浅井京助

心理屋。催眠に関する情報を発信して23年。

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  • 心理学ガール

    心理学についての対話。

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これからやりたいこと

こんばんは。お疲れ様です。 最近は、催眠について、Xでつぶやいて情報発信をしてきました。 Xでの発信は気軽である一方、まとまった情報を発信するには向いてないなと感じています。 noteでは、Xとは違った方法で、催眠に関する情報を発信していきたいと思います。 よろしくお願いします。

    • 心理学ガール #13

      形態よりも機能 僕は心理学部の大学4年生。ここは学生会館2階のいつもの席。今日も僕はハルちゃんと催眠について話をしている。 僕「こんにちは、ハルちゃん。今日は、催眠に関する興味深い記録があったから、その内容について話をしよう。松原慎先生の『心身医学的治療:催眠療法・自律訓練法・認知行動療法一機能性消化管疾患の心身医学的治療の臨床使用とその課題一』というもので、印刷したものを渡すね」 ハル「ありがとうございます!」 僕「内容を簡単に説明すると、過敏性腸症候群(IBS)治療

      • 心理学ガール #12

        何が大事か 僕は心理学部の大学4年生。ここは図書館前のベンチ。今日も僕はハルちゃんと催眠について話をしている。 僕「以前、ハルちゃんは、催眠は『催眠誘導で催眠状態にして暗示をするとその通り行動してしまうこと』という話をしてくれたよね。過去の催眠研究では、催眠状態が原因として特異な暗示に反応するという考えに対抗した研究があるから、今日はそれを紹介しようと思います」 ハル「気になりますね。よろしくお願いします」 僕「その研究は、バーバーという学者によるもので、現在は入手困難

        • 心理学ガール #11

          十分と必要 僕は心理学部の大学4年生。ここはゼミ棟の空き教室。今日も僕はハルちゃんと催眠について話をしている。 ハル「先輩。以前、心理学的にいえば現時点で催眠状態は存在しないという話をしましたけど、催眠をやっている人の集まりでは、催眠状態やトランス状態は楽しいものだと、みんなが言っていました。“ない”はずのものを楽しんでいるってどういうことなんですか?」 僕「心理学的な催眠状態は、催眠という現象の前提又は原因となるものとしての構成概念だという話をしたね。そして、その意味で

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          13本

        記事

          心理学ガール #10

          冷たく静かに 僕は心理学部の大学4年生。ここは大学会館2階のいつもの席。今日も僕はハルちゃんと催眠について話をしている。 ハル「わたし、催眠の集まりとかに遊びに行ったりしたから、催眠に詳しい人たちと仲良くなったんです。その人たちの説明だと、やっぱり催眠は、無意識とか潜在意識に直接働き掛ける方法で、そのためには催眠状態や変性意識状態が必要なものだということなんです。心理学的には無意識や催眠状態は”ない”ってことなんですよね」 僕「そうだね。もう少し言えば、あるかないか判断す

          心理学ガール #10

          心理学ガール #09

          見えないものを見ようとして 僕は心理学部の大学4年生。ここは大学会館2階のいつもの席。僕はハルちゃんとジュースを飲みながら話している。 僕「構成機念には、傾性概念と理論的構成概念があって、行動パターンを説明するためには理論的構成概念でなくてはならないって話だったね。続きとして、渡邊芳之先生の『心理学的測定と構成概念』について話をしていこう。こっちの論文も読んだかな?」 ハル「読みました……こっちもちょっと難しかったです」 僕「簡単ではないかもしれないね。大事なことが書か

          心理学ガール #09

          心理学ガール #08

          ないものをあるように感じる 僕は心理学部の大学4年生。ここは大学会館2階のいつもの席。僕を見つけたハルちゃんは、こちらに歩いてきた。 僕「前回は構成機念について話をしたね。心理学は、目に見えないものを研究対象にするために、現象に名前を付けるんだけど、その名前のことを構成念といっている。例えば、知識があって、計算が早いなどの複数の行動パターンから「知能」という構成概念を作るというような話をした」 ハル「はい。講義みたいな内容でした」 僕「少し専門的な話になってきたね。そこ

          心理学ガール #08

          心理学ガール #07

          カテゴリーエラー 僕は心理学部の大学4年生。ここは大学会館地下にあるイートインコーナー。僕とハルちゃんはうまい棒を食べながら話をしている。 ハル「先輩。前回は、催眠や催眠状態は概念だって話で終わりましたけど」 僕「そうだったね。心理学は心の科学とも言われるけど、”心”も概念とも言えるからね。」 ハル「概念って言葉がいまいちわかりません」 僕「概念ってのは、一つ一つの現象の共通点をまとめて名前を付けたって感じかな。概念って言葉は、哲学とかでも使われるから、我々心理学徒は

          心理学ガール #07

          心理学ガール #06

          間違いたくはない 僕は心理学部の大学4年生。ここは大学最寄りの駅前。コーヒー店のシートに向かって座りながらハルちゃんと話をしている。 僕「さて、話の続きだけど、催眠には、”催眠誘導”、”催眠状態”、”暗示”と”意思と関係ない行動”という要素がある。そして、暗示とは『”意思と関係ない行動”が起きることを予測・予言する内容を催眠に掛かる人に対して伝えること』だったよね」 ハル「はい」 僕「次は、催眠状態について話していこうか。ハルちゃんは、催眠状態をどう考えてる?」 ハル

          心理学ガール #06

          心理学ガール #05

          あれとあれ以外のもの 僕は心理学部の大学4年生。ここは大学前のバス停。ベンチに座ってバスを待ちながらハルちゃんと話をしている。 僕「その後、催眠の勉強は進んだ?」 ハル「そうですね。心理学としての催眠ってどうなんだろうと思って、大学の図書館で専門書を探してみたんですけど、古い本が多いし、そしてちょっと難しいです」 僕「確かに、日本で催眠の研究が盛んだったのは、少し前のことかもしれない。今日は催眠の定義の話をしようか。ハルちゃんは、催眠をどう定義してる?」 ハル「改めて

          心理学ガール #05

          心理学ガール #04

          アレはなんの味? 僕は心理学部の大学4年生。図書館前でハルちゃんと遭遇したしたから、学生会館2階のいつもの場所に移動して話をしている。 僕「こんにちは。お久しぶりだね。元気でした? ハル「はい! とっても元気です! この前から先輩と催眠の話をしていて、催眠への興味が増してきたので、催眠に興味のある人の集まりに参加して色々と情報収集をしてきました!」 僕「おお、テンション高めだね。その集まりがどんなだったか教えてよ。」 ハル「はい。SNSで募集をしているのを見て参加した

          心理学ガール #04

          心理学ガール #03

          すれ違う言葉の意味 僕は心理学部の大学4年生。ここは大学のゼミナール棟2階の談話コーナー。久しぶりにハルちゃんと会えたから、この前の話の続きをしている。 ハル「先輩、前回の話の続きですけど……わたしが例として出した、意識ではダイエットしなくちゃって思っていても、無意識ではダイエットが必要ないって思っているから、ダイエットが上手くいかないっていう説明は、ダイエットの難しさを上手く説明できてると思うんですけど、それだけじゃダメなんですか?」 僕「確かに、ダイエットを成功させる

          心理学ガール #03

          心理学ガール #02

          それはあれだ! 無意識のせい 僕は心理学部の大学4年生。ここは大学の中庭。芝生が広がっていてとても心地よい場所。 僕「じゃあ、初めに現時点でハルちゃんが理解している催眠を教えてもらえるかな?」 ハル「はい。えーっと。催眠は、人の無意識に直接アクセスできる方法なんです。そのためには、催眠誘導っていう方法で人を催眠状態にするんです。催眠状態になった人は、催眠術師の……あっ、催眠術って使わないんだった」 僕「うん。催眠をする人のことは”催眠者”と言おうか。そして、催眠をされる

          心理学ガール #02

          心理学ガール #01

          催眠術 or 催眠? 僕は心理学部の大学4年生。大学会館2階のいつもの席で僕が一休みしていると、後輩のハルちゃんがやってきた。 ハル「先輩、先輩。わたし、凄いんです」 僕「えっ、それは凄い!」 ハル「ちょっと、わたし、まだ何も言ってませんけど」 僕「聞かなくてもわかるよ。それは凄い!」 ハル「ちょっと、まじめに聞いてください!」 僕「ごめんごめん。何が凄いのかな?」 ハル「えへん。なんと、わたし、催眠術ができるようになりました!」 僕「催眠術? テレビとかで時

          心理学ガール #01