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歩くこと生きること👣

立ち止まって腰掛けたら、二度と立ち上がれなくなるんじゃないか、そうしたらもう生きてはいけないんじゃないかと歩き続ける。今歩いている道の先に何があろうと、我慢してでも超えていけば、その道が途切れないことだけは確かな気がして。そうやって凹んでも削れてもちぎれても、自分らしさを変形させても何とか歩き続けようとする。
立ち止まってゼロになってしまうのがすごく怖かいから。

そうやって歩いていると、いつしか生きることよりも歩くこと、道に沿っていくことの方が大事な感じがしてきて、気が緩むと涙が止まらなくなっちゃうことも、ひどく息が苦しくなることも、美味しさを感じられなくなることも気のせいだと無かったことにする。多少涙が溢れていても、ポジティブを意識しておけばまだ歩ける。

そうやって騙し騙し歩いて、でもやっぱり苦しくて。駅の線路が見える度に身体が寄っていくような感覚。料理をしているときについ包丁に目をとめてしまう感覚。もう歩き続けられないとどこかで分かっていて、でも自分の生きる世界はその道の上にしかないように思えて。
いつからか歩くことが生きることを超えてしまったみたい。

でも道を外れてみて、ただの卵かけご飯の美味しさにも夕焼けの空って結構綺麗だなということも感じられるようになった。小さなことでも生きてて良かったなと思えることがある度に、道はいくらでもつくれるけれど、自分はひとりだけなんだなって思う。
これからもこのぶきっちょな自分と生きてみようと思えた。

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