マガジンのカバー画像

ファクトチェックを取り巻く課題

37
ファクトチェックを取り巻く課題をビジネスなどの側面。特にパトロンとなっているフェイスブックやグーグルの問題点を取り上げています。
運営しているクリエイター

記事一覧

固定された記事

ファクトチェックは誰のため? 政府とSNSプラットフォームのためだ。 「The Fact-Che…

以前からファクトチェックには疑問があってもやもやしていた。ファクトチェック大手Snopesの剽…

個人レベルの誤・偽情報対策のツールボックス公開

27人の世界の研究者が参加した誤・偽情報対策のツールボックスが公開された。 Toolbox of Int…

日本の情報エコシステムの構造からフェイクニュースと誤・偽情報対策について論じた論…

考えてみれば当然のことだが、フェイクニュース=誤・偽ニュースと、誤・偽情報は似て非なるも…

ベリングキャット発OSINT七つの大罪

OSINTの代名詞的存在になったベリングキャットのスタッフが書いたよくないOSINT7つの大罪。 O…

デジタル影響工作ゲームが紹介されていた 真偽判定、なりきりBBCレポーター、世論操…

ゲームで学ぶデジタル影響工作というわけで、「Educational Games」( https://conflictmisinf

「偽・誤情報、ファクトチェック、教育啓発に関する調査研究」は日本では貴重な包括的…

昨日(2024年4月16日)、公開された国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの「偽…

最近の論文や資料から見えてくるデジタル影響工作対策の問題点 偏りがあるうえ有効の検証が不十分

私が特に気にしているせいもあると思うが、昨年からデジタル影響工作に関連する研究の見直しをよく見かける。デジタル影響工作は2016年のアメリカ大統領選挙で有名になったが、2014年のロシアのクリミア併合からすでに多く取り上げられていた。10年目の節目だからなのかもしれない。 ●全体的な傾向これまで行われてきた研究を概観した研究としては下記を紹介した。・「COUNTERING DISINFORMATION EFFECTIVELY An Evidence-Based Policy

過去の陰謀論対策の論文を分析してわかった有効な介入手法

「The efficacy of interventions in reducing belief in conspiracy theories: A systematic …

ファクトチェック団体のほとんどは日本のアニメ制作下請会社より零細?

Poynter Instituteが2024年4月3日に、「State of the Fact-Checkers Report」( https://www.p

誤・偽情報についての研究がきわめて偏っていたことを検証した論文

誤・偽情報あるいはデジタル影響工作、認知戦についての研究が偏っていることは以前から指摘さ…

14

気になった論文や記事2024年3月29日

3月23日から3月29日の間で気になった論文や記事を簡単に紹介。なお、私が先週気づいたというこ…

実態編 データ・ボイド脆弱性とはなにか? その2

ここ数日、データボイド脆弱性についての記事を書いてきた。今回は実態編である。この問題が指…

15

5年間ほとんど放置されていた情報戦兵器データ・ボイド脆弱性とはなにか? その1

ネットで検索を行った際、検索結果に陰謀論やプロパガンダが並んでしまう脆弱性=データボイド…

47

人はニュースよりも自分の事実確認能力を信頼している、という記事 ジャーナリズム不信とデータ・ボイド

ネットで目にした情報を確認する際、複数の情報源を調べて比較、検証することはよいこととされている。しかし、それにはひとつの前提がある。自分の調査能力がネットで目にした情報よりも信頼できることだ。ネットで目にした情報にはさまざまなものがあるが、最近は大手メディアのニュースや専門家の発言に疑問を持つ人も多い。大手メディアのニュースや専門家よりも自分の調査能力が上だという認識を持っていることになる。 ●概要2024年3月12日にコロンビア・ジャーナリズム・レビューに掲載された「Pe