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読んだ本 2024年3月


「東京クラシック地図」


テミンの武道館コンサートのとき、神保町をうろうろしてたまたま入った喫茶店が「ミロンガ ヌォーバ」。お店の奥の大きなスピーカーからアルゼンチンタンゴの艶やかな音が流れてくる。
以前、学芸大学にある平均律によく足を運んでいた時期があったので、そのことを思い出し、懐かしくなった。コーヒーと音楽の相性はなぜこんなにも良いのだろうか。

数日後、図書館を訪れた時に見つけたのは「東京クラシック地図」。”名曲喫茶”がたくさん紹介されていて思わず手にとった。正直にいうと、私にはクラシックを語る言葉も耳も持ち合わせていないけれど、名曲喫茶を楽しむ才能はありそうだ、と思いながら読む。他にもコンサートホールやレコード店の紹介、そして途中に挟まれたコラムやインタビューがどれも興味深く、クラシック音楽を愛してとことん語りたいという気持ちが随所に感じられる本。

「アメリカ・インディアンの神話 ナバホの創世物語」


仕事絡みで読んだ。拾い読みしながらだったのでしっかり読み込めてはいないが、人間の性的な欲望を隠さずに描いているところに驚く。そして、創世のとき、東から白、南から青、西で黄色、北から黒が生まれたという部分に始まり、「青いビーズ山」、「白い貝の女」といった色彩を感じさせる表現が多く、印象に残る。物語が進みながら第2、第3の世界へと移っていく、その移り変わりが具体的に何を表しているのかもう少し勉強したい。

「不易と流行の間 ファッションが示す時代精神の読み方」


ファッションショーに絡む記事を書くことがあったので、ファッションの勉強もしようと思い、読んでみた。NeedsをWantsが超えている世界。その世界の状況をファッションは反映している。ただおしゃれかどうか、ということだけではなくて、そのおしゃれさに思想がなければ長く続いていかない。その上で人々が欲するものを先に先にと生み出していく。デザイナーのすごさをあらためて知る。

「チョコレートで読み解く世界史」

歴史はあるひとつの切り口から見てみるとより理解しやすくなると思う。それがチョコレートという美味しいものを切り口にするとなおさら。

小さい頃、母が作ってくれた美味しさが忘れられずバンホーテンのココアを買って飲んでいるのだが、この本にも登場している。初めてココアパウダーを作り、巧みなマーケティングで売上を伸ばしたこと、そして機械生産を始めた会社であることなど、これまで知らなかった事実を知り、嬉しくなる。チョコレートが市民の手に届くようになるまでにどんな時代の変化があったのか。

思わず日々高値を更新しているというカカオの先物取引市場まで調べてしまった。高値になっている理由は不作なのだが、その不作の原因は天候だけでは無い。現代の様々な時代背景が要因で引き起こされている。カカオが昔も今も歴史を読み解く重要なキーであることを実感した。

4月もいろいろな本を読んでいこう。

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