良い意味であきらめる
父が嫌いだった。
子どもの頃からずっと。
祖母や祖母の親族と一緒に、母を泣かせるから嫌いだった。
保育園に迎えに来ても、
ピアノの迎えに来ても、
「おかえり」と言ってもらったことすらなかった。
車の中はいつも無言で、窮屈な気持ちで早く降りたくて仕方なかった。
この前、母が父に、
「(父は)子供たち全員に嫌われてるけど、どう思ってるの?」
と、尋ねたらしい。
あんぐりとした顔をして、言い訳を並べたそうだ。
今日、私の姉と妹とで、ちょっとしたイサカイがあった。
そこからトラブルに発展した。
事なきを得て、一件落着だったのだが、蚊帳の外の父の耳に偶然入ってしまった。
トラブルを全部聞いた父は、
「(俺の)子供たちは、
全員バカだ!」
と私に言い放った。
私は冷静にその言葉から、上記の母の言葉の仕返しを私にしてきたことがわかった。
そこから30分ほど、私は父と冷静にやり合った。
あんたの子育て間違ってたよ、と冷静に伝えてあげた。
私は子供にダメなママだったと謝ったことがあるよ、と冷静に伝えた。
しかし、父は俺は子育てを間違ってこなかったと、認めなかった。
姉と話してあげなよ、とアドバイスしてあげたのに、嫌だと言った。
何度も同じことをして学習しない姉が悪い!と言い放った。
それは大人になってからでなくて、子供の頃からそうですよ、と教えてあげた。
姉は保育園の時に、大人はダメだと悟ったんだよ、と教えてあげた。
俺の子供時代はもっと孤独だったんだ!とか、変な比較をしだしたので、冷静に比較すること自体間違ってることを教えてあげた。
ここまで言ってもわからなかった。
最後にまた、
「子供はバカだ」
と捨て台詞を吐いた。
一緒に聞いていた私の娘は、父がいなくなったあと、怒り狂った!
あのクソジジイ!と。
私はというと、
おかしくておかしくて、大笑いしたかった!
あまりにもおもしろくて、母に電話して伝えた。
「子供をバカって言う親がバカなのに、めっちゃウケる!
子供を諦めたのに福祉をするクソ親父。」
私は話していてやっとわかった。
母と同じように、父にも理解して欲しかったと。
でも世の中には伝わらない相手もいる。
それが父だったのだと。
あきらめる。
言葉にするとマイナスだけど、そうじゃない。
父との決別なのだ。
たまたま父だったけど、人として残念な人だった。それだけのことだ。
父が死ぬ4時間前に、父の耳元で、
「あなたはたくさんの人の迷惑者だったよ。超絶嫌われ者だよ。」
と復讐してやろうと思ってたけど、それすらする必要もない人だと理解できた。
ハーすっきりした!!!
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