてくださったらいいな。


神の名は星の数より多けれど見つけたまふは兎一羽ぞ
──烏有

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