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母である私にとっての、母の日

母の日。
実母にプレゼントを渡し。
恋人のお母さんへのプレゼントを恋人に託し。

「娘である私」の役割は早々に終えた。

今日は普通の日曜日。
朝から洗濯をして掃除をしてごはんを作る。

私の、いつもの、日曜日。

いつの頃からか。
「期待しない」生き方が身に付いた。

誕生日でも、クリスマスでも、母の日でも。
プレゼントがなくても寂しくない。

それはそれで、アリか。
と、思えるようになった。

寂しい自分を救ってるわけでもない。
もちろん、強がりでもない。

言葉にすると冷たく聞こえてしまうかもしれないが…。

他者への期待は、自分を苦しめるだけなのだ。

そう思えるようになってから、ものすごく生きるのがラクになった。

なんなら母の日は「自分が母親であること」に感謝をする日だとも、思っている。

だから、家族のために家を整えることができる今日は、素晴らしい母の日だ。とも思うことができる。

そんな日曜日。

出掛けていた息子家族が帰宅して、あーちゃんが包みを差し出してくれた。
「さくらさん、いつも、本当にありがとう!!!」

期待していないから、もともとがゼロ点。

だから何をしてもらっても、プラスにしか、ならない。
やっぱり期待しないって、良いなあ。

あーちゃんは、いつもいつも「ありがとう」と言ってくれるが、やっぱり今日は特別だ。
素直に嬉しい。

その包みを見た次女が「それ、なあに?」と聞いてくる。
「あーちゃんから、母の日のプレゼントだって~。」

はっとした様子の次女。
自分の部屋に駆け込み、すぐに戻ってきた。
「ママ、いつもありがとう!」
この前、一生懸命選んでいた綺麗なボールペン。
「母の日に渡そうと思ってたけど、今日が母の日って忘れてた!!」

かわいいなぁ。笑
ありがとうよう。

気持ち良くビールを飲みながら、おしゃべりに興じつつ、皆で食卓を囲む。

この場にいない長女のことを、ふと考えるが、母の日にこっちからラインするのも…。
気をつかわせちゃうかもだら、連絡するのは、明日にしようか。
と思っていると。

ラインの通知音が鳴る。

長女からのラインだった。


お母さんへ。
ほんとは手紙送ろうと思ったけど、便箋も切手もないから、ラインでごめんね。笑
一人暮らしを始めて、改めてお母さんってすごいなと思いました。
一人で住んでると、料理しないと生野菜しか食べれないし、洗濯しないと服くさいし、掃除しないと部屋汚くなるし。
当たり前なんだけど。笑

でも、こんなに大変なことを毎日1人でみんなの分やってたなんて本当にすごいなと思ったし、もっと手伝えばよかったと今更思ってるよ。

早くたくさんバイトして、仕送り減らせるように頑張る。
しんどくなったら家帰るから一緒にご飯食べようね!
たまには遊びにきてね。

今までもこれからもたくさん迷惑かけるけど、ごめんね。
いつもありがとう!!

大好き!!!!


携帯を抱えながら突然泣き崩れる私を、心配する、あーちゃん。
「どうしたの?大丈夫??」

「いや…。長女から母の日ラインが届いて…。感涙…。」
泣き続ける私を見て、ニコニコと微笑む、あーちゃん。

ああ。
胸がぎゅっとした。

愛してる。
愛されている。

他人に期待しないとか、なんとか。
ラクに生きられるとか、なんとか。

そんな冷静ぶってても。

子どもからの愛には、かなわない。


私「私も、あなたのこと大好きだよ!お母さんやってきて良かったなぁ。幸せ!!!!!いつでも帰っておいでよ。いつでも子どもたちが帰れる家を整えるのが私のしたいことだからね!」
娘「もう帰りたい…。」
私「どうしたの?大変??」
娘「五月病なのかわからないけど、メンタルがお豆腐…。」
私「お豆腐メンタルな自分も、愛してあげてね。あなたのことは、私が、いつでも、いつまでも愛してるからね。それを忘れないでね。」
娘「ありがとうー。泣」
私「バイトはぼちぼちでいいよ。無理しないで。お金より、あなたのメンタルのほうが大切!無理しないで大丈夫だからね。」
娘「ありがとう!ラインして良かった!また頑張るよー」
私「うんうん。私もラインもらって嬉しかった!私も明日から頑張るよー」
娘「お互いに頑張ろうね!」
私「うん!でも、無理しないでね。次に会ったら、ぎゅうぎゅうハグするからね。」
娘「よろしくお願いします!今日は早めに寝ることにする!」
私「うんうん。睡眠は大切。身体も心もしっかりやすんでね。」

それで。

それぞれに。
おやすみなさいのスタンプと、ハートのスタンプを送りあった。


ああ。

良い、母の日だった。
お母さんになれて、私は幸せだ。

こんなに大切な存在を授かることができた私は、本当に幸運で強運だ。

母の日は、やっぱり。
お母さんになれたことに感謝をする日。