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【DAY 1】自分の覚えている中で初めて観た映画 「メジャーリーグ2」

DAY 1
the first film you remember watching.
「自分の覚えている中で初めて観た映画」

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「メジャーリーグ2」(1994)
デヴィッド・S・ウォード監督
トム・ベレンジャー/チャーリー・シーン/ジェームズ・ギャモン/レネ・ルッソ/石橋貴明

弱小プロ球団だったインディアンズが奇跡的にリーグ優勝をしたのは前年のこと。今年はちっとも勝てない。なにしろ、豪速球が強みのリッキー(チャーリー・シーン)が変化球を投げ始めたり、闘争心が取り柄だった主砲のベドロ・セラノ(デニス・ヘイスバート)が、ブードゥー教から仏教に改宗して博愛主義になっていたりする。それぞれの個性が台無しなのだ。そんな中、負け続きでまいってしまった監督のルー(ジェームズ・ギャモン)がついに心臓発作を起こして入院、チームはベテランキャッチャーのジェイク(トム・ベレンジャー)に託された・・。

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映画館で、ということであれば、初めて観たのは「メジャーリーグ2」だと思う。日本公開が1994年の6月なので、10歳のときだ。ある週末に、父親に連れられて街まで出て、2人で鑑賞した。今考えると、これは不思議な体験だった。なんせ、それ以外に父親と2人きりで外出をした記憶がない。それに、父親はそこまで映画が趣味ではないし、僕はとくに野球が好きではない。

けれど、ちゃんと前作の「メジャーリーグ」(1989)がテレビか何かで観て面白かったから、まんをじして「2」を観に行こう、という順序だったはず。というのも、俊足の盗塁王、ウィリー・メイズ・ヘイズを演じた役者が、「1」のときと似ても似つかない人に変わってしまって、がっかりした記憶があるからだ。

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シリーズものの役者の交代について。

たとえば日本では、「男はつらいよ」はいつまでたっても渥美清倍賞千恵子であり、最新作の「男はつらいよ お帰り 寅さん」(2019)でも、わざわざ過去映像をデジタルリマスターして使用したくらい、寅さんを別の人間が演じることは考えられない。歌舞伎文化と言えるんだろうか、観客は、登場人物を観ているようで、同時にその先の俳優を透かして観ている。

一方、洋画では、しれっと役者が交代してしまうというのは、よくあることである。欧米には近代演劇理論が根付いているからなのかな、俳優を登場人物に見立てるときの許容範囲が広く、こういう変更についてはあんまり指摘をされない。

たとえば、映画の王様「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(1985)では、ジェニファー役がクローディア・ウェルズからエリザベス・シューに、ジョージ役がクリスピン・グローヴァーからジェフリー・ウェイスマンに代わった。
羊たちの沈黙」(1991)でジョディ・フォスターが演じたクラリスの役は、「ハンニバル」(2001)ではジュリアン・ムーアになった。ジョディが断ったと言われている。クラリスは、猟奇殺人犯のレクター博士と唯一話ができる捜査官なのだから、ほんとは、人が変わっちゃうと博士は心を閉ざしてしまうはずなのに。
また、最近でいうと、「アイアンマン」(2008)でテレンス・ハワードが演じたトニー・スタークの盟友である空軍中佐・ローディ役は、「アイアンマン2」(2010)ではドン・チードルに交代した。これは出演料でもめたという噂。

しかし、他の登場人物はみんな同じ役者なのに、1人だけが変わってしまうというのは、僕としてはどうも気持ち悪かった。「ゼイリブ」(1988)みたいに、擬態した異星人が紛れ込んでるような感じがした。なんといっても、「1」ではウェズリー・スナイプスが演じていたこのウィリーというキャラクターが、お調子者なくせに足が速いところが好きで、贔屓にしていたから、ショックであった。

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あと、2本立てだったんだよな、確か。シネコンが主流となった今ではほとんどなくなったけれど、昔は1本のチケット代で2本の映画が観れたのだ。そのもう1本が、「氷の微笑」(1992)のパクリみたいな、ブロンドの美女が出てくるエロティックサスペンス映画だったと思うんだけど、誰が出ていたのか、どんな話だったのか、もはやさっぱり覚えてない。

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