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02組+αの8人のパーティー構成で見た時の各自の役割と動き方について考えてみる

02組+αの無印の冒険を「構成」の面からざっくり深掘りしてみましたが、今回はそれを踏まえて各キャラクターの役割と動き方についてもう少し考えてみましょう。
あくまでざっくりとしたものですが、大体以下のような感じになるのではないかと思います。

  • 本宮大輔→「守りの要」にして暗黒の浄化と「デジタルワールドの救済」を可能とする奇跡の体現者。単独でも十分強いが、特に賢・リナ・ジュンと組むことで真価を発揮。

  • 井ノ上京→空中戦のスペシャリストにして機密情報の番人でもある天才ハッカー。単独で戦うよりも伊織・賢のような守るべき存在と共に戦うことで真価を発揮。

  • 火田伊織→水中戦と地中戦のスペシャリストにして縁の下の力持ち。単独でも戦うよりも大輔や京のような明るく引っ張ってくれる存在がいてこそ真価を発揮。

  • 四ノ宮リナ→アルフォース(守護の風)の体現者であり、メンバーの中では先陣を切る特攻隊長。単独でも十分強いが、守りの要にして奇跡の体現者の大輔と組むことで真価を発揮。

  • 一乗寺賢→優しさと癒しの体現者であり戦術の天才、「闇を抱えし者」に寄り添える貴重な存在。単独でも十分強いが奇跡の体現者である大輔や純粋テイマーの秋山遼と組むことで真価を発揮。

  • 本宮ジュン→最年長にして、メンバー最大の抑止力。喧嘩になると誰も逆らえない最強のオカン。「守りの要」にして奇跡の体現者たる大輔や2TOPの治といることで本来の実力を発揮。

  • 一乗寺治→メンバー1の天才少年であり京・賢と共にハッキングやメンタルサポートを担当。ジュンと共に組織の2TOPを年長者として担い、単独よりジュンや遼といることで真価を発揮。

  • 秋山遼→純粋たる「テイマー」の体現者であり大輔と並ぶ完成された存在。治と共に悪戯を考えてはジュンを怒らせる天才。単独でも十分強いが一乗寺兄弟と本宮姉弟のサポートがあることで真価を発揮。

改めてこのパーティーを俯瞰した時に1つ思ったのが、このパーティーって王道的なようでいて実はかなり特殊というか、後にも先にもこんなパーティーの組み方はないのではないかしら。
それというのも、初期の7人パーティーの時に「先陣=攻撃の要である特攻隊長」がいないんですよね、少なくとも「もう一人のブイモンテイマー」である四ノ宮リナとブイブイが加入するまでは。
これは改めて思ったのですけど、原作02の大輔たちを見ていて思ったのは「機動力と推進力が足りない」ということなんですよ、だって02メンバーって大体一人っ子か末っ子ばかりですから。
で、本来であれば「勇気を継ぐ者」であるはずの高石タケルが八神太一ポジションである「攻撃の要=特攻隊長」を継承してくれないから、そのポジションを「守りの要」である大輔がやってるというおかしなことに。

よく02の話をする時に「大輔が突撃隊長やってる」ことを彼の本質だと評価するファンが多いんですけど、アズマケイさんも掲示板で指摘していたことですがそれがそもそもの間違いなんです
だって大輔ってキャラ造形からいえば八神太一ではなく石田ヤマトや太刀川ミミに近いポジションなんですよ、要するに「正義」ではなく「想い」の紋章の系譜であり、その極致が「奇跡」になっています
原作02やVテイマーの共演を見ていても思うのですが、歴代主人公の中で「先陣」が最も向いているのはアグモンテイマーである八神太一や大門大のような脳筋軍人タイプの司令官ポジションです。
クロスウォーズの共演回を見ればわかりますが、あの中で最初に先陣を切ってヴァンデモン軍団に特攻を仕掛けたのは大兄貴であり、次に大輔がマグナモンで守りに徹して太一とアグモンが究極体に進化します。

あとはそこに啓人と拓也が続き、場が盛り上がってきてそろそろもう一段階盛り上がりが欲しいなあというところで賢とスティングモンらが登場してインペリアルドラモンにジョグレスという完璧な流れです。
ここから見てもわかるように、大輔ってあの中ではどう考えても先陣に向いていません、彼は普段後方に控えていて伊織や賢と共に守りに徹しているからこそいいのだと思います。
だからこそキメラモン戦のマグナモンであったり「ディア逆」で最後の最後に美味しいところを持っていくインペリアルドラモンの大活躍が映えるわけで、守りの要は普段矢面に立たない方がいいんです。
普段02組をぐいぐい引っ張ってくれるのは空中戦の戦術にして天才ハッカーの井ノ上京ですが、彼女も「声かけ」には向いていますが矢面に立って敵陣に先陣を切る役割には向いていません。

実際「ラスエボ」でも「ビギニング」でも02組って大輔・賢・伊織の3人で固まって動いているところに京がやってきてようやく本格的に動き出すという図式が多いのですよね。
タケルとヒカリはやはり02組では「お客様」の感じが強いので無印組の方が相性的にもいいですし、でもぐいぐい引っ張って矢面に立つ役割の子が不足しているというのがあるのです。
上のメンバーでそれに近そうなのが本宮ジュンと秋山遼ですが、ジュンはあくまでも「みんなのオカン・お姉さん」にして「空白の席」なので大輔同様に滅多に表舞台に立ちません
秋山遼はその点確かに特攻隊長が務まりそうではありますが、彼の場合はどちらかといえば「自由人」の気質が強いので組織の中で矢面に立って耐える力がないのです。

そういう意味では四ノ宮リナとブイブイの存在はとても大きくて、彼女がブイドラモンの系譜に割り当てられたことは伊達ではないなあと思います。

以前の考察でも述べましたが、ブイドラモンっていわゆる古代種版グレイモンの側面が強く、能力的にもビジュアル的にもどこか相通ずるものはあるんですよね。
グレイモンになると図体がデカくなってとんでもないパワーを得て、メタルグレイモンになると飛行能力と同時にバトルのために体を武器と防具に変えて強力なパワーを得て、ウォーグレイモンになることで人型になり鎧と高度な知性を得ます。
ブイドラモンも実はグレイモンと似た進化過程を辿っており、エアロブイドラモンで更に強力なパワーと飛行能力を得て強くなり、アルフォースブイドラモンで人型になり鎧と高度な知性を得ることで完成を迎えるというものです。
だから八神タイチがアニメの八神太一と並行同位体である意味というのもここからわかるように、グレイモン系列とブイドラモン系列の進化過程と得る能力が似ているというのがあるからではないでしょうか。

四ノ宮リナの場合は同じ「デコード能力」かつその並行同位体が男性主人公のタイガだったわけで、正にその意味でも「女版八神タイチ」なのですが、致命的だったのは側に「奇跡の体現者」がいないことなんです。
つまり「Vテイマー」でいうところの彩羽レイポジションがいないために彼女自身が一人で暴走してしまうことになるんですよね、「デコード」「サイスル」「ネクオダ」のいずれにもその「奇跡の体現者」がいません
だからこそその「奇跡の体現者」である本宮大輔とブイモンが側にいないと彼女自身の持つ「デコード」もアルフォースも強大すぎて安定しないために迷走と空回りを繰り返してしまうことになるのでしょう。
「サイバースルゥース」でバルバモンに蹴りを入れた時に驚きましたが、彼女はある意味ではそういう八神タイチとゼロマルが持っていた「特攻隊長」のような馬力も持ち合わせた存在なのだと改めて思いました。

海外のファンですが、Zero Slash One(別名Xadhoom-Xado)さんはリナとブイブイが出てきた時に「Davis's ideal girl(大輔の理想の少女)」と評していましたが、考察すればするほど本当にピッタリなんですよね。
リナがブイブイと共に「攻め」をやってくれるからこそ「守り」の大輔とブイモンが引き立つわけだし、逆に大輔とブイモンが後ろの「守り」に徹してくれるからこそ安心してリナは攻撃に専念できるんじゃないかと。
このパーティーの場合でもやはり中心は奇跡の体現者である大輔とブイモンが中心になるのですが、サッカーでいうなら大輔とブイモンはミッドフィルダー(ボランチ)であって得点を取っていくエースストライカーじゃないんですよ。
個人的にですが、サッカーでいうと8人のポジションは以下の通りです。

  • ゴールキーパー→火田伊織

  • ディフェンダー→本宮ジュン・一乗寺治

  • ミッドフィルダー(ボランチ)→本宮大輔・秋山遼・井ノ上京

  • フォワード(FW)→四ノ宮リナ・一乗寺賢

こんな感じでしょうか。リナが純粋にガンガン得点取るタイプなら賢はややテクニカルにポストプレイが出来るという違いがあり、京が攻撃的ミッドフィルダーで大輔が守備的ミッドフィルダー、正にボランチで遼はどっちも可能。
んで後ろのディフェンダーポジションがジュン姉ちゃんと治兄さんら年上組であり、ゴールキーパーが最年少の伊織という陣形になるわけで、この陣形でうまくいきます。
あーそうか、そう考えるとなぜ大輔のパートナーに賢とリナがそれぞれ必要なのかというと、形は違えどこの2人は大輔とブイモンに不足している「攻撃力=得点力」を補える存在だからか
八神タイチとゼロマルもリナや賢と同じポジションに来るでしょうから、大輔とブイモンはやはり単独で戦うよりも彼の本質を理解した上で「攻め」に特化した人と組むと相性抜群ですね。

特にヴァンデモン戦→ダークマスターズ戦では攻撃力が必要になってきますし、特に暗黒側のデーモン・バルバモン辺りになるとそういう暗黒に飲まれやすい賢だけでは力が半減してしまいます。
思えば原作02のデーモン戦で大輔たちが倒せなかったのはアルフォースブイドラモンテイマーのリナが居なかったのが大きいですが、もう1つは改心中の賢が暗黒に飲まれやすいためにインペリアルドラモンが本領発揮できなかったのも大きな要因でしょう。
最終回でようやく「ギガデス」が使えるようになったのも賢が贖罪と改心を終えてようやく大輔と対等のラインに立てるようになったことでインペリアルドラモンも真の皇帝として完成を迎えたと考えると納得です。
インペリアルドラモンが決して弱かったのではなくて、原作02の後半だと既に完成していた大輔に対して賢が改心中でテイマーとしての器が完成していなかったがために本来の実力を発揮しきれなかったのではないでしょうか。

そしてリナとブイブイにとってもデコード能力とアルフォースを真に開眼させるためには大輔とブイモンという「奇跡の体現者」が必要であり、だから暗黒の決戦ではこの3人が最大戦力となってくるわけです。
遼はどちらかといえば並行世界を渡り歩く番人ですからミレニアモン関連と一乗寺兄弟関連で必要なだけですし、ジュン姉ちゃんは空白の席として本当にどうにもならない時にのみ動く形となります。

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