玉置標本:私的標本

コラム、アウトドア記事、イタリアや台湾の旅日記などを書きます。関東を中心とした船釣りレ…

玉置標本:私的標本

コラム、アウトドア記事、イタリアや台湾の旅日記などを書きます。関東を中心とした船釣りレポート『ゆるゆる釣り部』もここにやってきました。一応ライターです。

マガジン

  • 身近な自然と楽しむ100のアウトドアチャレンジ

    ちょっとした好奇心さえあれば誰でも挑戦できるような「身近な自然と楽しむ100のアウトドアチャレンジ」を、自分の体験からまとめてみます。

  • 出張ビジホ料理録

    同人誌「出張ビジホ料理録」の一部を公開しました。同人誌版は全8話で、それぞれに素敵なイラストがつきます。

  • 伊勢うどんってなんだろう?

    伊勢うどん屋さんのインタビューや考察です。 同人誌「伊勢うどんってなんですか?」補完計画。

  • 伊勢観光の写真集

    2022年6月に伊勢市クリエイターズワーケーションで訪れた、伊勢観光の写真集です。伊勢うどんについてはこちらの記事をどうぞ。 https://suumo.jp/town/entry/ise-tamaoki/ また同人誌「伊勢うどんってなんですか?」が発売中です。 https://www.seimen.club/entry/iseudon

  • 昭和の「家電製麺機」を愛でる会/趣味の製麺

    「趣味の製麵」オンライン版の新作、『昭和の「家電製麺機」を愛でる会』です。

最近の記事

15:ノビルを干して保存してみる

先日、佐渡島で山菜採りに連れていってくれた方から興味深い話を聞いた。昔はその辺で抜いたノビルやアサツキなど干しておき、冬の間に食べたのだそうだ。 そのときは立ち話程度だったので詳しいことは聞かなかったのだが、おそらく雪に覆われてしまう前に収穫して、葉っぱの部分を軒下などに縛っておいたのだろう。 よくタマネギやニンニクでやる保存方法だが、それをノビルやアサツキといった野草でやるという発想はなかった。 これは秋から冬にかけての話なのでかなり時期が違うのだが、ノビルで忘れる前

    • 出張ビジホ料理録 第3話 ビジホで開催された日本一小さな芋煮会/山形県山形市

      出張しないと体験できないもの、それは方言 九月某日。今度の出張は山形県山形市。いつもと同じく一泊二日。 一九九二年に開通した山形新幹線のおかげで、東京駅から山形駅までは乗り換えなし。東京発十時ちょうどの新幹線つばさに乗れば、十二時四十四分には山形駅だ。移動中に食べ慣れたコンビニのおにぎりで朝食兼昼食をすまし、今日の資料を再確認しようとしたのだが、郡山駅を過ぎたくらいでついウトウト。気が付けばもう到着の時間である。危うく新庄駅まで寝過ごすところだった。 山形駅まで迎えに来て

      • 出張ビジホ料理録 第2話 スーパーで麺とタレを買って作る伊勢うどん/三重県伊勢市

        お参りをする暇もない伊勢出張 七月某日。今度の出張先は、あの有名な伊勢神宮のある三重県伊勢市。 まったく信心深くない性格の福田なので「お伊勢参り」という数百年の歴史がある観光にまるで興味はなかったが、機会があって伊勢まで行くとなれば話は別である。 これも仕事の一環だと、業務時間中に会社のパソコンでお伊勢参りについて調べてみると、伊勢神宮には外宮と内宮があり、日本一の神様である天照大御神をお祀りしているのが内宮で、外宮には天照大御神のお食事を司る豊受大神宮があるらしい。この

        • 出張ビジホ料理録 第1話 魚屋が教えるホヤを好きになるフルコース/宮城県女川町

          第1話 : 魚屋が教えるホヤを好きになるフルコース/宮城県女川町復興した女川で豪華なウニ丼を作るのだ 六月某日、上司である城止(しろどめ)課長の業務命令によって、宮城県牡鹿郡女川町への出張が決定した。 「ごめん、ちょっといいかな。宮城県の女川っていうところに軽くサポートで行ってくれる? 日帰りでも余裕で行けると思うけど、特別に一泊していいから。せっかくだからおいしいものでも食べてきなよ。もちろん自腹でだけど。現場の人は会社のお金で旅行ができて羨ましいな~」 出張の当日は

        15:ノビルを干して保存してみる

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          15本
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          3本
        • 伊勢うどんってなんだろう?
          4本
        • 伊勢観光の写真集
          12本
        • 昭和の「家電製麺機」を愛でる会/趣味の製麺
          5本
          ¥300
        • 芸能一座と行くイタリア25泊29日の旅日記
          32本
          ¥2,000

        記事

          これまでに作ったり調べた麺類(ラーメン等)のまとめ

          これまでに書いた麺類全般の記事をまとめてみました。 麺作りだけに『きじが命』ですね。 ※noteに書いたものじゃなくてすみません。 オリジナルラーメンを作るラーメン二郎を「豚の肉と骨」じゃなくて「牛の肉と骨」で作ってみました。 ちょっとマイナーな印象のあるカレーラーメンの方向性をみんなで探ってみました。 インスタントラーメンでも、スープのダシを変えると季節のラーメンが作れます。 市販のラーメン用生麺を蒸すことで、おいしい焼きそばを作ります。 家庭用製麺機やパスタマシ

          これまでに作ったり調べた麺類(ラーメン等)のまとめ

          14:カラシナからマスタードシードを収穫して粒マスタードを作ってみる

          この連載でよく登場するカラシナだが(一番身近に生えているから)、その使い道のボスキャラといえば、「種」を使った粒マスタード作りである。カラシナというくらいなので、その種はカラシの原料となるのだ。 ただし在来種である和辛子のカラシナと、川原に生えている外来種(?)のカラシナは種類が少し違うらしい。交雑していて訳が分からないという話も。まあ選びようがないので、近所に生えているのを食べる訳だが。詳しいことは詳しい人に聞いてください。 カラシナは木々が新緑で輝く6月上旬になると枯

          14:カラシナからマスタードシードを収穫して粒マスタードを作ってみる

          13:カラシナの莢(さや)を食べてみる

          ハマダイコンという野草(なのだろうか)は、花が咲いた後にできる若い莢(さや)が、とてもハマダイコンの味が濃くておいしい。 ちなみにハマダイコンの莢はこれです。まだ細いのが食べ頃。 だが我が家の周りにはハマダイコンが見当たらず、なぜかカラシナばかり。 見た目は食べ頃のハマダイコンの莢に似ているけれど、明らかに硬そう。 せっかくなので生で齧ってみたところ、筋がしっかりと硬い。味はカラシナらしい辛みと苦味があって好みだが、生で食べるものではないな。そりゃそうだ。 とりあえ

          13:カラシナの莢(さや)を食べてみる

          12:茶摘みをして紅茶(風)を作ってみる

          数年前、緑茶を作った数日後にまた茶摘みをさせてもらえる機会があったので、今度は紅茶を作ってみました。正しい紅茶の概念がよくわかっていないので、紅茶風という感じでしょうか。紅茶インスパイア系。 緑茶作りには成功しているので、摘むのにも気合が入ります。 帰宅後、洗ってから室内で新聞紙に広げて、半乾燥くらいになるのを待つのですが、うっかり二日放置してしまい、干しすぎた。 とりあえずやってみます。 紅茶は半乾きの茶葉を揉みまくって汁を出し、それを発酵させてつくるそうです。という

          12:茶摘みをして紅茶(風)を作ってみる

          11:茶摘みをして緑茶を作ってみる

          夏も近づく八十二銀行。いや八十八夜でしたね。立春から数えて88日目を「八十八夜」といい、2024年は5月1日だったそうです。ということで、垣根として植えられているチャノキ(茶の木)の新芽を摘ませてもらって、緑茶を作ってみてはどうでしょう。 埼玉や神奈川あたりのちょっと田舎だと、お茶農家でなくても、手間があまりかからないチャノキを、土地の境界線などに垣根としてよく植えるそうです。ツバキやツツジみたいに。 それを昔は家庭用のお茶として利用していたようですが、今はまったく利用し

          11:茶摘みをして緑茶を作ってみる

          伊勢うどんの成り立ちと歴史を考えてみた

          伊勢うどんの歴史や発祥には諸説あり、そこがおもしろいところ。同人誌「伊勢うどんってなんですか?」を執筆するにあたって、うどん屋や製麺所、あるいは一般の方に伝わっている「俗説(言い伝え)」と、近代日本史が専門である皇學館大学の谷戸佑紀准教授が調査した「史実(文献などで確認できる歴史)」を、それぞれインタビュー形式で掲載したが、ここで改めて「私なりに伊勢うどんの歴史に関する見解」を考えてみたいと思う。もちろん数多ある説の一つとして。 俗説と史実まず俗説だが、古くは江戸時代初期頃

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          伊勢うどんの成り立ちと歴史を考えてみた

          伊勢うどんの追加取材①:喜八屋の仲林良子さんに聞く、大正時代から継ぎ足されている驚きのタレ

          伊勢市駅の少し東側を南北に走る県道201号線、通称「八間通(八間道路)」をしばらく北に向かい、喜八屋という伊勢うどん屋さんを訪ねた。 伊勢うどん大使の石原さんによると、この店こそが伊勢市内に現存する伊勢うどん屋の中で、一番古い店なのだとか。 祖父、父、そして母から、この店と秘伝のたれを引き継いだ、店主の仲林良子さんに話を伺った。 喜八屋の歴史 ーーこの店が伊勢で一番古いうどん屋だと伺いましたが、創業はいつですか。 「大正十なん年だとは思うけど、はっきりとはわからない

          伊勢うどんの追加取材①:喜八屋の仲林良子さんに聞く、大正時代から継ぎ足されている驚きのタレ

          伊勢うどんの追加取材②:起矢食堂の中村俊雄さんに聞く、古市街道沿いにおける時代の変化

          内宮と外宮を結ぶ主な道路は、最短距離の御木本道路(1946年に真珠王の御木本幸吉が資金を提供し着工された)、伊勢総合病院の脇を走る御幸道路/御成街道(明治天皇が初めて神宮へ行幸するのをきっかけに1910年完成)、そして一番の歴史を誇る伊勢街道(特にこの辺りを古市街道と呼ぶ)の三本。 今回訪れたのは、江戸時代には遊郭や旅館が立ち並んだという伊勢街道沿いにある起矢食堂だ。 起矢食堂の歴史と味のルーツ ーーこの店はいつ頃からですか。 「今から46年前(1978年)かな。私は

          伊勢うどんの追加取材②:起矢食堂の中村俊雄さんに聞く、古市街道沿いにおける時代の変化

          「冷凍さぬきうどんを長く茹でると伊勢うどんになるのか」という実験

          エリックサウスの料理長であるイナダシュンスケ(稲田俊輔)さんが、「冷凍さぬきうどんを18分茹でる」と伊勢うどんっぽいとツイートされていたので、試してみることにした。判定してねと指名されたので。 なんでこういう話になったかというと、以前イナダさんにお会いしたときに、「伊勢うどんってなんですか?」という私が書いた同人誌をお渡しさせていただいたからです。ちゃんと読んでいただいて大変ありがたい。 冷凍讃岐うどんを長めに茹でてみるということで、試してみます。 使ったのは近所のスー

          「冷凍さぬきうどんを長く茹でると伊勢うどんになるのか」という実験

          10:クルミを拾ってみる

          ちょっと季節外れの話になるが、九月後半くらいになるとクルミがよく落ちている。もし拾っても怒られない場所で見かけたら(植物園や公園はルールがいろいろあるので各自確認)、持ち帰ってみるといいかもしれない。 「落ちているクルミ」といえば、多くの人はゴツゴツした硬くて丸っこい脳味噌みたいな形をイメージすると思うが(私もかつてはそうでした)、木から落ちたてのクルミの実というのは、意外なことに緑色で丸い。知らなければ、これがクルミだとはわからないだろう。 硬くて丸いあのクルミは、梅干

          10:クルミを拾ってみる

          09:アミガサタケを探してみる

          桜の開花情報を聞く頃になると、毎年アミガサタケが気になってくる。 アミガサタケはとても独特の形をしたキノコで(キノコは全部が独特だが)、関東では三月から四月頃に生えてくる。ヨーロッパではモリーユ(モレル)と呼ばれる人気の食用キノコだ。 私がはじめてその存在を知って探したのは2015年。その頃はどういう場所に生えているかをまったくわかっておらず、そこに生えていたという情報が検索で引っかかった土地勘のないエリアを、ただただ下を見ながらやみくもに歩き回った。 三時間以上歩いて

          09:アミガサタケを探してみる

          08:ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)を捕って食べてみる

          今回は「気軽に試してみてね!」というタイプの話ではなく、なにかと話題の外来種、ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)を食べた経験談。 数年前の夏、霞ケ浦周辺のレンコン畑周辺を覗いてみると、それはもうたくさん繁殖していた。素人が見ても、こりゃあかんと思えるレベルだ。 ショッキングなピンク色をした卵もそこらじゅうにある。 ちなみにこの卵は水没すると孵化しないそうなので、見つけたら水に落とすといいらしいが、そんなのやってられるかという数だった。 ゴルフボールサイズのジャンボな巻貝

          08:ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)を捕って食べてみる