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捨てる勇気② 推しを断ち切って変化したこと

ファンとして熱狂的に応援していた歌手から離れて半年経った。
とはいえ長年同じものや人を推し続けている人の方が少数派ではないだろうか。
恐らく多くの人が数年程度で推し活を辞めてしまっていると考えられる。

よく推しに冷めてしまった理由として挙げられるのが
・熱愛、結婚報道
・スキャンダルを起こした
・活動休止、解散、引退してしまった
・金銭的な問題
・時間が無い
・ファン同士の交流に疲れた

様々だが、これらの要因が推し活氷河期を作り出している。

私が推しに冷めてしまった要因は


大きく言ってしまえばこの3点である。※以下、推しのことをAと表記する。

①Aの半生に疑問が生じた

元々Aのことが好きになったきっかけは唯一無二の音楽センスに惚れたから。
細かいことは言えないが、いわゆる「鬼才」という言葉がお似合いの方である。
その随一の表現力は世間にも認められ、今では日本を代表するトップアーティストとして名を馳せている

しかし私生活で納得できない部分が生じてしまったのである。
LOVE絶頂期はこれらのことについて全然気にしていなかったが、
Aへの情熱の炎が弱まった途端小さなほころびを感じた。

Aはデキ婚をした。
そこまでならまあ許容範囲だが、相手は既婚者だった。
つまり略奪したのである。
「女遊びは芸の肥やし」が未だに根付いているだろうか?
実際、音楽や芸能業界において浮ついた人間は沢山いるのでAに限った話ではない。
ただ相手も相手で非道だが、配偶者がいる人を奪い取るのは如何なものか?
もう数十年も前の出来事であり、現状有名人なのであたかも無かったことにはされているが
当時は被害にあった相手の配偶者およびその家族はひどく傷ついていたのではと考えると心が痛む。

すぐに離婚したが、その後も多くの異性を虜にしまくっていたという。
現在の配偶者もまた略奪した人だが、平穏に暮らしている。
歳を重ねて丸くなったのだろうか。
でも私にとってはいくら何でも人間としてだらしないし、表現者を生業としている為Aがどんなに良い歌を作っても説得力無いなぁと感じてしまう。

②それを肯定するファンと価値観が合うわけがない

Aのファンは驚くほど民度が高かった。
他界隈だと毎日誰かが誰かの悪口を言っているし、本当にしょうもないことで炎上して可哀そうなことにアカウントを消してしまうパターンも少なくはない。
A界隈ではそれなりのいざこざは定期的に勃発していたが、例えば特定の人を執拗に責めたりすることはあまり見受けられなかった。
古参新参、年齢、性別関係なくみんなが互いのことを受け入れていた。

居心地が良かった為最終的に界隈用のアカウントを削除するかどうかはかなりためらった。

無論、みんなAに惚れた人たちなので界隈のファンたちは共通した特徴や性格を持っていた。
しかしどうもその性格や気質が私とはウマが合わなかった。

簡潔にいえば愛に生きる人が多かったのである。
Aもそのような半生を歩み、強烈な曲を創ってきたのだからシンパシーを感じて恋愛第一主義者が集まるのはもはや必然なのである。

それ故、Aの半生は全肯定。許容。
他にもファン自身の生々しい恋愛や下ネタ系の投稿が高頻度で目に付くし、そのポストに対して共感や賛同の意見が寄せられている。
「お前のセックス事情とか興味ねえよ!」
恋愛至上主義とは真逆の私は絶句した。

ファンの方々は優しく、時には私が困ったり悩んだ際には的確なアドバイスをいただいたり、励ましてくれたりもした。
それでも投稿内容の一部が私の気分を不快させてしまう。
何度かアカウントの消去、復活を試みては最終的に自身の精神衛生保護の方が優先すべきものだと判断し、意を決してアカウントの復活を遂げることを辞めた。当時はSNS依存症だったので気になりだしたらとにかく読書をしたりアニメを見たりゲームをしたりして無理やり気を紛らわせていた。
現在は全く気にならなくなったので良かった。

③コラボによるマンネリ化


Aの音楽性に惚れてファンになった私だが、直近の曲に対して疑問というか飽きが出てきた。
ファンになりたての頃やそれ以前の曲は心にズドンと響くような衝撃や感動があったが
最近はやたら旬のバンドやアーティストとコラボすることが多くなった。
別に向こうも商売として音楽家をやっているのだから人気バンドとコラボすることは決して間違っていないのだが、個人的には先程も申し上げた通りAは唯一無二の才があるので、Aにしか歌えない、Aにしか魅力を伝えられないところが良かったのである。
しかもコラボするからにはコラボ者との調和が問われるが、どうにもA色が強い印象を受けた。
誰とコラボしても同じような曲調で特段面白みはなく、互いの良さが活かされている感じはしなかった。

『退屈を感じてしまった』

この一言に尽きる。
疑念によって開いた心の小さな穴はだんだんと大きくなり、些細なことで気になったり不満を抱いてしまう。別にそれを責める必要はない。潮時が来ただけなのである。Aやファンには申し訳ないが、
CDやグッズも売ってしまった。でも未練はなく、寧ろ心が軽くなった。

現在、私はAへの推し活を辞めて浮いたお金でタブレットを購入し電子書籍を読んだり、健康維持の為ジムに通っている。様々な本を読んで、海外を巡りたいという意欲も出てきた。
何かを捨てるか捨てないか迷ったら私はさっさと捨てることをおすすめする。だってその迷いそのものがあなたの心を蝕むから。時間ももったいないし、捨ててしまっても意外と未練は残らないことの方が多い。未練が残ってしまったのならまた新しい発見を求めれば良い。そっちの方が断然楽しいから。

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