見出し画像

映画: エイジ・オブ・イノセンス (1993) に どハマりしていた週末

映画やドラマは飛行機の中で時間潰しのために見るみたいな感じで最近はずっと過ごしていたので、本当に久しぶり。映画は最後に見たのは「Life of Pi」だったかな。Life of Piはとてもいい映画、とても美しい映像。ただ飛行機の中でも見ただけなので、感想をnoteに書くほどの集中力では見ていなかったと思う、いや、実はその後、そういえばアマプラで「Drive my car」を見たんだった(これは村上春樹が大好きな私でも眠くなった)(なので感想なし)。

左 おすすめしない 右 おすすめ

見ようと思った決め手


このThe Age of Innocence/エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事 を見ようと思ったのはダニエル・デイ ルイスが主演だから。もし、「一番好きな男優さんは誰ですか?」と聞かれれば、私は迷わずダニエル・デイ ルイス(と2位はマーロン ブランド) なので、いちファンなわけです。「じゃあ一番好きな女優さんは誰ですか?」といえば、イザベル アジャーニとソフィー マルソー(ちょっと似ている二人)。 推しのダニエル・デイ ルイスとイザベル アジャーニが現実に6年間も付き合って息子までできているという私にとっては夢のカップルみたいなことも起きていると一言付け加えておきます。ちなみにイザベル アジャーニは黒髪+緑の瞳という稀な一番好きな組み合わせです。一度イギリスでチュニジア出身の同僚が(男性)決してかっこ良くはないけれども黒髪+緑の瞳の持ち主で、密かに羨ましすぎた記憶が今でも残っています、もし生まれ変われるならチュニジア人にしてもらおうかな。

ネットから拾ってきたイザベルアジャーニ(左)とダニエル・デイ=ルイス(右)
イザベルアジャーニの目の色が奇跡

私がダニエル・デイ ルイスが好きになったのは、大学生の時にみた、「存在の耐えられない軽さ」。この映画で、彼が脳外科医の女たらしトマシュの役を演じていた時。繊細で、頭が良さそうで、完璧主義そうで、つかみどころがなくて惚れました。トマシュが映画の中で通りかかったラグビー負傷者(だったかな)の肩脱臼をスポン!と入れるのを見て、私は整形外科医になろうと決意したのです(なんと単純な理由でしょうか)。何しろダニエル・デイ ルイスの演技は演技には見えない、大袈裟な手足や身体の動きがないのに、内側に感情が透けて見える。彼は何ヶ月も徹底した役作りを行うことでも知られているそうです。

簡単なあらすじと説明、登場人物

さてThe Age of Innocenceですが、設定時代は1870年代のニューヨークです。ヨーロッパ界隈だけでなく、ニューヨークでもこういう上流階級の狭い煌びやかな世界が存在していたのですね。

一度めは冒頭15分くらいは説明調なのでうまく筋を掴めず。でも土曜日の夜に1回目を見て、日曜日の午前中に一時止め止めしながらもう一回見たので大丈夫。2回も繰り返してみる映画って自分史上はそんなにないことなので、どれだけどハマったかわかっていただけると思います(ちなみに過去最高は5回見た、Winged Migration (WATARIDORI) です)。

どちらも大好きな映画


元に話を戻すと、設定はニューヨークの上流階級です(ここ強調)。
とりあえずここでは押さえておくのは3名だけでいいです

  • ダニエル・デイ ルイス演じる弁護士のニューランド(名門アーチャー家)

  • メイ(ウィノナ・ライダー)(名門ミンゴット家)(この映画でオスカー候補となりました)ニューランドと婚約中。

  • メイのいとこでエレン(ミシェル・ファイファー)(伯爵夫人)が悲惨な結婚生活から逃げてヨーロッパからニューヨークへ、別居して実家に舞い戻ってきます。

その当時、別居や離婚などは大きなスキャンダル、大恥という時代です。上流階級の厳格な行動規範があり、違反すると身が破滅する可能性まであるのです。社交界の人々はエレンに眉をひそめ、彼女に冷たいのです。

エレンのため、実家のミンゴット家が婚約を通して近い関係にあるニューランド(弁護士だしね)に助けを求めるわけです。最初はフィアンセのメイの実家のミンゴット家のためにと動くニューランドですが、伯爵夫人エレンと話していくうちに、いつの間にか恋に落ちてしまうというストーリーです。すごく端折ってるけど。

感想

ニューランドが伯爵夫人エレンに好意を抱いていると後で気づくみたいに書きましたが、エレンとニューランド二人が出会った瞬間、エレンは大輪の花ような美しい笑顔です。思うにこの瞬間、ニューランドのハートは撃ち抜かれていたと思います。しかもその時の会話でエレンとニューランドはいわゆる幼馴染であり、「あなたふざけて私にキスしたことあったのよ」と言っていたので、ニューランドは昔からエレンのことが好きだったみたいですね。エレンは「昔はニッカポッカで走り回っていたよね」みたいな遠慮のない発言をどんどんするし、プリティウーマンのジュリアロバーツみたいな大きな口の笑顔で、屈託なく握手をする動作などは女性らしいというよりは型破りなんですね。

その当時の離婚(別居)という大恥、精神的に苦しめられたこの女性、エレンが、なんとも自由で魅力的。笑ったり泣いたりする彼女、ニューヨーク社会に対する彼女の型破りな考え方、芸術的でセンスに富んだ会話、ニューランドの賞賛と同情が、あっという間に恋に変わるのは3日以内でした。対照的に婚約者メイはピュアで伝統的なのですから。

ミシェル・ファイファー演じるエレンはエキサイティングで自由な女性です。はい、自由奔放な女性、私も大好きです。自分自身もできればメイタイプ(ピュアで伝統的)ではなく、自由でいることが何よりも大事*だと思っています。時に「自由すぎるよね」と言われるほど。

(*時代が変われば常識も変わる。昔は離婚や別居は大スキャンダル、でも現代はほぼ日常茶飯事になりつつある。つまり、伝統的保守的にその時代の正義にこだわる必要はない、と思うし、この映画もそういうメッセージが含まれていると思うのです)

好きな場面は、

❶ダニエル・デイ ルイス演じるニューランドが黄色いバラを贈るところ、赤じゃダメなんですね。その黄色いバラを箱から出した時のエレンの表情が恋に落ちた瞬間の輝く瞳をしています。

❷サムネに載せた場面(ネットで拾った)ですが、ダニエル・デイ ルイス演じるニューランドとミシェル・ファイファー演じるエレンの初めてのキスシーン。映画を通してラブシーンはありませんので(いわゆる大人の行為という意味で)ここが山場です。いやあ、こんなに素敵な禁断のそそられる男女の場面はあまりお目にかかったことはありません。汚れなきという邦題がついているのはそういう不倫(肉体関係)がないからと捉えてよろしいのでしょうか。エレンの声(上品の極み)。彼女の香りに吸い寄せられるようなニューランドの動き方(上品の極みtoo)。

❸3回くらい手と手を重ねあう場面があるのですが、馬車の中でニューランドがエレンの手袋を脱がせて彼女の肌を露出させて握るところ。黒の衣装で、手だけ肌見せ。手だけなのに、エロさ満開。好きな人の手を握るってこんなにも嬉しくてゾクゾクして興奮することなんですね。

監督はマーティン・スコセッシ。主人公たち(ダニエル・デイ ルイス、ウィノナ・ライダー、ミシェル・ファイファー)は全員、驚くすごい演技を披露しています。また細部まで美しい。絵画、ボールルーム、衣装(第66回アカデミー賞で5部門にノミネートされ、衣装デザイン賞獲得)そして当時の上流社会のパーティーの時のテーブルセッティングはもちろんのこと、お食事内容まできちんと撮られています。批評家も「ほぼ完璧な完成度に達している」とスコセッシの最高傑作と言う人もいるようですが、私は他のスコセッシの映画は見たことあるのかないのかあんまり覚えてないを置いておいても5つ星のうち4.5以上はつけたいです。

⭐️おすすめ 4.5(5つ星のうち)


この記事が参加している募集

おすすめ名作映画

映画感想文

いつもありがとうございます。このnoteまだまだ続けていきますので、どうぞよろしくお願いします。