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大人として何が出来るのか

かねがね思っている。子ども達がうける学校教育がどうあるべきかを考えることは世の中のすべての大人達の責任だ。

子どもを持つ親の問題だけでもなければ、教育委員会や先生達だけの問題ではない。社会のすべての大人達が関心をもち、自分は子ども達のために何が出来るのかを考えるべきだと思う。

なぜなら、子ども達が未来の社会、未来の日本、そして世界をつくる存在であるからだ。
自分たちが年老いて、社会的弱者になった時、その私たちを支えてくれるのは今いる子ども達だ。

めまぐるしい変化の時代にあって、今では10年先の世の中がどうなっているのかを予測することすら難しい。
世の中がどんどん便利になって、人間はより合理的に、無駄を省いて生きていける・・・例えばAIに色々な仕事をやらせて・・・
それもそうかも知れないが、私は、この先子供達が生きる時代は便利であると同時に「生きづらい」ものになるかも知れないと考えている。

とにかく情報の取捨選択が大変だ。あまりに情報が多すぎて、旅行で泊まる宿ひとつ、食事をしにいく店選びひとつ、やれ星の数だの、口コミだのを読んで、あーでもない、こーでもないと選ぶ。

私が学生時代、海外を旅した時に手に持っていたのは、「地球の歩き方」という旅行ガイドブックと、その街で買った地図だけだ。
そうだから、出会う景色にはいつも驚きや感動があった。
でも今は、行く前におよそ調べ上げて予想がついた状態で出かけていく。情緒も何もあったものじゃない。

みんな情報がある分、「失敗したくない」という強い思いから、さんざん時間をかけて、情報を吟味するが、実際は口コミも、書いた人によって様々だから、結局どれが本当の情報なのかを探そうとさらに考えていると最後は頭が痛くなる。

そして今の時代、情報を出す側があの手この手で撹乱してくるから、「自分の価値観」「自分の考え方」をしっかりもっていないと、振り回されてばかりの人生を送ることになる。

この間雑誌で読んだが、今ビジネスの世界では「ブロックチェーン」という技術が注目されているようだ。
専門家ではないので詳しいことはわからないが、デジタル認証に使われる技術だそうだ。あまりにフェイクが多い時代なので、それが本物か、本当に本人の情報なのかを証明するために使われるとか。

自分がどこで生まれ育ち、どういう学歴、職歴をへて今にいたるかを単なる履歴書という紙切れではなく、デジタル認証で証明する。特にグローバル社会で海外の人材を採用したい場合はそういうものが必要になってくると言われている。

デジタルタトゥーと言われるものもある。過去にしたことがネット上に永遠に残り続ける。何なら実際にしていないことでも誰かに書き込まれたら終わり。
防犯カメラの数も増え続けるだろう。中国の治安が劇的に良くなったのは、残念ながら防犯カメラが街の隅々まで設置されたことによるらしい。

他にも今世界中で起きている紛争や環境破壊による自然災害など、将来に向けた懸念はいくらもあるが、私が思う生きづらい社会というのは例えばこういった世の中だ。

しかし、当然未来に向けて希望がないわけではない。一昨日、うちの幼稚園の発表会でみた子ども達の姿は、あまりに素晴らしく、感動的で、「この子達に出来ないことは何もないのではないか」、そう思わせてくれた。

彼らに未来を託す。

私たち大人はそんな生きづらい世の中をたくましく生きていけるよう、何をしてあげたらいいのだろう。

食事を作って出してあげるだけではなく、作り方を教えてやるべきだ。

車で習い事の送り迎えをするだけでなく、たまには自分の足で歩かせたり身体を鍛えることをさせるべきだ。

世の中のたいていのことに答えはひとつではないから、自分の考えをしっかりと持つことを教えるべきだ。

大人になったら、平和な世の中を作るために仕事をしなさいと諭すべきだ。

そして何より子ども達を我々大人はもっとリスペクトしないといけないと思う。

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