ハックルベリー・ノンの冒険

ハックルベリー・ノンの冒険

最近の記事

2024.5.30 曇り

NHKラジオの歌謡スクランブルで90年代のJポップ特集が3回に分けて放送された。 裁縫をしながら、聞き逃し放送で3回分続けて聞いたら、学生だったころの「感じ」を猛烈に思い出して、頭がくらくらした。 時代の記憶が音楽と強く結びついているのはだれもがそうで、だから懐メロが喜ばれたりするのだろうけど、私は懐かしいというよりかは、その時にもう絶対に、二度と、決して戻ることができないという「時間」の恐ろしさみたいなものを強く感じ、呆然としてしまう。 雑誌「新潮」の120周年記念特大

    • 2024.5.24 快晴

      本屋で見てよさそうかなと思った大野露井の「塔のない街」が図書館になかったので、リクエストしてみたら買ってもらえた。 というか、まあまあの本であればたいてい買ってもらえる。図書館での勤務経験上、それは言える。 だから、市民は図書館にない本があれば、積極的に購入リクエストをするといいと思う。そもそも、図書館司書なんかより市民の方が本に詳しいのだ。 「塔のない街」は読み始めて、ちょっと予想していた感じと違い、あれっ?と思ったのだけど、もう少し読み進めてみたら面白くなってきた。若々

      • 2024.5.21 快晴

        濱口竜介監督の映画「悪は存在しない」を観る。 蓮實重彦が朝日新聞で激賞していたので。「絶対に観ろ」と。 観終わったとき、かすかに手が震えていたような気がする。 そういう、とても静かで美しく、インパクトの強い映画。 映画館のある商店街の中の、小さなビストロで夕食。 初めての店だったが、ちょっと大雑把な料理で、そういう料理を作りそうなシェフだった。 料理はセンスだ。 店を変えて、コーヒーと甘いもの。 ここはとてもおいしいデザートを出す。 作っている若い男性は、大学で彫刻で学ん

        • 20240503 快晴

          ツブラジイの花の匂いが強烈になってきた。 夜になると匂いがきつくなるのはなぜだろう。あと、湿度の高い日。 ポール・オースターが亡くなった。 これでオースターの新作が出ることはもうないのだなと思ってちょっと切なくなった。作家の死に接して、こんなことを思うのは初めて。 オースターの「内面からの報告書」を読んだとき、なんか自分と似てるというか、その感じ分かるなあと強く思ったのを覚えている。 77歳。まだ書けただろうが、病気は仕方がない。 宮藤官九郎のドラマ「季節のない街」にはま

          20240426 晴れのち曇り

          おいの11歳の誕生日だ。メッセージを送ろうと思うが、たぶんまだ塾なので待っている。 おいは母方(私の妹)の気質を引いている。 生きづらい人生になるかもしれないが、いい面もあると思って、少しでも楽しく過ごしてほしいと思う。 おととい、「テルマ&ルイーズ」の4Kリストア版を近所の映画館で観る。 30年ほど前の公開時には観ていない。 色褪せないとはいっても、社会状況はだいぶ変わっている。舞台はアメリカだが、今はこれはないなと思う箇所がいくつか。 サンダーバードがE.T.になったか

          240423 小雨

          「長い物語のためのいくつかの短いお話」(ロジェ・グルニエ、宮下志朗訳)を図書館で借りて読み始めたら、最初の2行で読んだことがあることに気付く。 前回は夫が借りてきて机にあったのを、少しだけ読んだことを思い出した。 その時も「装丁がいいな」と思ったのだった。 母の本。 「山本さんのいいつけ」(山口瞳) 「中島らもエッセイ・コレクション」(中島らも、小堀純編) 日曜日、近くの映画館で「落下の解剖学」を観た。 リーガルものの会話劇? 法廷での弁論がフランスらしいなと思った。 2

          20240408 曇りのち雨

          耳の不具合に耐えかねた母が、「このままでいい」から「切開して水を抜いてもらいたい」に方針を変えたので、耳鼻科に付き添う。 学校が始まったせいか、きょうは空いていて、待ち時間も少なくあっさり切開終了。 耳がぼーっとするのはなくなったが、頭の中で声が響く感じはそのままだそうだ。 薬を飲むより、耳に風を通したり鼓膜をマッサージしたりする方法で治療したいと、耳鼻科医は言う。 そういう治療が効くのかどうかわからないが、ともかくしばらく通わなくてはいけない見込み。 「体に具合の悪いと

          20240402 晴れ

          あっという間に年度が変わり、桜も咲き始めた。 週末ごろから見ごろだろう。 母の本。 「すごいトシヨリ」(池内紀、川本三郎) 「野良猫ケンさん」(村松友視) 「僕の美術ノート」(原田治) 野良猫ケンさんを一番早く読み終えたらしいので、やはり村松友視が好きなのだと思う。 私が読んだ本。 「本は眺めたり触ったりが楽しい」(青山南) おもしろく読んだつもりでいたが、読み終わって5日ぐらいたった今、もう内容を忘れてしまっている。 何年も何十年も覚えている本は限られている。 「私

          20240326 土砂降り

          二日続けて雨。きょうは朝から土砂降り。 先週の母の本。 「老人のライセンス」(村松友視) 「作家の贅沢すぎる時間」(伊集院静) 「髭のそり残し」(芦田淳) 「芸術新潮 2023.4」 村松友視のがよかったらしい。 昔から母は、芦田淳のデザインする服が好きとよく言っていたが、エッセイについては何も言わないということは、文章はいまいちなのかな。 きょうで受けていた仕事のおおよそのめどが付いた。 86歳の男性が、これまでに同人誌や機関誌などに書いた文章を集めて一冊の本として出

          20240311 晴れ

          きょうも山の仕事。 半分くらいの時間は焚き火に費やされた。 焚き火にはコツがいる。 イノシシにへし折られたミカンの大枝は油分が多かったらしく、よく燃えた。 よい熾火ができ、焼きいもも成功。 ブルーベリーの剪定はあと一日あれば終わりそうだ。 近くの小さな映画館で「PERFECT DAYS」が始まり、観に行く。 きっと来るのではないかと思って、郊外のシネコンに行くのをやめていた。 商店街がどんどん空洞化していく中、この映画館も近くなくなってしまうのではないかとひそかに恐れている

          20240308 快晴

          図書館で母の本を3冊借りる。 「三度目のフェルメール」(有吉玉青) 「画家のむだ歩き」(牧野伊三夫) 「贅沢貧乏のお洒落帖」(森茉莉/早川茉莉) なぜか今回は絵画やファッションに傾いた。 有吉玉青も森茉莉も一発で変換できない。 牧野さんはともかく、女性二人は一つ目に出てもいい気がする。 パソコンなどの変換機能が最近弱まっている気がするのだけれど、それはないのかな。 どうでもいいおせっかいな候補は出してくるのに。 「打ち間違いじゃない? こっちが正しいんじゃない?」 きの

          20240305 雨

          啓蟄。冷たい雨が降っている。 きのう仕込んでおいた生地と、ひと月ほど前に炊いて冷凍しておいたあんこを使って、アンパンを焼く。 とてもおいしくできた。素朴な味だ。 晩御飯の鍋のためのポン酢も、はっさくと塩ゆずと醤油とみりんと鰹節で適当に作った。おいしかった。 たいていのものは自分で作れるのだと、この年になって実感する。 必要なものが自分で作れればお金がいらない。 最低限のお金だけ稼いで、あとはできるだけ自分で必要なものを作ってお金を使わないという暮らし方は合理的だと私は思う

          20240304 曇り、花粉多い

          あっという間に3月になり、ひな祭りも過ぎる。 きのうは山の仕事に出かける。 父が死んでから山に行って何かする気が起きなかった。 きのうも嫌な気持ちというか、気の進まない感じばかりだったが、いい加減にブルーベリーも剪定しなくてはいけないし(昨夏、絶対に木を小さくすると誓った)、燃やさなければならない枝が焚き火場に積んであるのは知っていたし、文字通り重い腰を上げて行く。 結果、出かけてみたら、外の仕事は多少気分転換にはなった。 ブルーベリーはあと二日ほどやれば終わるだろう。

          20240304 曇り、花粉多い

          20240226 晴れ、強風

          法務局へ行く。 きのうから読み始めた、大江健三郎の「新しい人たちよ眼ざめよ」と水筒に入れたコーヒーを持っていくが、本は一行も読めなかった。 初めて行く場所で、周りが気になってしょうがなかったから。 来ている人はどんな人かとか、職員の仕事の様子とか、この役所がどういう仕組みで回っているのかとか、そんなことを考えながら周りを見ていたら本を開ける間もなく書類が用意されて自分の番号が呼ばれた。 コーヒーは全部飲んだ。 と言っても、家に帰ったら、出発から2時間が過ぎていたけど。

          20230223 曇り

          きのうの浅田彰、先崎彰容のテレビ番組はとても面白かった。 浅田さんの放つ独特の存在感に、先崎さんが普通の人に見えた。 この間読んだ短編がよかった。 「ペンショングリルパルツァー」(ジョン・アーヴィング、柴田元幸訳、MONKEY vol.32 SPRING 2024 所収)。 「ガープの世界」の小説内小説だそうだ。 幻想小説というか奇譚というか、こういう小説はとても好きだ。 引き続き、書類の片づけをしている。 恐ろしいものが続々と出てきて、自分の歴史に驚く。 たるみを隠

          20230222 曇り

          いつもは年末にやっている書類の片づけを、ついにする。 ゴミに出せるものは出す。 保険会社の人が勝手に持ってくる、紙に印刷された「おすすめのプラン」は、中身からしてポイと捨てるわけにいかないし、何より圧倒的に要らないものなのでやめてほしいなあと、この作業をしている時にいつも思う。 こういうことからしても既存の保険会社離れが進んでいくのだろう。 きょうの母の本。 「うらおもて人生録」(色川武大) 「東海林さだおアンソロジー 人間は哀れである」(平松洋子編) 色川武大は一発で変