ヒヤシンス

初めまして、ヒヤシンスと申します。 精神的障害を持っています。 詩が好きです。 言霊を…

ヒヤシンス

初めまして、ヒヤシンスと申します。 精神的障害を持っています。 詩が好きです。 言霊を信じています。 自分の生きている価値を探しています。 宜しくお願い致します。

最近の記事

情けない手紙

印象を印象で上書きして今日の朝が始まる。 言葉が出てこない時、皆さんはどんな事物にインスピレーションを受けて言葉を紡ぐのだろう。 人生半ばにして知りたい事は沢山ある。 沢山あるくせに図書館に行っても、喫茶店にこもっても、街の雰囲気を味わっても、何も浮かんでこない。 いわば、感動がない。 不能だ。 旅にでも出れば、あらゆる場所に感動を覚えるのだろうか。 これは詩ではない。日記だ。あるいは手紙。 色々な人と繋がりたい。でもそんな勇気もない。 失礼極まりない事だが、皆さんの詩作の際

    • 忘却の彼方

      様々な苦悩が束の間溶け込む朝。 優しさの女神が奏でるビルエヴァンス。 一杯の珈琲と一本の煙草で心を満たす。 昨日の約束は今朝の現実に追いつけない。 長旅の疲れを長旅の始まりで掻き消す。 どこに行けば忘却の彼方に辿り着くのだろう。 寂しさの連鎖に涙を忘れた鳥は、 曇った大空を眺めながらただ佇む。 ワルツフォーデビイ、彼のために。 ワルツフォーデビイ、彼女のために。 ブルーイングリーン、みんなのために。 さぁ、朝は去った。 始めに鳥が鳴き、人々は船に乗り込んだ。 いつまでも

      • 冬の愛

        透明な冬の朝日に猫が寄り添う。 庭園には薔薇が咲き、強い香りを放っている。 哀しみは一行詩に戸惑い、 喜びは淡い紅茶に溶け込む。 白髪の老人に猫が寄り添う。 テラスのテーブルに焼き立てのパンが踊る。 詩にはならない苦しみは 濃いめの珈琲にゆっくりと描き合わせる。 寒々しい空は新たな氷を生み 今にも降り出しそうな雪を憐れみ 立春の季節に風を流す。 遥かな歌声は春の訪れにハミングし、 庭園の灯りは不思議な感じを醸し出す。 透明な冬の愛に猫は笑う。

        • 無題2

          いつも君の事を想ってる。 君が怒らなければいいけど。 お揃いの指輪は今も輝いているよ。 君が離れていかなければいいけど。 いつも君の事を考えている。 寂しさと嬉しさはコインの表と裏。 どちらが出るかはわからないけど。 君が愛おしくて堪らない。 電話はしないよ。メールもしない。 自分の気持ちを試してるんだ。 君の本気が知りたい。 自分の本気も知りたいんだ。 君が遠く離れても僕は耐えてみせる。 誰かが僕らの中に入る事は出来ないよ。 だって僕らは愛し合っているんだから。 神様

          無題1

          羽ばたく翼は朝日に溶けて 天高く飛んでゆく いくよ、いくよ、君のもとへ 闇夜を切り裂くナイチンゲール 美しい鳴き声で くるよ、くるよ、君のもとに 淋しさも悲しみもすべて投げ捨て 新たな明日のその先へ 煌めく波間にそよかぜ舞って 砂の音響いてく いくよ、いくよ、君のもとへ 月夜の晩にキラボシ輝き この街を明るく照らす くるよ、くるよ、君のもとへ 喜びも嬉しさもすべて包んで 新たな明日のその先へ

          人を愛す

          産まれた国や肌の色、性別を超えて、私は人を愛す。 嬉しさの絶頂にいる人も、哀しみのどん底にいる人も、分け隔てなく私は愛す。 感情から生まれる現実は不思議と連鎖する。 だから私は人を憎まない。 憎しみは連鎖してやがて自分に返ってくる。 自分が不幸になる。 短い人生、無駄な時間は過ごしたくない。 だから私は人を憎まない。 人を憎んだら私は鬱病になった。 つらかった。 人を憎んだ自分を憎んだ。 自分を許し、自分を大事にしたら、人は優しくなった。 だから私は人を愛す事にした。

          独り言

          11月の寒空に小雨降り出す朝。 ただ1人、喫茶店にてシベリウスを聴く。 こういう朝があっても良い。 誰とも喋らず、人生を疑いもせず。 冷めた珈琲を舌で転がす。 酸味が舌を刺激する。 大した珈琲でもないな。 我が人生のような味わい。煙草が吸えれば良いのだが。 曇り空は嫌いなので水を一口。 朔太郎を読みながら水を一口。 寒さには強いから水を一口。 珈琲は冷めてしまった。 誰にも話せない寂しさ。 明日はずるくなろうかな。

          孤独、別れ、解放。

          旅館の中庭で紅葉が赤く色付いている。 白い冬の手前、晩秋の匂いが立ち込めている。 漆黒のピアノからベートーヴェンのピアノソナタが流れてくる。 別れを惜しむ人々が涙する。 もう半月もすれば雪が降るだろう。 寒さの冬におろおろするだろう。 赤く燃える炎に手をかざすと、 懐かしさに未来を知るのだろう。 その曲の転調にアゲハは舞散り 身体は熱く滾り 死を心から呼び込むのだ。 さぁ、今日の朝焼けは雨を降らせ 一杯の珈琲は穏やかにその名を刻む。 その時初めて諸君は孤独から解放される

          孤独、別れ、解放。

          無常

          全ての窓は閉ざされ、町には人っ子1人いない。 寂しかった。生きたかった。 それでも、誰かの影を踏んで生きるのはもう嫌なんだ。 1人で生きることがこんなにも難しいとはね。 誰かの扉をノックする。 町中の扉をノックする。 返事はない。 何処かの誰かさん、みんな一体どこにいったんだ。 夜が来る、夜が来る。 夜空の星々よ、少し私とお話ししないか。 誰もいないんだ。話し相手がさ。 朝が来る、朝が来る。 のぼる朝日よ、少し私を寝かせてくれないか。 誰もいないんだよ。愛する相手がさ。

          雨音

          朝の喫茶店に人はまばらだ。 窓の外には雨に濡れた日常が見える。 誰もが非日常を求めてこの街にやってくる。 そこで待ち受けているのが日常だとは知らずに。 誰もが愛に飢えている。 誰もが愛に飢えている。 人にそれを求めるか、大自然にそれを求めるか。 裏切りに耐え得る力はあるか。 強い優しさを兼ね備えているか。 本物の愛に気付く力を。 なんどきでも穏やかな心であること。 人に多くを期待しないこと。 寂しさの中から生まれてきたお前。 辛かったね。 窓の外、雨はしばらく止みそうも

          秋の訪れ

          ゆきすぎた夏が何度も振り返り季節に溶け込んでゆく。 しんとした季節の変わり目に淡く優しく秋が来た。 朝晩の涼風は饒舌で、野鳥の歌声にハミングする。 朝のテラスに今日はカモミールティーを置こう。 木々は紅葉も楽しく、リス達の動きもコミカルだ。 教会では祝典、幸福に包まれた鐘が鳴る。 昼にはいつもの店でバケットを買おう。 散歩がてら近くの喫茶店で珈琲を飲もう。 秋色が包み込む孤独。 秋色が包み込む優しさ。 秋色が沁み渡る恋心。 忘れかけてた慕情に秋は忍び込み、 記憶の扉を叩

          心模様

          晩夏の太陽は翳り、先程から雨がしとしと降っている。 何もかもが静かに流れてゆく。 心を蝕む悲しい塊がとろけてゆく。 古いオルゴールから流れる錆びれた音が壁や天井に不調和に並んでは消えてゆく。 あの山の麓の村に行きたい。 自然の息吹きに包まれたい。 ひぐらしの鳴く時分に1人歩きたい。 晩夏の風に吹かれながら思考を巡らせたい。 愛を愛する為に誰かを愛したい。 決して嘘のないように。 愛を信じる為に自分を愛したい。 窓外の淡い紋様を水滴が優しくスケッチする。 蝉も鳴かず、オル

          不完全

          森の小径を1人歩く。 ひとしきり降った雨はすでに止み、一葉一葉が太陽の光を浴びてきらきらと輝いている。 鳥達の声が聞こえる。 なんて心地の良い朝なんだろう。 昨日の客は早々と帰って行った。 今日も客はくるだろうか。 私の時計はある時刻を境に止まっている。 人生には辛さや苦しさしかないと思っていた。 涙は枯れることがなかった。 物事を全て人のせいにした。 右目の下瞼がよく痙攣した。 人生全てが変わってしまった。 子供との別れは辛かった。 人間は勝手な生き物だ。 だから私は森

          部屋一面に広がるラベンダーの香りとピアノの音色。 恋を知ると晩夏の夕暮れは切なくなる。 1人でいたい気持ちと誰かと話したい気持ち。 気持ちは複雑に絡み合い夕闇に溶けてゆく。 いつからだろう、気がつけばいつも恋をしている。 対象は人であったり物であったり。 恋に時間と深みを加えれば愛になる。 切なさに情を加えれば苦痛になる。 薔薇の花が好きだ。 鮮血のような真っ赤な薔薇。 人に媚びない棘を持つ美しい花。 ラベンダーの香る部屋でローズヒップティーを飲もう。 複雑な私の心は今

          星の煌めく晩に

          夜空の星々達が煌めきの宴を開いている。 丘の上に立つ子供達がワイワイと騒いでいる。 誰もがみな1番輝いている星に触れたいとその手を伸ばす。 私はとても幸せな気分になる。 夏休みの最後の日、近所の子供達を連れてこの丘に登った。 周りに高い建物もない田舎の丘なので、とても星が綺麗に見える。 子供達の質問責めにあうが、オリオン座とカシオペア座しか知らない私はしばし閉口する。 しかし、とても幸せな晩だなぁ。 明日から学校の始まるこの子らの誰か1人でも自然に興味を持ってくれたらいい

          星の煌めく晩に

          生命

          夏空が広がる天空の古城。 憧れと嫉妬に魂が震える。 置かれたテーブルに白紙のノート。 垂れたインク跡に生命を感じる。 小さな窓から遥か彼方を望む。 人生の最後に此処で過ごした魂は幸せだ。 淋しさ悲しみを超越した孤独。 生きる事に徹した生命力。 見たい、聞きたい、知りたい、 まだ見ぬ世界を闊歩したい。 そうして、生きたい。 空は、見る世界は夕暮れに輝いている。 天空の古城に生命という灯りが点る。 全ての人に告ぐ、見よ、そして生きよ!