記事一覧
【実話怪談】その人をその人足らしめるもの
〈第一話〉
私は相貌失認症です。生まれつきそうだったもので、それが普通で当たり前の世界だと疑いもせずに育ちました。
ただ、人の顔を覚えるのが苦手、表情を読み取るのが苦手、それだけのことです。
同じ相貌失認症でも、きっと感覚には個人差があると思います。私の場合は、人の顔が覚えられないぶん、相手の声や仕草、立ち振る舞い、服の感じ、全体的な雰囲気を感じ取るのが上手でした。
私が今、保育教諭の仕事
【人怖】アキオくんから聞いた2つの怖い話【実話怪談】
【人怖】異食アキオくんから聞いた、人が怖い話。
アキオくんと私は大学3回生の時からの長い付き合いです。正確には大学1回生の時にはもう出会っていたのですが、友人になったのはプレゼミが始まってからでした。
陽キャでチャラくてコミュ力の塊なアキオくんと、陰キャでインドア派で人見知りな私が、なんだかんだ腐れ縁で友人なのは、ただ1つ共通点があったからだと思います。
それは、漫画が大好きということです。
【AIイラスト】GW特別公開
ゴールデンウィークも半ばになりました。おはようございます。
普段はnoteで怪談を書いている、みおこんぼです。
今回は、毎日生成しているAIイラストの一部を公開していく回になります。
Days AIという弱小AIイラスト生成アプリしか使わずに、どこまで自分の頭の中にあるイメージをイラストとして描き出すことができるのか、日々挑戦中です♪
文章を書き出すとついつい長くなってしまうので、以下しばら
【実話怪談】2階に行ってはいけない家
私が小学校中学年くらいの時に、数カ月だけ住んだ家の話をします。
正確にいつ、どのくらい住んだかは思い出せませんが、二階建ての一軒家で酷く古い家でした。
転勤の多い父に付き合っての引っ越しは、毎度のことながら大変です。
経済的な事情からなのか、住む家はどれもひと癖ありました。その中でも一際奇妙だったのが、今回お話する家です。
その家は条件付きの借家で、隣には大家さんが住んでいました。一見した限り
【実話怪談】物理的にあり得ない
社会人吹奏楽団で出会った、コバさんの話をします。
コバさんは某有名パン会社の営業さんで、全国転勤のある方でした。
私が趣味で社会人吹奏楽団に入り、3年ほど経った時に、コバさんは入団してきたと思います。
コバさんは30代半ばくらいの男性でとても人あたりがよく、行動力もある方で、「転勤で長くはいられないけど……。」と言いながら、自前のチューバをとても良い音で吹き鳴らしていました。
コバさんの凄いとこ
【実話怪談】桜の樹の下には
マホ園長の話をします。
マホ園長は、とある小さな院内保育所の園長で、40代前半くらいの女性です。
院内保育所とは、基本的には病院スタッフのお子さまを預かる施設で、0歳〜2歳までのお子さまを一緒に保育します。
病院スタッフと同様に夜勤があったりと、お子さまの数は少人数ながら、独特な家庭的雰囲気のある職場でした。
私がマホ園長と働いていたのは、8年前までです。
マホ園長はとにかく判断力と行動力の
【実話怪談】消しゴムのお告げ/下駄チェーン男
「消しゴムのお告げ」私が初めてお付き合いした男の子、レン君のお話です。
大学2回生の夏、突然告白してきた男の子がレン君でした。オーケストラ部トロンボーンパートの後輩。身長がとても高くて独特な雰囲気の男の子だったので、相貌失認症を持つ私の人生初異性から告られイベントは幸いにも「この人誰だっけ?」とならずに済みました。
小学校、中学校、高校、大学と同性から告白されることはありましたが、異性からはこ
【実話怪談】失せ物出る
これは私が長野県に住んでいた頃のお話です。
当時小学4年生だった私は、比較的毎日平和に過ごしていました。小さな不思議に出会うことはありましたが、どれも些細なもので、語るほどではありません。
例えば、兄とスゴロク遊んでいる時、手にしたサイコロが、振った途端に消えたことがありました。兄も消えるところを見ていたものですから、一緒になって大騒ぎしたことを覚えています。
他にも、見た目が明らかに浅い水たま
【実話怪談】ウミウシ
私が小学1年生の時のお話です。
当時北海道のある島に住んでいた私達家族は、7人家族でした。
私が小学1年生の頃は、姉が小学5年生、兄が小学3年生、弟が2歳、妹が生まれたばかり。母は下の兄弟2人のお世話で忙しく、必然的に上の兄弟3人が毎日一緒になって遊んでいました。
当時はまだおおらかな時代で、土地柄もあったのでしょうか。私達兄弟は山にも川にも海にも、子どもだけで行き、1日中自然と戯れて遊びました
【人怖】アキオくんから聞いた3つの短いお話【実話怪談】
【人怖】マスクアキオくんから聞いた話。
アキオくんは秋田出身で、私とは大学で知り合いました。
田舎者と思われるのが嫌で、大学デビューを果たしたアキオくんは、とにかくチャラくて声が大きくて馴れ馴れしくて……私とは縁のないタイプの男性だと思っていました。
ところが、不思議なことに、このアキオくんは大人になった今も交流があります。
そんなアキオくんが、この間会ったときに「悪いけどマスク外してくれない
【実話怪談】大家さん
大学生の時の、アパートの大家さんのお話です。そのアパートは三之町迷路のど真ん中にありました。
三之町迷路とは、学生から『異界に繋がる』と恐れられていた地区です。
ぐちゃぐちゃに入り組んだ道は、1つ間違えると目的地には辿り着けず、迷ってしまいます。
また、『三之町迷路で待ち合わせをしても会えない』など、怪奇談が後を絶たない区域でもありました。
そんなわけで、三之町迷路は学生から畏れられており、『三