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【決算情報】ファンケル/24年3月期_通期(4-3月)

今月はの決算発表分は、ファンケルさんから。
中期計画含めて開示で株価が1,800円台→2,000円台と、直近最高24年2月の2,400円には満たないですが、上がりつつあります。
さて、どんな内容でしょうか

エグゼクティブサマリー
詳しい数字はないものの、
・過去2番目の利益水準と、利益改善強調
・定期、ECモール強化での売上成長の可能性協調
・お客様との新しい向き合い方でお客様エンゲージメント(LTV)向上、収益向上推進を強調
・26年まで舞う気増収増益を計画と強調(年平均成長率+15%)
・ASEAN進出を強調
と、売上利益の成長がある事を強めに言っています

紅麴の影響について
・健康食品の目玉「コレステサポート」、紅麴が入っていたが4月下旬に落ち着いている
・業績影響は4億程度、一方で広告控えなどでPL上の影響はほぼない
・品質安全性、体制の強調がされています。
 ┗健康食品専門家評議会とは・・?となるのは次頁に

健康食品専門家評議会、社外有識者6人+社内選出11人の17人、2018年以来から体制をとり、これまでの健康被害の報告無しとの事。安全・万全な体制と強調されております。

業績パート
・売上:1108.8億(前年比+7.0%)
 ┗化粧品の成長率も業界2倍以上の+6.5%
 ┗もっと凄いのが栄養補助食品(健食食品)の成長率+9.7%
 ┗化粧品、栄養補助食品売上比率:化粧品55.2%、栄養補助食品39.4%
 ┗国内海外売上比率:国内90.5%、海外9.5%
・営業利益率11.3%、EBITDA率15.0%と業界TOP水準

ここから「2026年中計」のパートに

元々の中計
・売上1,200億
・営業利益150億(利益率12.5%)に対して

実績
・売上1,108億
・営業利益125億(利益率11.2%)の着地
(売上▲91億、営利▲25億、営利率▲1.3%)

┗通販は化粧品、サプリ共に計画通り
┗店舗はコロナ下という事もあり、売上より利益に重みをおくなどで出店見直しをされたんだと思います。196店舗→159店舗(▲37店舗)
┗後は中国影響が大きい。処理水もかなり問題視されたしそうだったかと。
という事で目標未達のものの、内容的にはGOODなのではと思いました。

2020年からすると
・売上1,051億
・営業利益115億(利益率10.9%)に対して

実績は
・売上1,108億
・営業利益125億(利益率11.2%)の着地
(売上+57億、営利+10億、営利率+0.3%)

 ┗21年下期からの通販獲得+ECモール順調
 ┗インバウンド需要
という事でコロナの影響はもう超えている、がメッセージの認識

商品の振り返り
・化粧品:泥ジェル洗顔、マイルドクレンジングオイル
・健康食品:大人のカロリミット、コレステサポート
などは外から見ても超順調な印象

一方で健食食品のパーソナライズサプリは色々模索中の印象です。

事業の基盤投資
・サプリメントの新工場:2021年4月~。それまで外製だったものを内製化に切り替え、キリンの免疫サプリなどの受注を推進。
・関西物流センター:2021年6月~。通販の出荷能力を1.5倍に、コスト削減2億。
 ーファンケル自社、キリン両方のサプリ事業への強化
 ー健康食品中心の通販事業強化
 の動きがここからも伺えます。

 売上比率
特に通販、通販の中での定期販売が牽引しているのが分かる図
┗サプリ販売の半分、48%だった定期比率が今は70%である事
┗化粧品もほぼ単発通販から、定期比率が27%まで上がってきている事
・カロリミット、サポートシリーズなど生活の一部になるサプリの展開
・クレンジングオイル含む、基礎化粧品(ベースライン)が品質、価格面で良い評価を受けている事が要因と思います。

社会問題解決=企業価値向上、どのように?のスライド
・健康事業:シニア、女性の健康問題によりフォーカス
・化粧品:引き続き基礎スキンケアにフォーカス
と注力ラインとの事。

スライド下段<健やかな暮らし>でも
「シニア、女性、基礎化粧品」へのアプローチ明言。

24~26年:海外投資+成長を明言
栄養補助食品の海外拡大が計画されている事が伺えます。

ファンケルのビジネスモデル
①通販50%、店舗20%とtoCダイレクト販売が70%
 ┗データ連携などでより販売強化に取り組む
②化粧品50%、サプリ40%の構成
③国内90%、海外10%の構成
 ┗26年までより海外を攻める
との事。①の、売上比率「直販50%、自社店舗20%、流通30%」みたいなものは確かにファンケルさんに加えてDHCさんぐらいしか実現できてない。

■化粧品
・複数ブランドより、ファンケルブランドを、幅広い年代に、
・「肌不調」というお客様ペイン解消のポジションを取りたい
との事

・新商品の「トイロ」がどうなっていくかも注目なものの、スライド右側、ファンケルのシニア向け商品の展開もこれから要注目の認識

クレンジングオイルで引き続き成長させながら、特に
「洗顔、CCクリーム、30代男性向けスキンケア商品」でより強い成長をさせたいとの事。
BBじゃなく、CCクリームというところからファンケルさんらしさを感じる
メンズは設定価格帯からして30代前後になる、そりゃそうだろうな・・と。

■健康食品
・カロリミット中心の40-50代女性に加え、55~64歳のプレシニア層開拓に注力するとの事。
・①マイナス→ゼロ、②ゼロをキープ、③プラスオンという区分で商品企画、開発の見込み
 特に③プラスオンに大型商品投下との事。24年下期でしょうね。さてどんな商品だろうか。

■チャネル
・通販、店舗の併用をより推進 + ライン、メルマガ、アプリなどでアクティブ率向上を狙うとの事。
全国160店舗と主要のよころに店舗がある事の強みですね。

・ECモールは通販事業の20%売上を占め、年齢層も若いとの事

■海外
・中国(市場が大きく、成長率も高い)、ASEAN(市場はまだ小さいが伸び率が高い)向けに、サプリ、アテニア、ブランシックなど化粧品を展開

海外事業
・中国のサプリ市場は、23年4.5兆円、CAGR+7%
・日本のサプリ年間支出額を参考に、高齢化が進む中国でも市場拡大を見込んで進出を進める

・キリングループ会社のブラックモアズ社との連携でベトナム、インドネシアなど海外開拓検討中。「キリン×ファンケル」の強さは素材、商品、生産、国内販売に加えて、海外販売にも繋がる強さを持ちますし、それを実行し、形にしていっている事がなによりの強さだと思います。

以上、ファンケルさんの26年までの中計でした。
化粧品、健康食品、国内チャネル、海外開拓と、どれも力強さを出していて、が故の株価の戻りなんだろうあと思います。
大型の健康食品の新商品や、化粧品の新ブランドなど26年までの歩み、要チェックですねー。

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