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映画感想・批評

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見た映画の感想・レビュー記事です。
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映画『大魔神』(1966)レビュー〜「特撮だからできること」と「CGだからできること」…

映画『大魔神』がYouTubeで期間限定の本編配信とのことだったので「これは見ておかねば!」と…

表層批評≒テマティック批評とはただの手段であり、そこに本質はないしもはや「古い」…

年間読書人さんと滅茶苦茶口喧嘩した後というのもあるのだが、そもそもこの人はどういうスタン…

映画『ゴジラ-1.0』(2023)感想〜色んな層の顔を伺いながら綺麗に要求をまとめきった…

明けましておめでとう!今年もよろしく! 元旦から早速いい気分でほろ酔いしながら書いている…

【ネタバレあり】映画『首』感想〜及第点以上だが、まだまだ化ける可能性を秘めている…

北野武監督の最新作『首』を二回見て来て、ある程度評価が固まって来たので感想・批評をば。 …

『その男、凶暴につき』(1989)感想〜刑事ドラマの理屈・建前を全て取っ払った純粋か…

さて、そろそろ北野武監督の最新作『首』が公開になるので満を持してというわけでもないのだが…

『ファンタスティック・プラネット』(1973)簡易感想〜和平交渉とは名ばかりの保身に…

『ファンタスティック・プラネット』(1973)を見たので感想・批評をば。 評価:A(名作)100…

『みんな〜やってるか!』(1994)感想〜着想もカット割も落語の独特さがあって面白いが、「オチ」が弱い〜

ビートたけしの『みんな〜やってるか!』(1994)を視聴したので感想・批評をば。 評価:C(佳作)100点中65点 概論本作はいわゆる「北野武」としてではなく、「ビートたけし」として初めて撮ったという意味で、後にも先にも例がないB級映画のたけし流パロディとしてのニュアンスが強い作品ではなかろうか。 「ソナチネ」までの作品が「語らない」「歩く」「暴力」といった既存の映画でも散々使われてきた題材を如何に独創的に崩して北野イズムに染め上げるか?という挑戦の要素が強かった。 対し

映画『キッズ・リターン』(1996)感想〜映像美・構成の美・運動の美の三拍子が揃った…

北野武の映画『キッズ・リターン』を久々に見直したので感想・批評をば。 評価:S(傑作)100…

『映画を早送りで観る人たち』感想〜そもそもタイパ・コスパという概念自体が本当に存…

Z世代がやたらと世間から表立って批判されるようになって久しいが、その中の1つに「いまの若い…

素質は十分にあると思うし目の付け所も凄いが、東大向きではないと思った受験生版Tige…

非常に面白いと思う反面、とても勿体ないなあと思ったこの回の受験生版Tiger Fundingだが、あ…

映画『チート』(1915)感想〜文芸として見るとクソだが、映像美と「チート」の本来の…

映画『チート』(1915)を見たので感想・批評をば。 評価:A(名作)100点中80点 文芸的には…

『崩壊を加速させよ 「社会」が沈んで「世界」が浮上する』感想〜宮台真司の提唱する…

やっぱり宮台真司の批評は自分に合わないと思ったわけだが、結局この人も宇野常寛と余計に変わ…

映画評論家・淀川長治、その人となり〜孤独ながらも誰より映画を愛し映画に愛された時…

偶然図書館で淀川長治についての雑誌があったので読んでみたけど、本当にこの人は知れば知るほ…

『殺し屋ネルソン』(1957)感想〜真の名作は「共感」ではなく「驚き」をどれだけ与えられるか?〜

『殺し屋ネルソン』(1957)を何とか親友Fの伝手を借りて見たので感想・批評をば。 先に言っておくと、こんな凄まじい作品が1950年代にあって、しかも映画業界の中で歴史的に殆ど無価値のものと見做されていたのが不思議に思われた。 ただ、いわゆる世間一般でいうところの「感動作」ではないし、また単純な「ピカレスクロマン」と断じる事も出来ない凄まじい迫力が画面に漲っている。 特にラスト5分のあの締め付けられるような、それでいて画面を注視せずにいられない耐え難い何かが存在しており、今ま