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【読書記録】ビジネスに活かす武士道の教え

ビジネスに活かす武士道の教え
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西洋では「自由」と「権利」ばかり教える。東洋では「義務」を説く。


武士道の5常の精神

1.「義」-決断力・行動指針

「自分の身の処し方を道理に従ってためらわずに決断する力。」by林子平
「人の骨格に当たる。才能や学問があっても、節義がなければ武士ではない。節義さえあれば社交の才など取るに足らないものだ。」by真木和泉守
 
現代風に言うと
 「卑劣な行為や不正をせず、正しい判断力を身に着けること

義のある人とは「自己をきちんともち、不正なことをせずに行動できる人

2.「勇」-大胆な行動力と動じない平常心 

「勇」は「義」ために行われるものを指す。

命を投げ出し、死の淵に臨むことは勇?
→死に値しないことのために死ぬことは「犬死」とされる

「戦場に飛び込み、討ち死にするのは簡単で誰にでもできる。生きるべきときは生き、死ぬべきときに死ぬ。これが真の勇。」by水戸光圀

命知らずの突撃=「匹夫の勇」
本来あるべき真の勇=「大義の勇」

大胆な行動は「勇気の動的な表現」。平常心は「静止状態の勇気」。
本当に勇気のある人は常に穏やか、決して驚かされず、精神の均衡を崩されない。

現代風に言うと「大胆な改革、決断を実行でき、何があっても動じない
勇のある人とは「大胆な行動と平常心がある人

3.「仁」-リーダーにとって最も欠かせない 愛・寛容・哀れみ

「仁」は最も気高い王者の徳

「あらゆる徳の中で最も高貴で天下を収める者が必ず持たねばならないもの」by孔子

「仁」は優しく柔和、女性的な優しさと説得力 (「義」は男性的)
「義に過ぎれば固くなる。仁に過ぎれば弱くなる。」by伊達政宗

「仁の不仁に勝つには、なお水の火に勝つがごとし」by孟子
→水が火を消すように、仁は不仁に勝つ。

現代風に言うと
 「苦悩する人、辛苦に耐える人、弱い人を思いやること
仁のある人とは「思いやり・愛をもって行動する人

4.「礼」-社会的な地位を重んじる 心から他者を重んじる

単なる「作法」のことではない
 →心がこもっているかが大事
「礼」とは表面を取り繕うものではなく、他者を尊重し、思いやる心の表出
「仁」を行動によって示していくことが「礼」
 (「礼」のもともとの漢字は「禮」、「示」に「豊」と書く。)

「礼」が極まると「愛」に近づく。
本物の「礼」とは寛容で、慈悲深く、人を憎まず、自慢せず、高ぶらず、相手を不快にさせないこと。

現代風に言うと「相手の気持ちを尊重し生ずる謙虚さや丁寧さ
礼のある人とは
 「他者の悲しみや喜びを、自分のことのように感じることができる人」 

5.「誠」言葉に責任を持つ 約束を守る

「誠」は「言」ったことを「成」すと書く
→「二言はない」ということ 

武士の「誠」=最高レベルの誠実さ
武士のひとことは「真実」と同義
なので約束事に証文はない。証文を求めることは不名誉なこと。
武士の約束事は命よりも重く、嘘やごまかしには切腹で償うことも。
 
現代風に言うと「約束の重要さを考え、誠実であること
誠のある人とは「損得勘定でものを考えず、誠実で正直な人

まとめ

東洋思想の教えは「自分を修める」ことを説く。論語等に見られる上記の5常精神はテクニックや技術ではなく、人間の土台となる部分である。西洋思想がソフトウェア、アプリケーションだとすると、東洋思想はハードウェア、OSというイメージ。
武士道はまさに「日本人の基本形」ともいえる思想であり、ビジネス以外にも活きる、生活すべてに活きてくるものであると思われる。

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