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MITなど、アメリカのトップ大学の入試におけるSATの利用が実質復活したのは、SATの問題くらいはしっかりと解けるようになってもらいたいという理由からです。

この問題、やはり根底には数学が必要な学科では、数学ができることが第一条件となることがあります。

その数学の学力の基準を図るには、SATを利用するのが簡単で分かりやすく、不公平ではないとの判断だと思います。

満点を要求されてはいませんが、ほぼ満点程度の学力を要求しています。

数学だけにしぼって考えると、そもそも、多くの日本人にとって、共通テストのような学力テストはなじみがあり、得点を取るための勉強に慣れており、SATの利用に問題はなさそうですが、国際バカロレアコースの場合はSAT対策をどこまでするのかが悩まれます。

つまり、忙しい時期にSATまでも勉強に加えるという加重。

以前は受験できる場所が大問題でしたが、今はオンライン試験が便利すぎです。

オンラインでのカンニング対策のほうが、実際の試験場でのカンニング対策より確実だということ。AI導入で、その場でカンニング=即中止・退場ができるため、公平性が高まるということも。

試験立ち合い官によるカンニングが起こる某国では大きな変化でした。

もちろん、高度なデジタル機器を駆使したカンニングを防ぐには不十分ですが。

そもそも、日本でも外国でも、超有名校の理系学科で、入試に合格できる生徒って数学ができるのは当たり前となっているので、SATであれ、他のテストであれ、入学基準はほぼ満点か、それに近い高得点が求められています。

カンニングよりSAT対策を真面目にするほうが安全でしょう。

そのテストを受けずに入学する場合は、それと同様の数学力があることを証明するわけですから、国際バカロレアの数学HLでの普段からの成績と高得点が必要であり、結局同じことですね。

さらに、数学ができない状態で入学するのはデメリットしかなく、学科選択のミスともいえるので、いろいろ進学・進路を考えなおす必要があります。

恐らく、問題は理系ではない科目での入試にSATを利用すべきかどうかでしょう。

医学・薬学・心理学はは直接的に高難度の数学が必要とはいえません。

数学に時間をかけすぎる勉強より、化学と生物学を高校でもっと深めるほうが良いとも言われ、さらに人間としての教育にかかわる医療関係ボランティアや倫理感などに時間を割く必要もあります。

しかしその人気により、入試選考方法が学力判別が主な手段となってしまいます。

ちなみに、化学と生物学も数学を使いますから、そのベースは必要ですが、試験に特化した数学の勉強とは異なります。

一般に言われる文系ではどうでしょう?

法学、経営、歴史などなど。

数学の基礎は必要ですが、さすがに、理系数学とはわけて考える必要がありそうですね。

今後、大学も入学した学生の様子や成績、実績を踏まえてさらに入試改革が進みますから、国際バカロレアだけではなく、いろいろな高校・セカンダリースクールでの大学入試に向けた教育方法の模索が楽しみです。

ちなみに、大学入学に興味がない高校生たちは、海外のインター校での国際バカロレアの場合はIBDPではなくIBCPを選択することができますし、技術系専門学校、資格学校での資格取得という選択肢もあります。

普通科の高校3年生のプログラムはもっと見直されるべきでしょう。

それに向けた高校2年での進路指導は重要です。

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