卒業論文を書く、その前に
混乱を極める昨今の大学事情ですが、卒論が必須の場合、なんとしてでも書かねばなりません。
今回は、先人たちの書物から「卒業論文」をピックアップしたいと思います。
少しでも参考になったら幸いです。
まずは、中島敦の「耽美派の研究」。
東京大学文学部の卒業論文です。
私は、西洋文学についての部分しか読んでいませんが、日本文学についても書かれています。
実に理路整然としていて、舌を巻くほどです。
こんな卒論を書きたかった!
次に、福永武彦の「廃市」。
これは小説ですが、主人公が卒論を書いています。
わざわざ親戚に頼んで、田舎町に籠っての執筆です。
ストイックさに頭が下がります。
ちなみに作者自身の卒論のテーマは、ロートレアモン論だったようです。
最後に、米原万里の「ニコライ・アレクセイヴィチ・ネクラーソフの生涯」。
東京外国語大学の卒業論文です。
中島敦の冷静沈着な文体とは違い、なかなかに筆が踊っています。
こういう卒論もいいのかな、と思います。
大学生活の最後くらい、思いっきり筆を踊らせましょう!
コロナに負けるな、大学生!!
参考文献
中島敦『中島敦全集 3』筑摩書房、2002
中村真一郎・福永武彦『日本文学全集 81』集英社、1973
米原万里『偉くない「私」が一番自由』文春文庫、2016
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