【読書記録】『ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門』
『ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門』
木村尚義
頭を柔らかく、固定観念に縛られない発想をもたらす水平思考(ラテラルシンキング)の入門書。
ラテラルシンキングとはなにか?
ラテラルシンキングのセミナーを数多く実施してきた筆者でも「一言で定義するのは簡単ではない」とのこと。強いて言うなら〈発想の枠を広げる思考法〉。
たとえば「13個のオレンジを3人でわけるには?」という問に対して「ジュースにして分ける」と答えるような。
必要な3つの力
このラテラルシンキングに必要な〈3つの力〉として〈疑う力〉〈抽象化する力〉〈セレンディピティ〉が挙げられている。ここに関する説明は不十分であまり参考にならなかった。全体的に内容が浅く狭い印象。本当に入門だった。読みやすさは◎
・疑う力
「~であるべき」「~になるはず」という固定観念は自由な発想を邪魔する。新しい常識は非常識から作られる。子供のように「なぜ?」と問いかける癖を。
・抽象化する力
「抽象化」=「本質を見抜く」。ボールペン、シャーペン、サインペンの本質は「書く」こと。ここを捉えることで新たな物が見えてくる。暇なときは〈1つの物に30通りの「○○するもの」の○○に入る言葉を考える〉というワークに取り組む。
・セレンディピティ
日本語に訳すなら「偶然を偶然として無視しない力」「偶然を何かに関連付ける力」。小麦のお粥から生まれたパン。ブドウの果汁が自然発酵したワイン。航空機のレーダーから生まれた電子レンジ。スーパーマーケットの普段の風景から閃いた「トヨタ生産方式」。偶然が起きたときに、何も感じない人と、何かに応用できないか考える人。偶然とは日常の出来事の中からすくい取るもの。
何にでも驚き、感動し、感性を鈍らせないことが大切。「そんなこと知ってるよ」という姿勢が感性を鈍らす。
まとめ
ラテラルシンキングとは、固定観念にとらわれず、イノベーションをもたらす思考法。これは生まれ持った才能ではなく、誰でも行うことができる。まずは「なぜ?」という問いかけを日頃から繰り返し、自分の思考を縛る存在に気づくこと。そして、1つのも物事を、複数の視点から見る訓練をすること。最後に、普段から「気づき」のアンテナを働かせておくこと。
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