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CVを狙うコンテンツと第一想起を狙うコンテンツは分けて考えるべきという話。

私にはずっと疑問がありました。

「検索エンジン最適化で上位に挙がった記事は本当に質の高い記事か?」

若年層の情報収集の場所が検索エンジンからInstagramなどのSNSへ推移しているということは多くの人が感じていると思います。

実際に、私の周りの人間も次第に情報収集の場所をSNSに移している印象があります。

https://webtan.impress.co.jp/n/2022/04/27/42671より引用。

SEOツールを販売している私がこんな事を言うのはかなりまずいですが、
検索エンジン=情報収集におけるメインチャネル」
というイメージは次第に崩れてきているのではないでしょうか。

こういうとかなりSEOに否定的に聞こえてしまうとは思いますが
あくまでSEOを否定する気はありません。

なぜなら
すべては「コンテンツごとの役割」の違い
だと感じているからです。

今回はそんなSEOコンテンツと第一想起を狙う(覚えてもらう)コンテンツの違いについてお話できればと思います。




コンテンツは2種類あるというお話。

私はSEO業界で日々お客様のWeb施策を分析・改善提案していく中で、
「上位表示できる=質の高いコンテンツといえるのか?」
という葛藤を抱えていました。

というのも、
「検索エンジンでの情報は当たり前すぎるので参考にしないです。」
「こたつ記事ばかりで上位表示記事って内容薄いですよね。」

といった声がSNSで散見されたからです。

確かに、私自身学生時代にマーケティングを独学していた際、
「マーケティング 勉強の仕方」
と頻繁に検索していました。

ところが、どの記事も当たり障りのないことばかりで
かなり困った経験があります。

当時は、そもそも検索エンジンって
「ユーザーのためになる情報を発信する場所」
なのになんだか矛盾しているなと感じていました。

ただこの葛藤について、最近、明確な解決策ができました。
それが「コンテンツごとに役割が違うということ」です。

この考えをもってコンテンツ作成・発信に取り組むと、
より目的が明確になり成果が出やすくなると思います。

まずはコンテンツを大きく2つに分けてみました。

それが

  • CVさせるコンテンツ

  • 第一想起させるコンテンツ

の2つです。


CVさせるコンテンツ

まずCVさせるコンテンツについてお話します。

言葉通り、CVさせるコンテンツは、
目的がユーザーのCV(コンバージョン)です。

つまり、すでに興味があったり、商材やブランドを知っている人に向けて
訴求をしていくコンテンツになります。

このコンテンツの性質を考えると目的は「ためになる情報ではなく、CVさせること」になるため、どれだけそのコンテンツが面白いかではなく、どれくらい購買意欲を刺激するかになるかと思います。

SEOを取り組んでいる企業の最終目標は共通で売り上げの向上なので、
ユーザーのためになる記事<上位化で流入を獲得しCVしやすい記事
をどうしても優先してしまうのではないでしょうか?

加えて、SEO対策に注力しているオウンドメディアの運営元のほとんどは、売上を求めている企業であることが多いため、上位化に特化した記事が増えてしまうのは必然的であるといえるでしょう。


第一想起(覚えてもらう)コンテンツ

とはいえ、上位化に特化した記事は、あくまで企業目線のコンテンツであるため、ユーザーの目線からは質の高いコンテンツとは言えないでしょう。

よって
第一想起(覚えてもらう)コンテンツの作成・発信

も重要だと考えています。

名だたるスタートアップやマーケティングがうまいといわれている会社、指名検索が多い会社は、CVさせるコンテンツとは別途でこの第一想起させるコンテンツの制作も共通で注力しているように感じます。

例えば
「マーケティング支援会社が20代の働き方に関するコンテンツを発信」
「web制作会社が転職などのキャリアに関するコンテンツを発信」

する例が挙げられます。

完全にユーザー目線に立ったコンテンツを作成することで、今すぐCVにはつながらないものの、「ブランド選好度」を高めて、のちのちニーズが生まれた際に第一想起になることを目的としているのです。


両者の明確な違い

上記の2つのコンテンツは役割が全く違うため、ユーザーにとっては少々のギャップが生まれてしまいます。

それが私が冒頭でお話したような
「上位表示記事って薄っぺらいよね…」
の原因のような気がしています。

そもそもの目的が大きく違っているというところに加えて
この2つのコンテンツの明確な違いをもう少しお話させて下さい。


流入チャネル

昨今、コンテンツ発信プラットフォームはこれ以上ないほどに発達していると感じます。

言うまでもなくSNSは、その便利さから「ライフスタイルアプリ」のように日常生活の溶け込み、ユーザーは発信者と受信者両方の性質を併せ持つようになりました。

また記事コンテンツに関しても、noteでは個人、法人に限らずブログを始めることができ、誰でもブロガーとして収益化が可能になりました。

そしてこのプラットフォームの発展こそコンテンツの役割を生んだ原因だと考えています。

例えば、CVさせるコンテンツは「検索エンジン」からの流入を目的として設計されることは多いです。なぜなら「ニーズが検索クエリとして現れやすいから」です。

よって、そのキーワードに合わせたSEO対策を実施し、上位に表示されることで「ニーズが生まれた人に対して、自社サービスを効果的に訴求できる」のです。

それに対して、第一想起させるコンテンツはSNSやnoteといったチャネルの相性がいいといえるでしょう。なぜなら、「ニーズが生まれていない層に対して、まずはブランドや個人名を訴求させる」ことが目的だからです。

よくあるのがSNSでバズった人や企業が検索エンジンで指名検索されるという流れです。検索はあくまで気になる、知りたいというような欲求が行動のもとになっているのです。

このコンテンツの役割に応じて、相性の良いチャネルというのは変わってきます。

ここまで把握できれば、発信側になった際も、またコンテンツを受信する側になったとしても正しいチャネルでほしい情報が収集できるでしょう。


マーケティング上の役割

2つ目のおおきな違いは「マーケティングにおける役割の違い」です。
下記の図表を見てください。

第一想起させる記事は、自社のサービスやブランド自体知らない人に対して「覚えてもらう」ためのコンテンツです。

それに対して、CVさせる記事は自社サービスへのCVや問い合わせを促すという働きがあります。

よってマーケティングファネル上での働きが大きく違うのです。

このファネルをイメージしながら、マーケティング施策を展開できるとコンテンツ制作や施策をどうやって打っていくかがより明確になるのではないでしょうか?


最後に

上位表示の記事の信頼性が低くなっていることは最近の傾向として感じています。

しかし検索によって表示される記事のほとんどは、CVを目的としており、そこにコンテンツ発信者と受信者のギャップが生まれてしまっているのではと思います。

そんな情報収集を目的としている人にお勧めしたいのは、

  • noteでのキーワード検索

  • SNSで知識人のフォロー

です。
比較的SEOのお作法にのっとったコンテンツ等は少なく、深い知見に触れられるコンテンツがたくさんあります。

発信側、受信側ともに「コンテンツには2種類ある」ということを理解しておくとよいのではというお話でした。



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