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伝統継承~あたりまえのことをあたりまえにできる~(後編) 対談者:十五代 酒井田柿右衛門様

皆さまこんにちは!ヒューマングループnote 編集担当 朝永です(^-^)

今回のヒューマントークは、先週お送りした十五代 酒井田柿右衛門様との対談《後編》をお送りいたします!

まだ前編を読んでいない!後編の前に読み返したい!という方は下記のリンクからぜひ前編もご覧ください♪

▼十五代 酒井田柿右衛門様との対談前編はこちら

それでは早速、後編スタートです!

※対談の本文は、2015年9月にヒューマンニュースレターに掲載したトークを当時の文章で掲載いたします。


伝統継承~あたりまえのことをあたりまえにできる~

note ノート 記事見出し画像 アイキャッチ (21)

<ヒューマンニュースレターVOL.43(2015年9月発行)より転載>

十五代 酒井田柿右衛門 様
ヒューマングループ 代表取締役 内海 和憲

内海リ:十五代目は、襲名されてから何か心境の変化はございましたか?

柿右衛門:気持ち的には少し余裕がでてきたのかなとは思いますが、スケジュール的にはまだまだ余裕がありませんね。ヨーロッパに行って焼き物を見たり、スケッチにも行きたいし、もっと勉強したいと思っています。個展の制作が多かったり、人にお会いしたり、また以前父がしていた仕事も増えましたので、仕事の全部がなかなかできていないような状況です。もう少し仕事の段取りをして、写生に行って、新しいものを創作したりと、歯車がかんでいくのはもうちょっとかかるのではないかと思います。

内海リ:以前工房を見せていただいて、有田という場所が身近ということもあるのですが、伝統という重みがあるのに、すごくアットホームな雰囲気を感じました。ベテランの職人さんと新人の職人さんと一緒に仕事をされる中で、脈々と伝統を繋げていくために、何か意識されていることはありますか?

柿右衛門:私が考えているのは、環境を整えるというところでしょうか。普通に仕事ができるというのが一番大事なので、ばたばた慌てて作らないといけないような急ぎの注文がきたりとか、なかなか材料が入らないようなことがあったりとか、何か落ち着かないようなそういうことがあれば普段通りにできませんので、そういう “あたりまえのことをあたりまえにできる”というのを繋げているということが大事なんだと思いますね。原材料の調達も、ものによってはなくなってきていますから、次の代にしっかりと繋がっていくように材料を確保したりとか、技術的なものだったりとかですね。一箇所替えるとドンドン替えないといけなくなるので、職人の動きを妨げないように、環境を整えるようにしています。

内海リ:一言でおっしゃっていますが、400年続けるために、おそらく各代々の方々がそれを徹底してやっていらしたということですね。

柿右衛門:そうでしょうね。昔の環境と今の環境は変えてきていないつもりですが、たぶんまったく違うと思います。エアコンが入って換気の仕方が変わるだけでもずいぶん違いますし、色々な材料の保存の仕方も変わっていたり、何気ない普通のことが無意識に変わっていると思いますね。昔のスピリットはしっかり残していこうと思っています。

内海カ:就任されて1年経たれて、今後やりたいことはありますか?

柿右衛門:やはり17世紀の焼き物を見直して、十四代も食器というものにこだわっていましたので、私もそれを継いで食器を作っていきたいですね、そのための勉強道具として、個展の焼き物を見たり、海外でヨーロッパの人たちの考え方を聞いたり、食文化など観てきたいと思っています。

内海カ:海外へ行かれるとなると、お身体が何と言っても財産ですから、そのへんは簡単に動けないのではないでしょうか?

酒井田顧問:十四代目もそうでしたが、意外とフランクにされていましたね。

柿右衛門:オランダ、ドイツ、イギリスの美術館を回りたいですね。九州産業大学で父が柿右衛門様式磁器の研究をしたのですが、そのときの資料があるので、その資料を見ながら辿ってみたいと思います。

内海カ:お父様の研究の資料を見ながら、ヨーロッパを辿られると、更に感性が磨かれるんじゃないでしょうか。
やはり現地をみるということは大切ですね。

柿右衛門:そうですね。見ないとわからないところが多いですから。特に現地の人々の考えを聞かないと、本で読むのと、実際に 行って肌で感じるのは大きく違います。

内海カ:やはりアートですね。我々は美術館に行ってもサーっと見てしまいますよね。十四代目と仲が良かったハウステンボス創業者の神近義邦氏が言われていたのですが、美術館に行くとじっくり全部見て回ると一日はかかる、でも一緒に行ったメンバーは一時間で回ってしまうんだよ、どこを見てんだよ?!って(笑)。じっと見てどんな気持ちでこの作品が生まれたのか想像しただけでも楽しくなるとおっしゃっていましたね。

柿右衛門:精神力がお強いのでしょうね。
私も興味はあるのですが、1時間くらい見ると疲れてしまいます。だから長く滞在して少しづつ見たいですね。知識を蓄えて見るとまた全然違います。

内海リ:有田町では、来年有田焼創業400年の記念事業があると伺っています。

柿右衛門:そうですね。有田焼創業400年事業の取り組みで色んな計画をされているようです。柿右衛門窯としても400年というのは節目ですから、協力したいですね。9月30日~日本橋三越本店で有田焼の展示・催事もありますし、年末年始も記念事業が予定されていますし、有田町では来年の秋がメインになります。東京の方へいくと有田焼創業400年の話をしても皆さんあまりご存じありません。日本橋で大々的宣伝をして認知度を上げていければいいですね。

内海カ:酒井田柿右衛門様とは、代々弊社ヒューマンスクール早岐で自動車運転免許を取りにきていただいていることもあり、昔から柿右衛門様と繋がっているというのがとっても嬉しいですね。さらに十五代目とは身近にお付き合いさせていただきとても感謝しております。これからもよろしくお願いいたします。

※文中  柿右衛門:柿右衛門窯 十五代目酒井田柿右衛門 様
    酒井田顧問:柿右衛門窯 顧問 酒井田 正宏 様
      内海カ:ヒューマングループ 代表 内海 和憲
      内海リ:ヒューマングループ 常務 内海梨恵子


十五代酒井田柿右衛門様プロフィール
1968年有田町に生まれる。
1991年多摩美術大学絵画学科中退。1994年十四代柿右衛門に師事。
2010第45回西部伝統工芸展初入選、第57回日本伝統工芸展初入選。
2012年に有田陶芸協会会員になる。
2013年重要無形文化財保持団体(柿右衛門製陶技術保存会)会長に就任。
日本工芸会正会員となる。第48回西部伝統工芸展にてKAB熊本朝日放送賞受賞。
2014年2月4日十五代酒井田柿右衛門襲名。九州産業大学大学院芸術研究科客員教授に就任。
佐賀県陶芸協会会員となる。日本工芸会西部支部支部幹事に就任。

朝永のつぶやき

最後までご覧いただきありがとうございました!ここからは編集担当が今回のトークを読んだ感想をまとめたプチコーナーです(^o^)/

今回は十五代 酒井田柿右衛門様とのトークをお送りいたしました!

後編では、十五代目を襲名されてからの心境や今後やりたいことについてお話していただきました。

お仕事や個展の開催など様々なことに取り組まれてきた十五代 酒井田柿右衛門様ですが、対談の中で食器づくりや海外の美術館巡りなど”もっと勉強したい”という熱い想いが伝わってきましたね(*^-^*)

私も絵を描くことが好きなので風景を見たり、美術館で作品を見るなど、実物を肌で感じることはとても大切だと常々感じています。

ちなみに海外の有名な美術館や博物館巡りをするのが私の長年の夢です♪

それでは今回はこの辺で、また次回お会いしましょう!

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