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立花隆「自分史の書き方」

・本書は、ジャーナリストとして活躍した後、生物学、環境問題、医療などさまざまなジャンルの著作を手がけた著者が、立教大学で生まれた、シニア世代向けの独特のコースで開講した「自分史」の授業の実践の記録をまとめた1冊。

・著者が自分史のコースを大学で開講した当時(2008年)、一般社会のリタイア年齢(定年→年金生活)は、60歳だった。しかし、2013年時点で、日本人の平均寿命が男性79歳、女性86歳まで延びており、60歳はリタイア年齢としてちょっと早すぎる。むしろ、60歳は人生の中間地点ぐらいに考え、「そこから、人生のセカンドステージがスタートする再出発地点だと考えるべきだ」というのが、著者の自分史のコースの発想の原点だった。
・だが再出発してどこに向かうべきなのか。いま自分たちの未来にどんな可能性が横たわっているのか。日本は、世界は、これからどうなっていくのか。そして、自分たちはいま何をなすべきなのか。
・このような「中間再出発地点」に立ったときに、なすべきことは、「過去(自分と社会の両面。日本と世界の両面)を総括する中締めと、いま自分たちが立っている地点を再確認すること」ではないか。そして「未来の可能性を展望すること」ではないか、と著者は考える。
※そのために必要なことは何かについても述べているが、詳細は本書をお読みください。

・自分史の場合、書くことは基本的に決まっている。それは、自分という人間がどのようにできあがってきたか、自分自身の「メーキング・オブ」である。
・著者が、自分史の授業の最終段階で、「自分史を書き上げたら、最後に『はしがき」と『あとがき」を付けろ」と述べている。
・ここで大事なのは、「はしがき」は決してはじめに書くものではないし、「あとがき」は全部が終わったあとに書くものではないということ。
・「あとがき」というのは、手紙のポストスクリプト(追申)みたいならもので、書き終わったあとに、「あ、そういえば、あれも付け加えておかなくては」とあわてて付け加える、「ただし書き」のたぐいと思えばよい。それプラス、書き終えての自分なりの感想である。
・いずれにしても、本文部分を全部書き終わったあとで、「あとがき」は自然に出てくるから、出てくるまでに書けばよい。
※「『はしがき』」はどのタイミングで書けばよいのか」、「自分の歴史を記す2つの意義」などについても記載されているが、詳細は本書をお読みください。

・本書は、「自分史とはなにか」「自分の〇〇を作る」「なにを書くべきか」という章で構成されており、
◇最重要ポイントは「〇〇〇〇〇」作り
◇〇〇が自分史のコンテとなる
◇人生を4つの〇で表現
◇人生の充実度を〇〇〇で表現
◇「ファミリー」、そして「恋愛」の書き方
◇結末の書き方
など、自分史のサンプル5つの事例を通じて、自分史の書き方のコツが紹介された内容となっている。

自分の人生を一度、俯瞰してみたい方は、本書がそのきっかけとなるかもしれません。

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