【もやしとキャリア】
最近の趣味は、もやしを育てること。
趣味を活動の切り札にしようとしているお話ともやしにキャリアを重ね合わせてしみじみとしている私のお話。
「もやし 栽培方法」
マダガスカルのスーパーで、色の悪い短いもやしをたまに見かける。
一度試してみたものの、やはり味は微妙だ。
それなら、自分で作ってみたらいいのではないかと考え、YouTubeで「もやし 栽培方法」と検索した。
びっくりするほど簡単そうにできる。
とりあえず、手始めに大豆もやしを育ててみよう!
カウンターパートに大豆をもらった。
「何をするの?」ともちろんのように聞かれたので、もやしの栽培方法の動画を見せると、不思議そうな顔をして、「これを食べるの?」と聞かれた。
「食べる、お金のないときは、こればっかり食べていた」
とだけ答えた。
もやしを託す
それから1週間後、大豆もやしと緑豆もやしを収穫した。
大豆もやしは少しの臭みがあるものの、我が家の本棚の隅っこで栽培したにしては、上等だ。
これは、天候にも左右されないとっても簡単な食べ物だ。
「もやしはほぼ水分」とは言われているが、水分だけでおかなを膨らますよりかは、食感もあって腹持ちするかもしれない。
「お米ばっかりで、おかずが少ししかないんだよ〜」と笑えない冗談で爆笑するマダガスカル人のおかずのかさ増しに貢献できないだろうか。
そんなことを思い、いつも冗談ばっかり言い合ってるカウンターパート(CP)の義姉にもやしを託した。
「今日のおかずにこれを試してみてくれない?」
ちなみに、CPは食べず嫌いをして、「私は味が嫌いだからいらない」と食べたことのないもやしに謎の拒否を示した。
義姉からのOK
次の日、もやしの評価を聞いてみた。
私「昨日のもやし、どうだった?」
CP義姉「あれ、案外いけるね!子どもも食べてたよ〜。私も作ってみたい」
嬉しい反応だった。
私「女性団体の会合で紹介してみてもいけるかな?」
CP義姉「大丈夫!いけるよ!」
このCP義姉は、冗談ばっかりだけど、雑談の中で、私の仕事を徐々に理解してくれている。めちゃくちゃ愛情に溢れてて、私の頼もしい味方だ。
そんな噂を聞いたのか、CPも興味を示してきたので、今育ててるもやしは、女性団体のおばちゃんたちとCPに食べてもらう。
それが、最近の小さな目標だ。
もやしとキャリア?
JICAマダガスカルの所長と雑談をしている時に、「私、もやし育ててるんですよ〜」というと、とっても興味津々に話を聞いてくださった。
そんなことがあっても、キャリアに何にも関係ないもやしなのだが、もやしを見ているとこの国でJICA海外協力隊として、もう少し頑張ろうと思える。
もやしは、太陽も土もいらない。
暗闇の中で芽を出す。
1週間もすれば、もう立派な夕食の名脇役だ。
なんだか、もやしのたくましさに頭が下がる。
大豆もやしに関しては、図々しほどの歯応えがある。
バリキャリ国際協力を進む人は、最近はJICA海外協力隊を選ぶことがだいぶ減ってきたと感じている。
それは、草の根の活動が多いからこそ、プロジェクト運営のような直接的な実務スキルを養われる場ではないと考えられているのではないだろうか。
そのくせ、2年(訓練から考えると約2年半)。国際協力でキャリアを気づきたい人、特に20代女性、のキャリア構築においては、絶妙に長い。
これは、私勝手な推測である。
私も国際協力のバリキャリとして、20代を進めようと意気込んでは、いたけれども、新型コロナが全ての計画を乱した。キャリアプランなんてものは遠に消え去っていった。でも、やっぱり、私はこの国際協力という業界が好きだ。そして、この業界で会う人がとても好きだ。
毎日、マダガスカルの人々から雑談を通して、色々なことを教えてもらっている。そんな時間もとても好きだ。
学生時代から憧れたこの草の根で、わたしはこの世界を理解していく。
そして、いつか、世界を変える力を私はここでつけていく。
慎ましく、たくましく、時に図々しく。
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