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熱帯林とバイオマス

熱帯とは、おおむね緯度が 25 度より赤道側にある年中温暖な気候に属する地域を指し、東南アジア・中央アフリカ・南米アマゾンなどがその中に含まれます。

熱帯に茂る樹木つまり、熱帯林(主に熱帯雨林)が占める面積は、人間活動の影響で縮小してきましたが、それでも合計 1700 万平方キロメートル以上(陸地面積の約 12%に相当)に及んでいます。

熱帯林には様々なはたらきがあります。なかでも注目されているのが、熱帯林の植物は年間を通じて温暖湿潤な条件にあり盛んに光合成を行うことができる点です。大気から多くの CO2 を吸収しバイオマスにすることで森林は大きく発達し、日本では見られないような高さをもつ(個体によっては 50mを超える)森林となることもあります。

※ここでいうバイオマスとは、生物資源(bio)の量(mass)を表す概念で、「再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」です。 太陽エネルギーを使って水と二酸化炭素から生物が光合成によって生成した有機物であり、私たちのライフサイクルの中で生命と太陽エネルギーがある限り持続的に再生可能な資源です。

成熟した熱帯林は、年間の光合成量が 1 平方メートルあたり 3キログラムにも及んでおり、日本の森林(温帯林)と比べるとほぼ 2 倍にもなります。貯まっている炭素の量も大きく、樹木や土壌には 1 平方メートルあたり 20 キログラム以上の炭素が存在し、その構造と機能の大きさを物語っています。

熱帯林は貴重なバイオマス資源となってます。人間による開発の森林伐採はできるだけ避けたいものです。


                                        出典   気候変動適応情報プラットフォーム


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